【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

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4 必要経費が神から支払われました

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 俺が一生懸命野菜つくりとスローライフについて説明すると

「なるほどわかりました」

 と、屋敷の庭の一角を畑にしてくれた。さー耕すぞ、と思ったら庭師のケビン爺ちゃんが

「ディエス様のお手を煩わせる訳には参りません!」

 と、もう半分耕していたので慌てて止めた。

「自分でやるからスローライフなの~!だめ~だめ~!」

「しかし高貴な方にそのような事を……!」

「俺は普通の人間よーーー!」

 ケビン爺ちゃんの説得に丸一日使ったけれど、なんとか自分でざっくざっくと土を掘り返す事が出来た。

「こ、腰……腕……足……」

「あーはははは!」

 次の日はまあ筋肉痛だな。騎士達いやもはや屋敷の人達全員に笑われたがまあ……ディエスの体は貧弱だってことで!!こんなんじゃ一週間連勤もできねえじゃん!

「爺ちゃん、肥料ある?」

「肥やしですかのう?」

 ……いまいちの肥料しかない。くそう、こんなんじゃ野菜ムシャムシャスローライフが出来ねえじゃないか!神様それくらいは都合つけてくれ!!と、思ったらその日の夜に頭の中に「この世界で作ることの出来るイケてる肥料の作り方」がインプットされていた。おおー神の力かも!

〈あとついでに土魔法で、土壌改良出来るギフトを送っておきました……大丈夫これくらいは、必要経費です〉

「ありがとう……社畜神……君にサーチあれ」

  転職したほうが良さそうだよ??俺はイケてる肥料を作りつつ、土壌に手を加えてケビン爺ちゃんをびっくりさせていた。

「ディエス様、こ、これは画期的ですぞ……!この肥料、屋敷の庭に使ってもよろしいですか!?」

「勿論だよ~。庭よろしくね」

 野菜の種も撒いたし、収穫が楽しみだなあ~。

「土魔法ですか?」

「うん、神様が使えるようにしてくれたんだけど、そうなると他の魔法も気になる。本とか読んだら出来るかな?」

「騎士の中で数人低級魔法を使えるものがおります。習ってみては?」

「うーん!異世界っぽくていいねえ!」

 俺はのんびり野菜を作りながら魔法を覚えるというとっても異世界スローライフを満喫していた。



「……全魔法を覚えなすった……」

「素地はあるんでしょうか……威力は下の下ですが、回復魔法まで使えます。これは異例と言って構わない」

「……中央に報告すべきなんでしょうか」

「まだ、しなくてもいいのではないかと」

 騎士達と使用人達の俺が寝た後のヒソヒソ話は勿論俺は知らない。今日もメイドちゃんがふかふかにしてくれた布団でぐっすり眠っていた。

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