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家族
62 ちょっと黙ってて!
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「もう、売り出してんのか……っ!だが、販売経路が甘いッ!」
「あははは……で!ジョリーさん!詳しく!」
ぐるるるると低く唸るギアナ様を横目に俺は行商人の兄ちゃんこと、ジョリーさんにおかわりのりんごパンとりんごジュースを差し出した。
「おお!りんごセット!美味いっ!売れる!」
「売ろう!」
「ちょっとギアナ様黙ってて!」
話を聞かせて!
俺がカレン達と別れたすぐ後に、ジョリーさんはカレン達と出会ったようだ。
「りんごパン兄弟!」
「よっぽどだったんですねぇ」
馬車で移動した事、人攫いに追われた事。
「王子の騎士さんが助けてくれたんだぜ!そんでほら、見てくれ!」
ジョリーさんは首から大事に下げている札を出した。
「じゃーん!ウィシュバーグ王国から出してる特別商売許可証だ!これがあるからこっちまで足を伸ばすのも楽々だし、信用度も高いし!いやーあの王子様良いもんくれたぜー」
「おお!それは俺も羨ましいな!」
俺に叱られて耳と尻尾を垂れていたギアナ様は目を輝かせた。
「だろーだろー!商人なら誰もが欲しがる奴だからなー!しかもウィシュバーグのやつは保護魔法もかかってるから、本人以外使えねえ!」
「分かるぜ!他の国とは信用度が違うんだよな!俺も欲しいな!」
ジョリーさんの許可証を見ると、ジョリーさんの顔まで載ってる。高度な魔法が組み込まれているんだって。
専門外だから、さっぱり分からなかった!
「ちょびっと怖い目にあったけど、やっぱり人は助けとくもんだなって思ったよ。礼金ももらって、年取ったかーちゃんもルシリア領に連れて来たし、家もある!はー!これもお前たちのおかげだ!」
りんごパン3個目に突入しながら、ジョリーさんは笑顔でいっぱいだ。
「ジョリーさん、本当にありがとうございました。あなたがいてくれてカレン達は心強かったと思います」
「おう!これもりんごパンのお導きだな!お前のかーちゃんは最高のりんごパン職人だな!」
あはは!この人、本当にりんごパン好きだなぁ!
……神様、ありがとう。きっとこの人をカレン達に会わせてくれたのは、神様でしょう?良かった、本当に良かった!
俺達は検問を何事も無く通過し、リザの街へ入っていった。
「は?リト、もう一回言ってみろ!!」
めちゃくちゃ怖い顔で上からギアナ様に睨まれた。怖い怖いよぉ……!
「だ、だから……そっちの小麦は麺類用だから、向こうのもうちょっと白いパン用のと、あっちのもっと白いケーキ用を買いましょうって……」
「小麦に種類ってあんのか!!!」
あるって書いてあったよぉーーー!ジョリーさんや粉挽き所の人たちも驚いた顔で見ている。
俺は商人魂が火どころか燃え盛ってしまったギアナ様に詰め寄られていた。
「後なんだ!なんで皮ごと引くんだ!せっかくきれいな白い小麦が出来んのに!きたねぇだろうよ!」
「そ、それは……全粒粉っていう……」
あわ、あわわわ……どうしよう!俺、なんかまずい事言った?!
「あははは……で!ジョリーさん!詳しく!」
ぐるるるると低く唸るギアナ様を横目に俺は行商人の兄ちゃんこと、ジョリーさんにおかわりのりんごパンとりんごジュースを差し出した。
「おお!りんごセット!美味いっ!売れる!」
「売ろう!」
「ちょっとギアナ様黙ってて!」
話を聞かせて!
俺がカレン達と別れたすぐ後に、ジョリーさんはカレン達と出会ったようだ。
「りんごパン兄弟!」
「よっぽどだったんですねぇ」
馬車で移動した事、人攫いに追われた事。
「王子の騎士さんが助けてくれたんだぜ!そんでほら、見てくれ!」
ジョリーさんは首から大事に下げている札を出した。
「じゃーん!ウィシュバーグ王国から出してる特別商売許可証だ!これがあるからこっちまで足を伸ばすのも楽々だし、信用度も高いし!いやーあの王子様良いもんくれたぜー」
「おお!それは俺も羨ましいな!」
俺に叱られて耳と尻尾を垂れていたギアナ様は目を輝かせた。
「だろーだろー!商人なら誰もが欲しがる奴だからなー!しかもウィシュバーグのやつは保護魔法もかかってるから、本人以外使えねえ!」
「分かるぜ!他の国とは信用度が違うんだよな!俺も欲しいな!」
ジョリーさんの許可証を見ると、ジョリーさんの顔まで載ってる。高度な魔法が組み込まれているんだって。
専門外だから、さっぱり分からなかった!
「ちょびっと怖い目にあったけど、やっぱり人は助けとくもんだなって思ったよ。礼金ももらって、年取ったかーちゃんもルシリア領に連れて来たし、家もある!はー!これもお前たちのおかげだ!」
りんごパン3個目に突入しながら、ジョリーさんは笑顔でいっぱいだ。
「ジョリーさん、本当にありがとうございました。あなたがいてくれてカレン達は心強かったと思います」
「おう!これもりんごパンのお導きだな!お前のかーちゃんは最高のりんごパン職人だな!」
あはは!この人、本当にりんごパン好きだなぁ!
……神様、ありがとう。きっとこの人をカレン達に会わせてくれたのは、神様でしょう?良かった、本当に良かった!
俺達は検問を何事も無く通過し、リザの街へ入っていった。
「は?リト、もう一回言ってみろ!!」
めちゃくちゃ怖い顔で上からギアナ様に睨まれた。怖い怖いよぉ……!
「だ、だから……そっちの小麦は麺類用だから、向こうのもうちょっと白いパン用のと、あっちのもっと白いケーキ用を買いましょうって……」
「小麦に種類ってあんのか!!!」
あるって書いてあったよぉーーー!ジョリーさんや粉挽き所の人たちも驚いた顔で見ている。
俺は商人魂が火どころか燃え盛ってしまったギアナ様に詰め寄られていた。
「後なんだ!なんで皮ごと引くんだ!せっかくきれいな白い小麦が出来んのに!きたねぇだろうよ!」
「そ、それは……全粒粉っていう……」
あわ、あわわわ……どうしよう!俺、なんかまずい事言った?!
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