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第2章
68.さすが第2形態。ならこっちも第2形態だ!
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しかし50メートルのボスキャラか。遠目に見れば祠の石像のように見えるけど、間近で見ると気持ち悪さが全然違うな。
「どんな攻撃をしてくるんだろう」
「ハエトリグサもウツボカヅラも無いな」
じっくり構えている暇はない。まずは怪しい両手両肩の花を攻撃してみよう。
リアが左手の花にエネルギー・ボルトを飛ばした。命中し、爆発して花びらが飛び散る際に中心部に丸いモノが見えた。あれはコアか?
爆発が収まり煙が消えると、やはり左手にはピンク色に光る玉を持っている。
しかし反撃をしてこないな。なんでだろう、近づいたら攻撃してくるのか?
リアにはそのまま他の花を攻撃してもらい、戦士3人はゆっくりと近づいて行った。
どちらのタイミングが先だったのかは知らない、リアが花を4つ破壊して丸いコアをむき出しにした時か、俺達の剣が届く間合いに入ったからか、コアからレーザーが飛んできた。
いや、光っていたからレーザーに見えたが、光る液体だ。
ギリギリかわして地面に液体が当たった。
ウツボカヅラに入っていた劇薬かと思ったが、地面に当たっても煙が出ない。
ただの水、のハズがないな。これはどんな液体なんだろう。
剣を構えると4つのコアから4人目がけて連続して液体が飛び出して来る。
液体だから速度も速くなく、冷静になれば避けるのは簡単だった。
そう、倒れている冒険者や騎士には当たるのだ。
俺達の顔に緊張が走る。
光る液体に目を奪われて、光っていない液体に気が付かなかったのだ。
倒れている冒険者と騎士団に液体が当たると、意識を取り戻したのか立ち上がる。
しかし様子がおかしい。支離滅裂な言葉を発し、叫びながら俺達に襲い掛かって来るではないか!
意識を取り戻したと勘違いして近づいたアズベルはフレディに殴られて空を舞った。
なんだ!? フレディにこんな力は無いはずだぞ!?
まさか、これは怪力や凶暴になる症状じゃないか! この液体が原因だったのか!
これはアズベルやリアでは相性が悪い。俺とブラスティーで再度意識を奪い眠ってもらうことにしよう。
凶暴になったメンバーを順番に意識を奪って寝かせていく。その間も液体が飛んでくるので避けながら、液体が当たらない場所に皆を避難させた。
リアはずっとコアを攻撃しているが、コアも再生する。いや再生とは違うか、他のコアからコピーが作られて移動するのだ。
つまりコアを同時に破壊しないといけないのだろう。ゲームやアニメでよくあるパターンかな。幸い4人居るから何とかなるだろう。
「ブラスティーは遠距離攻撃ができたよな?」
「鳳龍烈波斬だな」
「肩のコアに届くか?」
「問題ない距離だ」
「よし、ブラスティーは左肩を、リアは右肩を、アズベルは左手、俺は右手をやる」
肩の位置は高いが、手は低い位置にあるからアズベルでも届く。
液体をかわしながら接近し、ジャンプして攻撃する位置に着いた。
「よし今だ!」
「エネルギー・ボルト!」
「鳳龍烈波斬!」
「うおーーー!」
全員が一斉に攻撃をしてコアに命中した。
よし!これで液体攻撃はもう来ないだろう。
着地してコアのあった手を見る。
「なに!? まだあったのか!」
背中から4つのコアが移動してきて両手両肩に新しいコアが収まった。
慌ててビジランティの背後に回ると肩や手よりも大きい花が咲いていた。
「エネルギー・ボルト!」
リアが花を攻撃した。ああ、やっぱりコアがあった。念のために1周してみたが他には花は無かった。全部でコアは5つあるのか。
「ええい小賢しい」
「1人足りなくなっちゃった」
「前にユグドラが出した悪魔を使えないのか?」
「アレは大きいうえに動きが単調なんだ。正面からぶつかるしかできないから、あっという間に液体を食らって暴れ出してしまうな」
「意外と欠点もあるんだな」
しかしもう1人必要になってしまったな。アテはあるが、アズベルがいるのに使うのか?
ええい、番長を師匠として紹介するんだ、その内言わないといけない事さ!
「アズベル、今から起こる事は気にするな」
「あん? 何が起こるんだ?」
「ルリ子にキャラクターチェンジ!」
ー ー ー
そうだねぇ、あのコアならナイトメアで十分だろう。小さくて俊敏だから丁度いいねぇ。
メアから降りて指示をする。
「メア、合図をしたらアレの右手にある玉を破壊するんだ。危ない液体が飛んでくるから注意するんだよ」
いなないて返事をする。ウチの子達はみんな賢くて助かるねぇ。
「おおお、おおお? おおおお前、なんだ? どうなってるんだ?」
アズベルが驚いてる。初めてだから驚くだろうねぇ、メアが人の言葉を理解するなんて。
「アズベルさん、後で説明しますから今は戦いに集中してください」
「おおおお、おおおおおうさ」
「なんだいアズベル、冒険者の癖に注意散漫だねぇ。戦いに集中出来る魔法をかけてやるよ」
第9グループの魔法をを実験してみよう。
「ドレッドフル・ビースト!」
「え?何だこれ!?う、うわぁ!」
アズベルの体が倍近く大きくなり人型の野獣の姿になった。武器も鎧も無いね。どうやら喋れないようでうなり声をあげている。野獣というか熊かゴリラみたいに毛むくじゃらだ。
「どうだい、随分と逞しくなったじゃないか」
アタシの言葉は理解しているようだが、必死に何かを伝えようとしている。
「何を言っているのか分からないねぇ。後で戻してやるから今は戦いな」
お? 大人しく言う事おきいた。元に戻せるのかどうかを聞いてたのかもしれないねぇ。
「よし、アタシが背中のコアを攻撃する。他はさっきと同じでいくよ、位置につきな!」
「はい!」
「おう」
うなり声といななきが聞こえる。アズベルとメアだ。
しかしさっきから液体の飛んでくる回数が減っているように感じるねぇ。流石にガス欠が近いのか?まあ残っていても最終的には消し炭にしてやるがね。
全員が配置についた。
「今だ!やりな!」
「エネルギー・ボルト!」
アタシとリアが同じ魔法を使う。
「鳳龍烈波斬!」
ブラスティーが衝撃波を放つ。
「ゴアアアアァ!」
アズベルがコアをひたすら殴る。
ナイトメアが炎のブレスを吹き出してコアを焼く。
「これで終わりな!フレイム・ストライク!」
エネルギー・ボルトをコアに使った後でフレイム・ストライクを巨大な体に放った。
魔法スキルが上がったからか炎の柱も巨大なものになっている。アタシもビックリだよ。
5つのコアは破壊され、体は炎に包まれている。これでどうだろうねぇ、流石に終わって欲しいんだけどねぇ。
背中と両手両肩を注意深く見ているが、コアが現れる様子は無い。
パチパチと木が燃える音が聞こえる。どうやら、終わったようだね。
炎が段々と小さくなってきた。元々は木でもなく、水分が無くなったらあっという間に燃えて灰になる花だからねぇ、焚き火にもならなかったね。
50メートルはあったビジランティの花が今ではアタシよりも小さくなった。
地面がへこんでいる。ビジランティの根も燃えてしまったのだろう。
「今回の仕事はこれで終わりだね。さっさと地上に上がるとしようか」
「ルリ子さん、アズベルさんは……?」
アズベル? アズベルがどうかし……ああ、ビーストになったままだったねぇ。
「お前はそのままの方が強いから戻さなくてもいいだろう?」
首を左右に大きく振っている。チッ戻りたいのか。
「ドレッドフル・ビースト」
もう一度魔法をかける。するとガラスが割れるように野獣の姿が砕け散り、中からアズベルが現れた。鎧も剣も、魔法を使う前の姿だ。
どうやら体が大きくなるわけではなく、野獣の姿を纏っているようだ。
「はっ! 戻ってる! 俺の体だ! 戻ったぞー!」
五月蠅いねえ、なに当たり前のことをいってんだい。
ふと倒れている連中が目に入る。
「あ~、あの小さい穴をくぐって全員運ばないといけないのか。面倒だな、ゲート」
ゲートを使ってドラゴンを呼び出した。
「天井に穴を開けておくれ」
ドラゴンは口を大きく開け、細い光の線を発した。レーザーか?
レーザーでドラゴンが通れる大きさに丸くくり抜く。レーザーが止まると同時に天井が落ちてきた。ああ、空はいい天気じゃないか。
「地上に上がるとしようか」
ドラゴンの背中に全員を乗せて地上に飛びあがった。
まだ誰も意識は回復していない。そんなに強く殴ったかねぇ。それとも凶暴になる液体の影響なのかもしれないねぇ。
面倒だが怪我をしない様に丁寧にドラゴンの背から降ろして地面に並べていく。
このまま顔に布をかぶせて帰ってしまいたい。
「ルリ子さんルリ子さん、ほらほらコレ見てください」
両手を広げて服を見せてきた。ほほぅ可愛いじゃないか。
「なんだい? まるでアタシの弟子みたいじゃないか」
「みたい、じゃなくって弟子なんです」
「ああそうか。なら弟子らしい良い服だね」
「はい! ありがとうございます」
さて、弱虫共が目を覚ます前にユグドラに戻っておかないとねぇ。
「キャラクターチェンジ」
― ― ―
地面に座って一息ついた。
「ふぅ良かった、何とかなって」
「凄い強かったね! でもやっぱりルリ子さん強いな~」
「な、なぁユグドラ、何があったんだ? アレは一体何なんだ?」
「ルリ子だよ、知らなかったっけ?」
「いや知ってるけど! そうじゃなくてだな!」
「今回の任務はこれで終了とみていいだろう。こいつらの意識が回復するのを待ってエル・ド・ランへ戻るぞ」
「あれ!? おかしいと思っているのは俺だけか!?」
「気にするなって言ったろ? 無事終わったんだから良いじゃないか」
アズベルには折を見て説明するつもりだ。信頼できる人には知っていて欲しい。
どれだけの人に説明するか分からないけど、出来るだけ沢山の人に知ってもらえたらいいと思っている。
「あ~、風呂に入りたい」
「あ、私も入りたい」
「じゃあ一緒に入ろう」
「うん!」
「お前らうるせぇよ」
「どんな攻撃をしてくるんだろう」
「ハエトリグサもウツボカヅラも無いな」
じっくり構えている暇はない。まずは怪しい両手両肩の花を攻撃してみよう。
リアが左手の花にエネルギー・ボルトを飛ばした。命中し、爆発して花びらが飛び散る際に中心部に丸いモノが見えた。あれはコアか?
爆発が収まり煙が消えると、やはり左手にはピンク色に光る玉を持っている。
しかし反撃をしてこないな。なんでだろう、近づいたら攻撃してくるのか?
リアにはそのまま他の花を攻撃してもらい、戦士3人はゆっくりと近づいて行った。
どちらのタイミングが先だったのかは知らない、リアが花を4つ破壊して丸いコアをむき出しにした時か、俺達の剣が届く間合いに入ったからか、コアからレーザーが飛んできた。
いや、光っていたからレーザーに見えたが、光る液体だ。
ギリギリかわして地面に液体が当たった。
ウツボカヅラに入っていた劇薬かと思ったが、地面に当たっても煙が出ない。
ただの水、のハズがないな。これはどんな液体なんだろう。
剣を構えると4つのコアから4人目がけて連続して液体が飛び出して来る。
液体だから速度も速くなく、冷静になれば避けるのは簡単だった。
そう、倒れている冒険者や騎士には当たるのだ。
俺達の顔に緊張が走る。
光る液体に目を奪われて、光っていない液体に気が付かなかったのだ。
倒れている冒険者と騎士団に液体が当たると、意識を取り戻したのか立ち上がる。
しかし様子がおかしい。支離滅裂な言葉を発し、叫びながら俺達に襲い掛かって来るではないか!
意識を取り戻したと勘違いして近づいたアズベルはフレディに殴られて空を舞った。
なんだ!? フレディにこんな力は無いはずだぞ!?
まさか、これは怪力や凶暴になる症状じゃないか! この液体が原因だったのか!
これはアズベルやリアでは相性が悪い。俺とブラスティーで再度意識を奪い眠ってもらうことにしよう。
凶暴になったメンバーを順番に意識を奪って寝かせていく。その間も液体が飛んでくるので避けながら、液体が当たらない場所に皆を避難させた。
リアはずっとコアを攻撃しているが、コアも再生する。いや再生とは違うか、他のコアからコピーが作られて移動するのだ。
つまりコアを同時に破壊しないといけないのだろう。ゲームやアニメでよくあるパターンかな。幸い4人居るから何とかなるだろう。
「ブラスティーは遠距離攻撃ができたよな?」
「鳳龍烈波斬だな」
「肩のコアに届くか?」
「問題ない距離だ」
「よし、ブラスティーは左肩を、リアは右肩を、アズベルは左手、俺は右手をやる」
肩の位置は高いが、手は低い位置にあるからアズベルでも届く。
液体をかわしながら接近し、ジャンプして攻撃する位置に着いた。
「よし今だ!」
「エネルギー・ボルト!」
「鳳龍烈波斬!」
「うおーーー!」
全員が一斉に攻撃をしてコアに命中した。
よし!これで液体攻撃はもう来ないだろう。
着地してコアのあった手を見る。
「なに!? まだあったのか!」
背中から4つのコアが移動してきて両手両肩に新しいコアが収まった。
慌ててビジランティの背後に回ると肩や手よりも大きい花が咲いていた。
「エネルギー・ボルト!」
リアが花を攻撃した。ああ、やっぱりコアがあった。念のために1周してみたが他には花は無かった。全部でコアは5つあるのか。
「ええい小賢しい」
「1人足りなくなっちゃった」
「前にユグドラが出した悪魔を使えないのか?」
「アレは大きいうえに動きが単調なんだ。正面からぶつかるしかできないから、あっという間に液体を食らって暴れ出してしまうな」
「意外と欠点もあるんだな」
しかしもう1人必要になってしまったな。アテはあるが、アズベルがいるのに使うのか?
ええい、番長を師匠として紹介するんだ、その内言わないといけない事さ!
「アズベル、今から起こる事は気にするな」
「あん? 何が起こるんだ?」
「ルリ子にキャラクターチェンジ!」
ー ー ー
そうだねぇ、あのコアならナイトメアで十分だろう。小さくて俊敏だから丁度いいねぇ。
メアから降りて指示をする。
「メア、合図をしたらアレの右手にある玉を破壊するんだ。危ない液体が飛んでくるから注意するんだよ」
いなないて返事をする。ウチの子達はみんな賢くて助かるねぇ。
「おおお、おおお? おおおお前、なんだ? どうなってるんだ?」
アズベルが驚いてる。初めてだから驚くだろうねぇ、メアが人の言葉を理解するなんて。
「アズベルさん、後で説明しますから今は戦いに集中してください」
「おおおお、おおおおおうさ」
「なんだいアズベル、冒険者の癖に注意散漫だねぇ。戦いに集中出来る魔法をかけてやるよ」
第9グループの魔法をを実験してみよう。
「ドレッドフル・ビースト!」
「え?何だこれ!?う、うわぁ!」
アズベルの体が倍近く大きくなり人型の野獣の姿になった。武器も鎧も無いね。どうやら喋れないようでうなり声をあげている。野獣というか熊かゴリラみたいに毛むくじゃらだ。
「どうだい、随分と逞しくなったじゃないか」
アタシの言葉は理解しているようだが、必死に何かを伝えようとしている。
「何を言っているのか分からないねぇ。後で戻してやるから今は戦いな」
お? 大人しく言う事おきいた。元に戻せるのかどうかを聞いてたのかもしれないねぇ。
「よし、アタシが背中のコアを攻撃する。他はさっきと同じでいくよ、位置につきな!」
「はい!」
「おう」
うなり声といななきが聞こえる。アズベルとメアだ。
しかしさっきから液体の飛んでくる回数が減っているように感じるねぇ。流石にガス欠が近いのか?まあ残っていても最終的には消し炭にしてやるがね。
全員が配置についた。
「今だ!やりな!」
「エネルギー・ボルト!」
アタシとリアが同じ魔法を使う。
「鳳龍烈波斬!」
ブラスティーが衝撃波を放つ。
「ゴアアアアァ!」
アズベルがコアをひたすら殴る。
ナイトメアが炎のブレスを吹き出してコアを焼く。
「これで終わりな!フレイム・ストライク!」
エネルギー・ボルトをコアに使った後でフレイム・ストライクを巨大な体に放った。
魔法スキルが上がったからか炎の柱も巨大なものになっている。アタシもビックリだよ。
5つのコアは破壊され、体は炎に包まれている。これでどうだろうねぇ、流石に終わって欲しいんだけどねぇ。
背中と両手両肩を注意深く見ているが、コアが現れる様子は無い。
パチパチと木が燃える音が聞こえる。どうやら、終わったようだね。
炎が段々と小さくなってきた。元々は木でもなく、水分が無くなったらあっという間に燃えて灰になる花だからねぇ、焚き火にもならなかったね。
50メートルはあったビジランティの花が今ではアタシよりも小さくなった。
地面がへこんでいる。ビジランティの根も燃えてしまったのだろう。
「今回の仕事はこれで終わりだね。さっさと地上に上がるとしようか」
「ルリ子さん、アズベルさんは……?」
アズベル? アズベルがどうかし……ああ、ビーストになったままだったねぇ。
「お前はそのままの方が強いから戻さなくてもいいだろう?」
首を左右に大きく振っている。チッ戻りたいのか。
「ドレッドフル・ビースト」
もう一度魔法をかける。するとガラスが割れるように野獣の姿が砕け散り、中からアズベルが現れた。鎧も剣も、魔法を使う前の姿だ。
どうやら体が大きくなるわけではなく、野獣の姿を纏っているようだ。
「はっ! 戻ってる! 俺の体だ! 戻ったぞー!」
五月蠅いねえ、なに当たり前のことをいってんだい。
ふと倒れている連中が目に入る。
「あ~、あの小さい穴をくぐって全員運ばないといけないのか。面倒だな、ゲート」
ゲートを使ってドラゴンを呼び出した。
「天井に穴を開けておくれ」
ドラゴンは口を大きく開け、細い光の線を発した。レーザーか?
レーザーでドラゴンが通れる大きさに丸くくり抜く。レーザーが止まると同時に天井が落ちてきた。ああ、空はいい天気じゃないか。
「地上に上がるとしようか」
ドラゴンの背中に全員を乗せて地上に飛びあがった。
まだ誰も意識は回復していない。そんなに強く殴ったかねぇ。それとも凶暴になる液体の影響なのかもしれないねぇ。
面倒だが怪我をしない様に丁寧にドラゴンの背から降ろして地面に並べていく。
このまま顔に布をかぶせて帰ってしまいたい。
「ルリ子さんルリ子さん、ほらほらコレ見てください」
両手を広げて服を見せてきた。ほほぅ可愛いじゃないか。
「なんだい? まるでアタシの弟子みたいじゃないか」
「みたい、じゃなくって弟子なんです」
「ああそうか。なら弟子らしい良い服だね」
「はい! ありがとうございます」
さて、弱虫共が目を覚ます前にユグドラに戻っておかないとねぇ。
「キャラクターチェンジ」
― ― ―
地面に座って一息ついた。
「ふぅ良かった、何とかなって」
「凄い強かったね! でもやっぱりルリ子さん強いな~」
「な、なぁユグドラ、何があったんだ? アレは一体何なんだ?」
「ルリ子だよ、知らなかったっけ?」
「いや知ってるけど! そうじゃなくてだな!」
「今回の任務はこれで終了とみていいだろう。こいつらの意識が回復するのを待ってエル・ド・ランへ戻るぞ」
「あれ!? おかしいと思っているのは俺だけか!?」
「気にするなって言ったろ? 無事終わったんだから良いじゃないか」
アズベルには折を見て説明するつもりだ。信頼できる人には知っていて欲しい。
どれだけの人に説明するか分からないけど、出来るだけ沢山の人に知ってもらえたらいいと思っている。
「あ~、風呂に入りたい」
「あ、私も入りたい」
「じゃあ一緒に入ろう」
「うん!」
「お前らうるせぇよ」
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