【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?

鏑木 うりこ

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51 秘密にしたい事だってある

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「アリー、おいで」
「は、はい……おに……エ、エヴァン……さま」
「ふふ、無理しなくていいよ、少しづつね」
「はい」

 お、お兄様とデートに来てしまいました!

「頑張って、アリシア様!」
「どうしてあなた達まで……」
「分からないけれど、ミオ嬢に呼ばれてきました!ほら、街は何かと危険がいっぱいでしょう、護衛としてはここが腕の見せ所」
「クレス様は大人しくしていてくださいね」
「?」

 私達の後方からカタリナとミオさんとクレス様がついてくる……。皆、心配性ね。

「小さな頃は人混みに行くと病気を貰ってくるからと禁止されていましたね」
「私は大丈夫だったから、皆に良くお土産を頼まれたなあ、アリー、あの時のクッキーはまだ好きかい?」
「ええ!真ん中に緑の宝石みたいな飴が乗ったクッキーが一番大好きでした。今でも好きですよ」

 きらきらしてきれいで、今でも大好きなお菓子の一つ。

「あの緑がね、私の目の色と一緒だな、ってずっと思ってて。アリーが喜んでいるのをみて凄く嬉しかったんだ」
「え……そ、そうだったんですね」

 そういえばそうかもしれない……なんだか盛大な告白をしたみたいで恥ずかしい。

 そんな風に照れながら私達が街を歩いていた頃、王宮は大変だったらしい。

「フ、フェンルース家が誰一人として参加しないと?! 」
「何度人を送っても追い返されまして……」
「エヴァン・フェンルースはどうした!あやつは養子だから病弱などとは言えぬだろう!?」
「か、家族の容体が気になるのでと断られております……」
「くっ!妖精がおらぬ誕生会では話題にかけるではないか!」

 どうやら毎年誕生会に我がフェンルース家を無理矢理にでも招待するのはそういう魂胆がある、とお父様や周りの人達から教えて貰った。
 やはり何かと目立つ我が家を客寄せに使っているらしく、出席したらしたで断っても絶対に音楽を奏でさせようとして来るのだとか。

「曲はやらないという約束で万全ではない体調で出席するのに、必ず演奏させられる……妖精の光を集まった人達に見せびらかす為にな。そうやって自分の力を誇示する奴なんだよ、あいつは」
「だから、帰って来ると必ず寝込んでしまうのよ……私達が渋々奏でる曲なんて妖精達もつまらないでしょうにね」

 なんてこと!ますます王家と距離を置きたくなった。

「だから、スッキリしたんだよねー」

 お父様が思い切った決断をしてくれて本当に助かったわ!

 そんな我が家のせいで困ったことになったってしーらない、よね?
 しかもどうやらたくさんの貴族達が誕生会を欠席しているらしい。どうもリッツプール大公家のあの夜会に参加した家々らしいわ。
 ブランシェ様のルストバーン家も欠席らしくて、公爵家なのに良いのかしら?と私は少しだけ不安になってしまった。

「王城に行くとせっかくいただいた妖精の加護が薄くなるらしくて……しばらく近寄りたくないですな」

 という噂が流れているらしい。そんな事ないと思うのだけれども、私には証明する術もないし成り行きを見守るしかないわね。
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