22 / 78
22 立ちはだかれない秘密
しおりを挟む
なんだかゴージャスでロイヤルな取り巻き的な存在が出来てしまった私は、そろそろゲームでいう所のイベントを起こさなくてはいけない。
断罪される系の悪役令嬢はざまぁされないように物語を変えてゆくじゃない?でも私はこのゲームのストーリーを楽しみたい……だからゲーム通りにあえて進むの!
ふふ、学園の門の所で聖女ミオに声をかけるのよ!
「あなたが聖女?王太子殿下と仲良くしているそうね?少しは恥を知りなさい」
うん、ばっちり覚えているわ。よーし、学園の門の所で待ち伏せよ!
「お嬢様、早く朝食を食べてしまいませんと遅刻してしまいます」
「え?あ、そうね、頑張るわ!」
寮の朝食は半分以下に減らして貰っているはずなのに、食べても食べても減らないのよ……おかしくないかしら?
「お嬢様、もう出発しませんと間に合いません。間食用にクッキーを持ちました、学園に参りましょう」
「まあ、大変だわ……急ぎましょう!」
「……おかしいわ」
「今日は日差しが強かったので致し方ありませんよ」
カタリナは慰めてくれるけれど、寮から学園までの短い間だったのに、眩暈を起こしてそのまま救護室へ運ばれてしまった……どうしよう、これじゃイベントを起こせないじゃない。
「カタリナ、聖女様はもう教室についたのかしら」
「そうですね、授業も始まっていますし。お付きになられていると思います」
「うう……一体どこでお声をかけたらいいのかしら?」
まさかこんなにアリシアの体力がないなんて。ゲームのアリシアは一体どれだけ頑張って悪役令嬢をやっていたんだろう……凄い根性あるんじゃない!?頑張って起き上がってもまだ眩暈がして、先生に許可をいただけないし、せめてお兄様には内緒にしてもらおうと思ったのに、1時限目が終わると飛んでいらっしゃった……恥ずかしい。
「今日はもう帰った方が良いのではないのかい?アリー」
「いえ、もう少し休めば大丈夫ですわ!」
なんとか3時限目からは出席が出来たけれど……もしかしてゲームのアリシアの成績が悪いのは授業を受けられなかったから?出席日数とかも気をつけないと卒業できないかも……?え、いやよ!最後の卒業イベントに出れなきゃ断罪されないじゃない。ざまぁのない乙女ゲームなんて苺の乗ってないケーキと一緒じゃないっ!
「わ、私……頑張って授業出るわ」
「ご無理はなさいませんよう、まだ生活に慣れていないのですわ」
「そうね……早く学園生活に慣れなくちゃ」
そう意気込んだものの私が聖女ミオの前に立ちはだかれる機会はやって来なかった。
「アリシア様!今、聖女のそばには殿下がいます」
「あ、明日にするわ……」
とか
「聖女様が一人で廊下に!今よっ」
勢いよく立ち上がったもんで立ちくらみが……。
「大丈夫か?!アリシア嬢!頭でも打ったら俺がエヴァンに殺されるっ」
いや、そこは自分の心配をしなくてもよくてよ、クレス様。
「アリシア、今日は薬学科の先生に一緒に会いに行こう」
「あ、あのファルク様……はい……」
ファルク様のお誘いを断ることなんて出来ないわ……こうしているうちに聖女ミオはヴィクター殿下と一緒に去って行く。殿下が名残惜しそうにこっちを見るから、慌てて視線を逸らせた。
あそこまで言ったのに諦めてないのかしら?ちょっと怖いわ。
断罪される系の悪役令嬢はざまぁされないように物語を変えてゆくじゃない?でも私はこのゲームのストーリーを楽しみたい……だからゲーム通りにあえて進むの!
ふふ、学園の門の所で聖女ミオに声をかけるのよ!
「あなたが聖女?王太子殿下と仲良くしているそうね?少しは恥を知りなさい」
うん、ばっちり覚えているわ。よーし、学園の門の所で待ち伏せよ!
「お嬢様、早く朝食を食べてしまいませんと遅刻してしまいます」
「え?あ、そうね、頑張るわ!」
寮の朝食は半分以下に減らして貰っているはずなのに、食べても食べても減らないのよ……おかしくないかしら?
「お嬢様、もう出発しませんと間に合いません。間食用にクッキーを持ちました、学園に参りましょう」
「まあ、大変だわ……急ぎましょう!」
「……おかしいわ」
「今日は日差しが強かったので致し方ありませんよ」
カタリナは慰めてくれるけれど、寮から学園までの短い間だったのに、眩暈を起こしてそのまま救護室へ運ばれてしまった……どうしよう、これじゃイベントを起こせないじゃない。
「カタリナ、聖女様はもう教室についたのかしら」
「そうですね、授業も始まっていますし。お付きになられていると思います」
「うう……一体どこでお声をかけたらいいのかしら?」
まさかこんなにアリシアの体力がないなんて。ゲームのアリシアは一体どれだけ頑張って悪役令嬢をやっていたんだろう……凄い根性あるんじゃない!?頑張って起き上がってもまだ眩暈がして、先生に許可をいただけないし、せめてお兄様には内緒にしてもらおうと思ったのに、1時限目が終わると飛んでいらっしゃった……恥ずかしい。
「今日はもう帰った方が良いのではないのかい?アリー」
「いえ、もう少し休めば大丈夫ですわ!」
なんとか3時限目からは出席が出来たけれど……もしかしてゲームのアリシアの成績が悪いのは授業を受けられなかったから?出席日数とかも気をつけないと卒業できないかも……?え、いやよ!最後の卒業イベントに出れなきゃ断罪されないじゃない。ざまぁのない乙女ゲームなんて苺の乗ってないケーキと一緒じゃないっ!
「わ、私……頑張って授業出るわ」
「ご無理はなさいませんよう、まだ生活に慣れていないのですわ」
「そうね……早く学園生活に慣れなくちゃ」
そう意気込んだものの私が聖女ミオの前に立ちはだかれる機会はやって来なかった。
「アリシア様!今、聖女のそばには殿下がいます」
「あ、明日にするわ……」
とか
「聖女様が一人で廊下に!今よっ」
勢いよく立ち上がったもんで立ちくらみが……。
「大丈夫か?!アリシア嬢!頭でも打ったら俺がエヴァンに殺されるっ」
いや、そこは自分の心配をしなくてもよくてよ、クレス様。
「アリシア、今日は薬学科の先生に一緒に会いに行こう」
「あ、あのファルク様……はい……」
ファルク様のお誘いを断ることなんて出来ないわ……こうしているうちに聖女ミオはヴィクター殿下と一緒に去って行く。殿下が名残惜しそうにこっちを見るから、慌てて視線を逸らせた。
あそこまで言ったのに諦めてないのかしら?ちょっと怖いわ。
68
お気に入りに追加
3,602
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる