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1 魔王マジ魔王!
5 魔王さまの兄上さま2.2
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「あにう「レイ!レイじゃないか!良いところに!」」
「ごちゃごちゃいってねーで白金貨20枚出しやがれ!」
ここで流通している貨幣の説明をしよう。
銅貨 10円
鉄貨 100円
銀貨 1000円
金貨 1万円
白金貨 10万円
くらいだと思って頂けるとありがたい。魔王さまのお兄さま2は、200万円の借金をこしらえたのです。
「あにう「分かってる!分かってるって言ってんだろー!俺はここのオーナーだ!逃げも隠れもしねぇ!」」
「じゃあ今すぐ出せー!」
巨大カジノは兄上2が発案・運営している。それなのに大負けしたようだ。オーナーすら敗者になるカジノはある意味健全な運営をしているのかもしれない。
ワルいけど。
「あにう「だーかーらー財布忘れたから取りに行くっつってんだろぉよ!聞こえてねーのか!」」
「信用できっか!何か担保でもなきゃ完全にバックレるやつだろ!」
「あにう「そこでじゃじゃーん!レイ君でっす!弟です!」」
「はぁ?何言って…」
自分と債権者の男の間に、レディアルを引っ張り込む。
「あにう「見りゃ分かるだろ?俺たち似てるし!」」
「う、うん?確かに兄弟っぽいな。」
髪の色はどちらも黒。瞳の色は赤いレディアルと黄色の兄上2、2番目の兄。ちなみにピーナツ兄は1番上だ。ついでに瞳は青い。信号機カラーである。
「あにう「レイ君を置いていく!担保の代わりだ!すぐ戻るから絶対変なことするんじゃねーぞ!」」
「変なことねぇ?」
「絶対だからな!戻るまでそこを動くんじゃねーぞ!」
ビシィっと指を指して、兄上2は転移魔法で飛んで行った。
「あにう「ふーん?へぇ、ほぉ?」」
残された男は品定めをするように魔王さまの顔を覗き込む。
刈り込まれた茶色の短髪に底意地の悪そうな緑の目。顔の造形自体はそう悪くはないのだが、男の目と纏う雰囲気が腰を後ろに引かせる。
「まあ、しょうがない。こっちへ来いっ」
「え?ええええええ!」
抗議の声は
「あ?」
「ひぃ!」
2文字半とマーク二つで終了させられ、強引に腕を掴まれ歩かされた。
落ちたミントアイスはただ、溶けてゆくだけだった。
レディアルは魔王さまである。魔族達に信仰された女神が決めた魔王である。
だが、大声で怒鳴ったりマウント取ってくるような輩は苦手だった。だって怖いんだもの。
「こっちだ、モタモタすんな!」
「ひえ」
この男について行きたくないと、レディアルは心の底から思っていたが、なかなかの腕っぷしの強さにあがらいきれなかった。
男が借りたであろう宿の部屋の前まで連れてこられていた。
兄上はカジノの前で待てと言ったのに
そう反論は出来なかった。口を開こうとすると、
「ぁあん?」
怖い。何かあれば腕輪を外して本来の力を見せればいい。ただしこの周りはかなり壊れるだろう。
街を壊したら怒られるだろうな。この高級宿屋とか、アイスクリームワゴンとか。
「ちょっと勇者くぅ~ん?何やってんのぉ?そんな美人の子連れ込んでぇ?」
艶のありすぎる声が後ろからかかる。振り返れば真っ赤な髪の女が、男にしな垂れかかりながら立っていた。
露出の高すぎる服だか、見れば職業は盗賊といったところだろう。男の方はどうみても魔術師です、と言わんばかりの黒いローブ姿だ。
「よぉ、お前ら。全く仲のよろしいことで!」
口の端を上げてニヤリと笑う顔は完全なる悪役フェイス。ブルッと悪寒が走る。
「まあ、私たちは仲良くやっとくから、そっちはそっちで楽しんでよ」
「言われなくても」
バーイと手を振り、廊下を挟み右と左の扉に分かれる。この男はどうやら、次に来た勇者らしい。そして仲間は盗賊と魔術師。3人パーティなんだ、いつ頃登城してくるんだろう。嫌だな、引き返してくれないかな、軽く現実逃避をするレディアルを引きずって部屋に入る。
ガチャリと、後ろ手に鍵がかかる音がやけに大きく聞こえた。
末っ子ゆえか、高すぎる能力値ゆえかで危機感の薄いレディアルでも、この状況はかなりまずいと気がつく。
あれ?よく知らない初対面の男に宿屋に連れ込まれた私?
大★正★解
「ごちゃごちゃいってねーで白金貨20枚出しやがれ!」
ここで流通している貨幣の説明をしよう。
銅貨 10円
鉄貨 100円
銀貨 1000円
金貨 1万円
白金貨 10万円
くらいだと思って頂けるとありがたい。魔王さまのお兄さま2は、200万円の借金をこしらえたのです。
「あにう「分かってる!分かってるって言ってんだろー!俺はここのオーナーだ!逃げも隠れもしねぇ!」」
「じゃあ今すぐ出せー!」
巨大カジノは兄上2が発案・運営している。それなのに大負けしたようだ。オーナーすら敗者になるカジノはある意味健全な運営をしているのかもしれない。
ワルいけど。
「あにう「だーかーらー財布忘れたから取りに行くっつってんだろぉよ!聞こえてねーのか!」」
「信用できっか!何か担保でもなきゃ完全にバックレるやつだろ!」
「あにう「そこでじゃじゃーん!レイ君でっす!弟です!」」
「はぁ?何言って…」
自分と債権者の男の間に、レディアルを引っ張り込む。
「あにう「見りゃ分かるだろ?俺たち似てるし!」」
「う、うん?確かに兄弟っぽいな。」
髪の色はどちらも黒。瞳の色は赤いレディアルと黄色の兄上2、2番目の兄。ちなみにピーナツ兄は1番上だ。ついでに瞳は青い。信号機カラーである。
「あにう「レイ君を置いていく!担保の代わりだ!すぐ戻るから絶対変なことするんじゃねーぞ!」」
「変なことねぇ?」
「絶対だからな!戻るまでそこを動くんじゃねーぞ!」
ビシィっと指を指して、兄上2は転移魔法で飛んで行った。
「あにう「ふーん?へぇ、ほぉ?」」
残された男は品定めをするように魔王さまの顔を覗き込む。
刈り込まれた茶色の短髪に底意地の悪そうな緑の目。顔の造形自体はそう悪くはないのだが、男の目と纏う雰囲気が腰を後ろに引かせる。
「まあ、しょうがない。こっちへ来いっ」
「え?ええええええ!」
抗議の声は
「あ?」
「ひぃ!」
2文字半とマーク二つで終了させられ、強引に腕を掴まれ歩かされた。
落ちたミントアイスはただ、溶けてゆくだけだった。
レディアルは魔王さまである。魔族達に信仰された女神が決めた魔王である。
だが、大声で怒鳴ったりマウント取ってくるような輩は苦手だった。だって怖いんだもの。
「こっちだ、モタモタすんな!」
「ひえ」
この男について行きたくないと、レディアルは心の底から思っていたが、なかなかの腕っぷしの強さにあがらいきれなかった。
男が借りたであろう宿の部屋の前まで連れてこられていた。
兄上はカジノの前で待てと言ったのに
そう反論は出来なかった。口を開こうとすると、
「ぁあん?」
怖い。何かあれば腕輪を外して本来の力を見せればいい。ただしこの周りはかなり壊れるだろう。
街を壊したら怒られるだろうな。この高級宿屋とか、アイスクリームワゴンとか。
「ちょっと勇者くぅ~ん?何やってんのぉ?そんな美人の子連れ込んでぇ?」
艶のありすぎる声が後ろからかかる。振り返れば真っ赤な髪の女が、男にしな垂れかかりながら立っていた。
露出の高すぎる服だか、見れば職業は盗賊といったところだろう。男の方はどうみても魔術師です、と言わんばかりの黒いローブ姿だ。
「よぉ、お前ら。全く仲のよろしいことで!」
口の端を上げてニヤリと笑う顔は完全なる悪役フェイス。ブルッと悪寒が走る。
「まあ、私たちは仲良くやっとくから、そっちはそっちで楽しんでよ」
「言われなくても」
バーイと手を振り、廊下を挟み右と左の扉に分かれる。この男はどうやら、次に来た勇者らしい。そして仲間は盗賊と魔術師。3人パーティなんだ、いつ頃登城してくるんだろう。嫌だな、引き返してくれないかな、軽く現実逃避をするレディアルを引きずって部屋に入る。
ガチャリと、後ろ手に鍵がかかる音がやけに大きく聞こえた。
末っ子ゆえか、高すぎる能力値ゆえかで危機感の薄いレディアルでも、この状況はかなりまずいと気がつく。
あれ?よく知らない初対面の男に宿屋に連れ込まれた私?
大★正★解
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