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40 あれ?ボク?(アメシス視点
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「その程度で人間は死なないよ、アメシス」
「えへっ!」
ボクはタングストン家に保護されて、いっぱい美味しい物を食べさせて貰ったら元気になっちゃった。
「どうして殿下がここにいらっしゃるんですか?」
「お前が心配だからに決まってるだろう!私が私の婚約者を心配しないと思ったのか!」
叱られちゃった……怖いけど、何だろうとっても嬉しい。あのいつも優しい殿下が眉毛を吊り上げて怒ってるのに、嬉しい……。
「あれ?ボク、もう殿下の婚約者じゃないです……」
婚約は解消したってお父様が言ってた……ボクはルーカスと結婚しなきゃ。
「愛する人をそんなに簡単に変えたり出来るわけがないだろう!」
「え……」
「私はお前を、アメシスを愛しているんだ!いくら周りに言われても、納得出来ない!」
「で、殿下……サフィールさま……」
王太子のサフィール様が、ボクを?あ、愛して、愛している……?!
「あ、あ、あの、あのぉ……」
嬉しい!けれど、でも、でも……!顔が、顔が熱いーー!
「殿下、私は退出していますね?ふふっ」
アクアがちょっと意地悪く笑って部屋から出て行っちゃった!え、あ、あの!ボ、ボク、あの!
「シス……私の可愛いシス……無事で良かった」
ぎゅっと抱きしめてくれるサフィール殿下……何だろう凄く良い匂いがする。ああ、分かった、おひさまの匂いだ。ボクがアメシスになる前、日本でお布団を太陽で干して柔らかくてふわふわになった時のあの暖かくて大好きなあの匂いにそっくりだ。
「殿下……ボクのおひさま……ボクも大好き……」
暖かくてぽかぽかしてるボクのおひさまはやっぱり殿下しかいない。ボクも腕を伸ばして殿下を抱きしめる。ありがとうございます、こんな所までこんなボクを助けに来てくれて。ボクは、殿下の為に……殿下の為なら何でもできる気がする。
「ア、アメシス……その、離してくれないか……?」
「え……」
殿下に拒絶された……やっぱりボクじゃ駄目なんだ……アクアに酷い事をしてきた出来損ないのボクじゃきっとこれからどんなに頑張っても殿下の隣に立つ事なんて出来ないんだ……。悲しい……涙が出て来そう。でも自業自得だ、ボクはアクアをいっぱい苦しめた。ボクはそれと同じ、いやそれ以上に苦しくて辛い思いをしなくちゃ駄目なんだ。
悲しい、とても悲しいけれど、殿下はこれから良いお嫁さんを貰ってあの国の立派な王様にならないと駄目だもんね……。ボクは隣に立てなくても何か殿下のお役に立てれば……それで、いい……悲しいけれど、それで。
「……こ、こんなに密着していては……その、抑えられなくなりそうだ……シスが可愛すぎて、今すぐ私のものにしたく、なる」
「へ……」
「わ、私は王太子だから、一応立場と言うものがある。い、いくら婚約者とはいえ、いきなりつがいになって国へ帰る訳にはいかないんだ……だから、少しだけ、離れて、ね?」
「殿下はボクを嫌いじゃないのですか……?」
「どうして!?こんなに可愛い私のアメシスを嫌いになれる?可愛い可愛い……かなりお馬鹿だけれど私の可愛いつがいを嫌いになる訳ないだろう?」
「で、殿下ぁ~~~~~!」
「離れて!シスー!」
「えへっ!」
ボクはタングストン家に保護されて、いっぱい美味しい物を食べさせて貰ったら元気になっちゃった。
「どうして殿下がここにいらっしゃるんですか?」
「お前が心配だからに決まってるだろう!私が私の婚約者を心配しないと思ったのか!」
叱られちゃった……怖いけど、何だろうとっても嬉しい。あのいつも優しい殿下が眉毛を吊り上げて怒ってるのに、嬉しい……。
「あれ?ボク、もう殿下の婚約者じゃないです……」
婚約は解消したってお父様が言ってた……ボクはルーカスと結婚しなきゃ。
「愛する人をそんなに簡単に変えたり出来るわけがないだろう!」
「え……」
「私はお前を、アメシスを愛しているんだ!いくら周りに言われても、納得出来ない!」
「で、殿下……サフィールさま……」
王太子のサフィール様が、ボクを?あ、愛して、愛している……?!
「あ、あ、あの、あのぉ……」
嬉しい!けれど、でも、でも……!顔が、顔が熱いーー!
「殿下、私は退出していますね?ふふっ」
アクアがちょっと意地悪く笑って部屋から出て行っちゃった!え、あ、あの!ボ、ボク、あの!
「シス……私の可愛いシス……無事で良かった」
ぎゅっと抱きしめてくれるサフィール殿下……何だろう凄く良い匂いがする。ああ、分かった、おひさまの匂いだ。ボクがアメシスになる前、日本でお布団を太陽で干して柔らかくてふわふわになった時のあの暖かくて大好きなあの匂いにそっくりだ。
「殿下……ボクのおひさま……ボクも大好き……」
暖かくてぽかぽかしてるボクのおひさまはやっぱり殿下しかいない。ボクも腕を伸ばして殿下を抱きしめる。ありがとうございます、こんな所までこんなボクを助けに来てくれて。ボクは、殿下の為に……殿下の為なら何でもできる気がする。
「ア、アメシス……その、離してくれないか……?」
「え……」
殿下に拒絶された……やっぱりボクじゃ駄目なんだ……アクアに酷い事をしてきた出来損ないのボクじゃきっとこれからどんなに頑張っても殿下の隣に立つ事なんて出来ないんだ……。悲しい……涙が出て来そう。でも自業自得だ、ボクはアクアをいっぱい苦しめた。ボクはそれと同じ、いやそれ以上に苦しくて辛い思いをしなくちゃ駄目なんだ。
悲しい、とても悲しいけれど、殿下はこれから良いお嫁さんを貰ってあの国の立派な王様にならないと駄目だもんね……。ボクは隣に立てなくても何か殿下のお役に立てれば……それで、いい……悲しいけれど、それで。
「……こ、こんなに密着していては……その、抑えられなくなりそうだ……シスが可愛すぎて、今すぐ私のものにしたく、なる」
「へ……」
「わ、私は王太子だから、一応立場と言うものがある。い、いくら婚約者とはいえ、いきなりつがいになって国へ帰る訳にはいかないんだ……だから、少しだけ、離れて、ね?」
「殿下はボクを嫌いじゃないのですか……?」
「どうして!?こんなに可愛い私のアメシスを嫌いになれる?可愛い可愛い……かなりお馬鹿だけれど私の可愛いつがいを嫌いになる訳ないだろう?」
「で、殿下ぁ~~~~~!」
「離れて!シスー!」
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