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打倒!元実家!
78 秘密クラブの秘密
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今、学園の中でとても人気のある秘密クラブがある。それは美味しい物を食べるクラブともいわれるし、美しいものを愛でるクラブだとも言われるし、またあるものは美容に良いとも言われている。
全て噂なのだけれども、シュマリエ・ディライトの元には噂しか届かない。
「何でしたっけ?「RCFC」でしたっけ?」
「ほほほ「RTFC」ですわね」
シュマリエの隣の席のロザリー・ルシリアが微笑んだ。
「ロザリー様はどんなクラブがお知りなのですか?」
「いいえ?わたくしもさっぱり。検討もつきませんわ」
「あら、私と一緒なのですね」
シュマリエは「自分だけじゃない」と少し安堵し、ロザリーは「貴方にだけは教えてやるもんですか!」と内心怒っていた。ロザリーもディライト家がリト達にした非道な行いに腹を立てていたのだ。
勿論「リ(R)ト(T)FUN CLUB」の略であるのだが、最近会員が増えてきて少し困っているのである。
「ロザリー……お前、レナ・リルベルト子爵令嬢と仲が良いよな?」
「何ですか?お兄様まで、レナとお付き合いしたいなんて仰るのではありませんよね?」
「うっ!」
兄、ローベルトは声を詰まらせた。お兄様もですの?ロザリーはため息をつくしかなかった。
「それにしても……レナったら……もしかしてリトのせい?」
レナ・リルベルトが美少女だという噂は以前から少しあったが、リトの隣の席になってから、更に可愛くなったと男子は口々に言い始めた。
「平民のリトはたしかに可愛いが男な上に怖い怖い旦那がいる!無理だ!それならその隣の子爵令嬢はどうだ?!」
こんな流れである。確かにリトと笑いながら何か喋っているレナは可愛らしいと言えるし、リトの側に居なくてもやはり可愛いと言えた。
「レナは……可愛くなった?」
ロザリーも首を傾げるが、そうとしか思えない。
リトの側にいれば、可愛くなれる気がするのだ
「まさかね?」
ロザリーはそう考えてやめた。そんなはずない。
「ロザリーだって最近人気あるぞ!」
「え?」
「あと、ハイジ・ローゼルも可愛いって。お前、ハイジとも仲が良いよな?!」
二人ともリトと良くお話ししている。リトは人見知り気味だし、護衛たちが目を光らせていて、変な奴らは近づけなくしてるけど……。
「まさかね?」
「ロザリー!頼む!どっちかで良いから紹介してくれ!」
自分に頭を下げて拝んでくる兄を冷たい目で見下ろす。
「お兄様はリトの爪の垢でも煎じて飲めばよろしいわ!!」
「はぁ?!リトは職人だぞ?爪に垢なんてあるわけないだろ?」
「例え話よ!例え話!もう!そんなんだから跡継ぎなのにまだ婚約者がいないのよ!」
ロザリーは怒鳴ってしまったが、ルシリア家としても、この鈍い兄に早く丁度いい婚約者が来て欲しい所なのだ。
「……本当にレナ、来る気無いかしら……?」
あの子なら
「リトさんと親戚になれますのね!」
って来てくれそうな気がするロザリーなのだった。
全て噂なのだけれども、シュマリエ・ディライトの元には噂しか届かない。
「何でしたっけ?「RCFC」でしたっけ?」
「ほほほ「RTFC」ですわね」
シュマリエの隣の席のロザリー・ルシリアが微笑んだ。
「ロザリー様はどんなクラブがお知りなのですか?」
「いいえ?わたくしもさっぱり。検討もつきませんわ」
「あら、私と一緒なのですね」
シュマリエは「自分だけじゃない」と少し安堵し、ロザリーは「貴方にだけは教えてやるもんですか!」と内心怒っていた。ロザリーもディライト家がリト達にした非道な行いに腹を立てていたのだ。
勿論「リ(R)ト(T)FUN CLUB」の略であるのだが、最近会員が増えてきて少し困っているのである。
「ロザリー……お前、レナ・リルベルト子爵令嬢と仲が良いよな?」
「何ですか?お兄様まで、レナとお付き合いしたいなんて仰るのではありませんよね?」
「うっ!」
兄、ローベルトは声を詰まらせた。お兄様もですの?ロザリーはため息をつくしかなかった。
「それにしても……レナったら……もしかしてリトのせい?」
レナ・リルベルトが美少女だという噂は以前から少しあったが、リトの隣の席になってから、更に可愛くなったと男子は口々に言い始めた。
「平民のリトはたしかに可愛いが男な上に怖い怖い旦那がいる!無理だ!それならその隣の子爵令嬢はどうだ?!」
こんな流れである。確かにリトと笑いながら何か喋っているレナは可愛らしいと言えるし、リトの側に居なくてもやはり可愛いと言えた。
「レナは……可愛くなった?」
ロザリーも首を傾げるが、そうとしか思えない。
リトの側にいれば、可愛くなれる気がするのだ
「まさかね?」
ロザリーはそう考えてやめた。そんなはずない。
「ロザリーだって最近人気あるぞ!」
「え?」
「あと、ハイジ・ローゼルも可愛いって。お前、ハイジとも仲が良いよな?!」
二人ともリトと良くお話ししている。リトは人見知り気味だし、護衛たちが目を光らせていて、変な奴らは近づけなくしてるけど……。
「まさかね?」
「ロザリー!頼む!どっちかで良いから紹介してくれ!」
自分に頭を下げて拝んでくる兄を冷たい目で見下ろす。
「お兄様はリトの爪の垢でも煎じて飲めばよろしいわ!!」
「はぁ?!リトは職人だぞ?爪に垢なんてあるわけないだろ?」
「例え話よ!例え話!もう!そんなんだから跡継ぎなのにまだ婚約者がいないのよ!」
ロザリーは怒鳴ってしまったが、ルシリア家としても、この鈍い兄に早く丁度いい婚約者が来て欲しい所なのだ。
「……本当にレナ、来る気無いかしら……?」
あの子なら
「リトさんと親戚になれますのね!」
って来てくれそうな気がするロザリーなのだった。
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