27 / 64
27 建国祭の清楚なドレス
しおりを挟む
「腹が減ったと言ってるだろう!」
「そんな事よりもとりあえず着替えて、会場へ行ってください!もう皆様お着きなのですよ!!」
「ネリーニはどうした!」
「お部屋に迎えに行きましても、「まだ湯あみも済んでいません」とネリーニ様の侍女達に金切り声を上げられます!一向に出てくる気配がありませんっ」
エルファードを探し出した侍従もヨレヨレの服のままだ。目の下には濃いクマがあり、彼も一睡もしていない。
「他に誰か向かわせろ」
「他とは!誰かとは!誰ですかっ正妃様がいらっしゃらないのですよ!」
「正妃はネリーニだ!そうだ、宰相のローランド……」
彼ももういない。ない頭を振り絞って頼れそうな人物を捜すがエルファードの脳裏に浮かぶ有能な人材は誰もかれも城を出ていた。
「そうだ……ネリーニの父親のダルク公爵はどうした!彼ならば……」
「ダルク公爵はまだ登城しておりません!かの公爵は毎年午後遅くからやってくるではありませんか!」
建国祭の午前中は曲がりなりにも王であるエルファードと王妃のアイリーンは並んで各国の賓客に挨拶をする。その仲良くもないが並んで歩く二人を見くないとネリーニは駄々を捏ねるのでダルク公爵も遅くに来るようになっていたのだ。
「今年はネリーニが王妃なのだから、早く来るだろう?」
「お姿は見ておりません!それに建国祭の幕開けに王が居ないなどと前代未聞の事です!お急ぎお支度を!!」
「う、うむむ……」
急かされ、やっとの事でエルファードは重い腰を上げ、部屋に用意されている新品の建国祭用の白の礼服に着替える。勿論、用意したのはアイリーンで、周りの人達に準備してある事も伝えたし、場所も指示してあったのでエルファードの服はなんの問題もない。
「ネリーニは?隣に妃がおらんのでは笑われてしまうぞ?」
「ですからまだ準備だと……」
「一体どうなっているんだ。行ってみるか」
侍従が止めるのも聞かず、エルファードはネリーニが準備に使っているという部屋の前までやって来た。
「ネリーニ様は準備中でございます」
慇懃に頭を下げるネリーニが家から連れて来たと言うメイド達が頭を下げて、壁を作っていた。
「今すぐに各国の賓客に挨拶をせねばならん。ネリーニにすぐ出てきて、挨拶をするよう伝えてくれ」
「お伝えして参ります」
メイドの1人が部屋の中へ入っていくもすぐに出てきて
「お伝え致しました」
そう告げる。
「今すぐ出てくるんだ」
「お伝えして参ります」
また中へ入り
「お伝え致しました」
と、繰り返すだけだった。
「いつになるのだ!!今すぐと言った私の言葉が聞こえないのか!!」
「お伝えして参ります」
ネリーニのメイドにとっては王であるエルファードよりネリーニの方が大切にすべき主なのだった。
侍従があまりのストレスで倒れて暫くしてからネリーニは真っ赤なドレスで現れる。
「お待たせしましたわ、エルファード様」
派手すぎる化粧に高く結い上げた髪はどれも時間のかかる手の込んだものであるが、流石にエルファードもネリーニを連れて行く事は出来なかった。
「駄目だ、ネリーニ。建国祭の王と王妃の服は白地に金糸の縫い取りで国の象徴を入れねばならない。これは建国からの規則だ、赤いドレスを王妃が纏う事は出来ん」
「え……そんなこと聞いたこともございませんけれど、本当でございますか?」
「王宮規則で定められているぞ。ネリーニも暗記したであろう?王妃教育の一番最初に覚えるものだと聞いているが?」
「え?あ、ええ、そ、そうでございますわね……ほ、ほほ、ほほほ……だ、誰かしら!?こんな色のドレスを選んだのは!私に恥をかかせて喜ぶつもり??アイリーンの腰巾着がまだいるようね!?貴女かしらっ!?」
完全に苦し紛れに、ネリーニは自分の連れて来たメイドの一人を指差した。
「え?わ、私はネリーニ様のご指示通りにこのドレスを……」
「うるさい!犯人は貴女ねっ!ばあや、この女を捨てておいてくれるかしらっ!?」
「畏まりましてございます、お姫様」
恭しく頭を下げるネリーニのメイド長と「わ、私は知りませんっ!」と濡れ衣を着せられ泣くメイド。しかしその他のメイド達はネリーニの言葉が全てなのか、誰一人として今まで同僚として仲良くやってきたメイドを庇う者はいない。ネリーニが犯人だと言えば何の罪を犯していなくても犯人になるのだから。
「わ、私の建国祭用のドレスはどこかしら……?あ、そうだわ、きっとアイリーンが隠してしまったのね?あいつの部屋に行って捜してきて頂戴」
「畏まりました」
くたびれた数枚のドレスの中に、一着だけ新品の白と金のドレスを見つけ、メイド達はそれをネリーニに着付け直した。
「……」「……」
誰も何も言わない。しかし全員が気が付いていた。胸の部分がかなり隙間がある事に。仕方がなく、綿やら何やらを詰めてボリュームを出した事。ウェストがきつくて無理やり締め上げて詰め込んだことを。きっと何も食べることは出来ないだろうし、気を抜くと何かがパン!と弾けてしまいそうな事。ドレスが長くて、不格好なほど床を引きずる事。
アイリーンの体型に合わせて作られたこのドレスから察するところ。ネリーニはアイリーンよりバストのサイズは小さく、ウェストのサイズは大きく、足は短い……この場にいる者は誰一人として口にはしないが、その事実に一番衝撃を受けたのはネリーニだった。
「……っ!」
バキリッ!と手に持っていた華奢な造りの扇を折ってしまっても仕方がない事だろう。下だ、下だと言っていた女性が実は自分より素晴らしい体型を維持していたなど。
「急ぐぞ、ネリーニ!皆もう揃っているらしい!」
「え?あ、はい!」
足早に行ってしまうエルファードは手を取ってエスコートすらしてくれない。女性をエスコートするというマナーすらあの軽い頭には入っていないのだ。ドレスと合わせて作られたかかとの高いハイヒール。サイズも合っていない物に無理やり足を詰め込んだから走るなんて出来るはずもなく、立っているのがやっとなのに。
「お姫様のお靴をお持ちしましょうか……?」
「いえ!大丈夫よ!!」
白に金糸の清楚なドレスに合わせるような地味な靴をネリーニは持っていないし、ここまでヒールの高い靴もない。上手に歩くことが出来なくてヒールの高さを下げたなど。アイリーンに負けたような気持になる事をネリーニは出来るはずもなかったのである。
「そんな事よりもとりあえず着替えて、会場へ行ってください!もう皆様お着きなのですよ!!」
「ネリーニはどうした!」
「お部屋に迎えに行きましても、「まだ湯あみも済んでいません」とネリーニ様の侍女達に金切り声を上げられます!一向に出てくる気配がありませんっ」
エルファードを探し出した侍従もヨレヨレの服のままだ。目の下には濃いクマがあり、彼も一睡もしていない。
「他に誰か向かわせろ」
「他とは!誰かとは!誰ですかっ正妃様がいらっしゃらないのですよ!」
「正妃はネリーニだ!そうだ、宰相のローランド……」
彼ももういない。ない頭を振り絞って頼れそうな人物を捜すがエルファードの脳裏に浮かぶ有能な人材は誰もかれも城を出ていた。
「そうだ……ネリーニの父親のダルク公爵はどうした!彼ならば……」
「ダルク公爵はまだ登城しておりません!かの公爵は毎年午後遅くからやってくるではありませんか!」
建国祭の午前中は曲がりなりにも王であるエルファードと王妃のアイリーンは並んで各国の賓客に挨拶をする。その仲良くもないが並んで歩く二人を見くないとネリーニは駄々を捏ねるのでダルク公爵も遅くに来るようになっていたのだ。
「今年はネリーニが王妃なのだから、早く来るだろう?」
「お姿は見ておりません!それに建国祭の幕開けに王が居ないなどと前代未聞の事です!お急ぎお支度を!!」
「う、うむむ……」
急かされ、やっとの事でエルファードは重い腰を上げ、部屋に用意されている新品の建国祭用の白の礼服に着替える。勿論、用意したのはアイリーンで、周りの人達に準備してある事も伝えたし、場所も指示してあったのでエルファードの服はなんの問題もない。
「ネリーニは?隣に妃がおらんのでは笑われてしまうぞ?」
「ですからまだ準備だと……」
「一体どうなっているんだ。行ってみるか」
侍従が止めるのも聞かず、エルファードはネリーニが準備に使っているという部屋の前までやって来た。
「ネリーニ様は準備中でございます」
慇懃に頭を下げるネリーニが家から連れて来たと言うメイド達が頭を下げて、壁を作っていた。
「今すぐに各国の賓客に挨拶をせねばならん。ネリーニにすぐ出てきて、挨拶をするよう伝えてくれ」
「お伝えして参ります」
メイドの1人が部屋の中へ入っていくもすぐに出てきて
「お伝え致しました」
そう告げる。
「今すぐ出てくるんだ」
「お伝えして参ります」
また中へ入り
「お伝え致しました」
と、繰り返すだけだった。
「いつになるのだ!!今すぐと言った私の言葉が聞こえないのか!!」
「お伝えして参ります」
ネリーニのメイドにとっては王であるエルファードよりネリーニの方が大切にすべき主なのだった。
侍従があまりのストレスで倒れて暫くしてからネリーニは真っ赤なドレスで現れる。
「お待たせしましたわ、エルファード様」
派手すぎる化粧に高く結い上げた髪はどれも時間のかかる手の込んだものであるが、流石にエルファードもネリーニを連れて行く事は出来なかった。
「駄目だ、ネリーニ。建国祭の王と王妃の服は白地に金糸の縫い取りで国の象徴を入れねばならない。これは建国からの規則だ、赤いドレスを王妃が纏う事は出来ん」
「え……そんなこと聞いたこともございませんけれど、本当でございますか?」
「王宮規則で定められているぞ。ネリーニも暗記したであろう?王妃教育の一番最初に覚えるものだと聞いているが?」
「え?あ、ええ、そ、そうでございますわね……ほ、ほほ、ほほほ……だ、誰かしら!?こんな色のドレスを選んだのは!私に恥をかかせて喜ぶつもり??アイリーンの腰巾着がまだいるようね!?貴女かしらっ!?」
完全に苦し紛れに、ネリーニは自分の連れて来たメイドの一人を指差した。
「え?わ、私はネリーニ様のご指示通りにこのドレスを……」
「うるさい!犯人は貴女ねっ!ばあや、この女を捨てておいてくれるかしらっ!?」
「畏まりましてございます、お姫様」
恭しく頭を下げるネリーニのメイド長と「わ、私は知りませんっ!」と濡れ衣を着せられ泣くメイド。しかしその他のメイド達はネリーニの言葉が全てなのか、誰一人として今まで同僚として仲良くやってきたメイドを庇う者はいない。ネリーニが犯人だと言えば何の罪を犯していなくても犯人になるのだから。
「わ、私の建国祭用のドレスはどこかしら……?あ、そうだわ、きっとアイリーンが隠してしまったのね?あいつの部屋に行って捜してきて頂戴」
「畏まりました」
くたびれた数枚のドレスの中に、一着だけ新品の白と金のドレスを見つけ、メイド達はそれをネリーニに着付け直した。
「……」「……」
誰も何も言わない。しかし全員が気が付いていた。胸の部分がかなり隙間がある事に。仕方がなく、綿やら何やらを詰めてボリュームを出した事。ウェストがきつくて無理やり締め上げて詰め込んだことを。きっと何も食べることは出来ないだろうし、気を抜くと何かがパン!と弾けてしまいそうな事。ドレスが長くて、不格好なほど床を引きずる事。
アイリーンの体型に合わせて作られたこのドレスから察するところ。ネリーニはアイリーンよりバストのサイズは小さく、ウェストのサイズは大きく、足は短い……この場にいる者は誰一人として口にはしないが、その事実に一番衝撃を受けたのはネリーニだった。
「……っ!」
バキリッ!と手に持っていた華奢な造りの扇を折ってしまっても仕方がない事だろう。下だ、下だと言っていた女性が実は自分より素晴らしい体型を維持していたなど。
「急ぐぞ、ネリーニ!皆もう揃っているらしい!」
「え?あ、はい!」
足早に行ってしまうエルファードは手を取ってエスコートすらしてくれない。女性をエスコートするというマナーすらあの軽い頭には入っていないのだ。ドレスと合わせて作られたかかとの高いハイヒール。サイズも合っていない物に無理やり足を詰め込んだから走るなんて出来るはずもなく、立っているのがやっとなのに。
「お姫様のお靴をお持ちしましょうか……?」
「いえ!大丈夫よ!!」
白に金糸の清楚なドレスに合わせるような地味な靴をネリーニは持っていないし、ここまでヒールの高い靴もない。上手に歩くことが出来なくてヒールの高さを下げたなど。アイリーンに負けたような気持になる事をネリーニは出来るはずもなかったのである。
218
お気に入りに追加
7,186
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】もう一度あなたと結婚するくらいなら、初恋の騎士様を選びます。
紺
恋愛
「価値のない君を愛してあげられるのは僕だけだよ?」
気弱な伯爵令嬢カトレアは両親や親友に勧められるまま幼なじみと結婚する。しかし彼は束縛や暴言で彼女をコントロールするモラハラ男だった。
ある日カトレアは夫の愛人である親友に毒殺されてしまう。裏切られた彼女が目を覚ますと、そこは婚約を結ぶきっかけとなった8年前に逆行していた。
このままではまた地獄の生活が始まってしまう……!
焦ったカトレアの前に現れたのは、当時少しだけ恋心を抱いていたコワモテの騎士だった。
もし人生やり直しが出来るなら、諦めた初恋の騎士様を選んでもいいの……よね?
逆行したヒロインが初恋の騎士と人生リスタートするお話。
ざまぁ必須、基本ヒロイン愛されています。
※誤字脱字にご注意ください。
※作者は更新頻度にムラがあります。どうぞ寛大なお心でお楽しみ下さい。
※ご都合主義のファンタジー要素あり。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ
曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。
婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。
美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。
そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……?
――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】真面目だけが取り柄の地味で従順な女はもうやめますね
祈璃
恋愛
「結婚相手としては、ああいうのがいいんだよ。真面目だけが取り柄の、地味で従順な女が」
婚約者のエイデンが自分の陰口を言っているのを偶然聞いてしまったサンドラ。
ショックを受けたサンドラが中庭で泣いていると、そこに公爵令嬢であるマチルダが偶然やってくる。
その後、マチルダの助けと従兄弟のユーリスの後押しを受けたサンドラは、新しい自分へと生まれ変わることを決意した。
「あなたの結婚相手に相応しくなくなってごめんなさいね。申し訳ないから、あなたの望み通り婚約は解消してあげるわ」
*****
全18話。
過剰なざまぁはありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる