ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第7章 改変された世界

第367話 実は修斗、凄いんです

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 神界天技しんかいてんぎが第4位階いかいに上がり、男神おがみエクサの上をいった修斗。
 エクサの攻撃は全て見えない何かに防がれて、修斗には届かなくなってしまった。

「ああ……いいな、これ。相手は全力を出しているのに、俺には全く通用しない感じ。しかも最初は優位に立っていたのに、気が付けば逆転しているって、最高じゃないか」

 爽やかな笑顔でエクサの攻撃を無効化している修斗。
 拳、蹴り、神界天技しんかいてんぎを使った攻撃、その全ては修斗に当たる直前で見えない何かに防がれてしまう。
 しかも相手は焦りまくり、怒りに任せて暴れている。

 その表情を見て、ようやく修斗は少し気が晴れたようだ。

「おい下っ端。お前の顔を見ていられるのもあと少しだと思うと、思わず同情したくなってくるな」

「な、何が下っ端か! 人間の分際で神にこんな事をして、許されると思っているのか!!」

「神? 人間よりも弱い神なんて必要か? いやいや、強い弱いはどうでもいい、俺にあだを成し、楽しみを奪うような神など、世界を管理する能力が欠如けつじょしていると言わざるをえないな」

 攻撃が通用せず、下等生物だと思っていた人間にここまで言われ、エクサは遂に攻撃の手が止める。
 エクサも神なので、体へのダメージは全くない。
 全く無いのだが、精神には随分と大きな傷を負ったようだ。

「なぜだ……なぜ人の身でこんな事が出来るんだ……こんな、こんな事があっていいはずがない……」

 ぶつぶつとつぶやく様に、消えるような声で何かを言っているが、その声は修斗には届いていない。
 しかし女神ルデリットには聞こえていたようだ。

「あのね男神エクサ、修斗はさ、本当はこの世界に転生して直ぐに死ぬ予定だったんだよ~。でも私のミスで他の世界に転生させちゃったから、この世界に呼ぶときに力を授けて、この世界で生き残れるようにしたんだ~。これで意味、わかるっしょ??」

 女神ルデリットが事の経緯を説明したが、逆に意味がわからない。
 しかし男神エクサは理解したようだ。

「英雄……転生……」

「そっ。前のせいで世界を救う活躍をした人物を平和な世界に転生させ、無垢な魂のまま死なせることで、次の生でも英雄として活躍してもらう。本当は今の世界で死んで別の救って欲しい世界に転生してもらう予定たったんだ~。まぁ私が最初に失敗したのがいけないんだけどね? そして無垢な魂のまま死んだ人には、何らかの能力が与えられるの。英雄の時の能力に追加して力が与えられるって言う、修斗の世界ではチート? が追加されるんだけど、それを今の修斗に追加しただけなんだよ~」

「ま、まて女神ルデリット。それは世界を救う前提の話だ、世界を救わない人間に能力を与えるのは条件が合っていない」

「え? 世界を救う前提だし、事実世界を救ってるよ?」

「どこがだ! この男は世界を混乱させただけではないか!」

「えっとね、一度別の世界に召喚された時にそっちの世界を救ったし、今いる世界では世界大戦を起こしたけど、のちに起こる大戦に比べたら犠牲者は少ないし、バラバラで損得だけの関係だった国々をまとめたんだよ?」

「ふ、2つの世界を救ったと?」

 コクコクと首を縦に振る女神ルデリット。
 男神エクサは体を震わせているが、震える体のまま顔を修斗に向ける。
 その顔は驚きというよりも、恐れているようにも見える。

「2つの世界を救い、更に前のせいでも英雄として世界を救ったとなると……まさか次の転生は……!!」

「チッチッチ、その前にも3回救ってるんだよね、修斗ってば」

「バッ! バカな!! まさか転生に失敗し、別の世界に行ってしまったというのは!」

「そそそ、修斗の魂が強すぎて、私じゃ制御が難しかったんだ~テヘッ」

 神達で勝手に話が進んでいくが、置いてけぼりにされている修斗はウンウンとうなずいているが理解できていない。
 ただ自分はやはり偉かったんだなと、それだけは理解していた。

 だがそのまま勝手に話を進められても面白くないので、話を中断させた。

「お前らで勝手に盛り上がるのは良いが、俺を放置するんじゃない」

 女神ルデリットの隣に立ち、呆然としている男神エクサを見下ろす。
 エクサの表情は……完全に怯えていた。

「ねぇねぇ修斗、エクサをどうするの~? もう終わり? 続ける?」

「こいつが俺を見て怯えているのはわかるが、その理由がわからん。その説明次第だな」

「簡単に言うと、エクサが思ってる以上に修斗が凄かったから、かな~?」

「ほぅ、俺に手を出した事を後悔していると?」

「してるんじゃない? ねぇ?」

 いきなり話を振られ、ビクリと体を震わせる男神エクサ。
 女神ルデリットに向けて首を縦に振るが、修斗の方を見ようとはしない。
 それにムカついたのか、修斗はエクサの足を蹴り地面にひざまずかせる。

「おい、本人の顔を見ないた~どういう了見りょうけんだ」

 だがエクサは怯えており、頑なに修斗の顔を見ようとしない。
 それが更に怒りの種となり、拳を振り上げるのだがルデリットがそれを止めた。

「あ、修斗待って。それ以上やるとこの子死んじゃうから~」

「死ぬのか? 神が?」

「そうだよ~。神は自らの存在意義や必要性に疑問を持った時、自滅しちゃうんだよね~。人間に手も足も出ず、自分の行為に疑問を持っちゃったら、多分無理かな~」

「神殺しの称号も良いかもしれないな」

「神殺しの称号ってさ~、言ってしまえば悪魔になる、ってことだよ~?」

「悪魔か。俺に相応しい存在だと思わないか?」

「それだと、もう私には会えないよ?」

 ふとルデリットの方を見る。
 女神ルデリットには色々と世話になっているし、そもそも見た目も好みのため会えなくなるのは嫌なようだ。
 だが抱きたいと思っても神だから抱けない、そう考えるとどうでもいいようにも感じている。

「悪魔になったら修斗を滅ぼさなきゃだけど……私嫌だよ~?」

「……お前と敵対する気はない。お前はいい女だし、手を出せなくても目の保養になる。出来れば抱いて俺の女にしたいくらいだ」

「ゴメン、それはムリ~」

「だろうな」
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