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第7章 改変された世界

第347話 ロリ巨乳が好きな貴族様

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 次の世界に行くべく、人技夢想じんぎむそうを使うために女達には生活魔法を複数起動させる。
 だが予想通り異世界転移に必要な力が集まらない。

「今でやっと半分ほどか。なら2つもあればいけるか?」

 小さなバッグから取り出したのはピンポン玉サイズの2つの青い玉。
 それを手に持ちもう一度人技夢想じんぎむそうを使うと、必要な天技力てんぎりょくが揃った様で魔法陣が頭上と足元に現れる。

「よし、お前達も魔法陣の内部に入れ。行くぞ!」

 魔法陣が上と下から挟むようにすれ違うと、そこには修斗達の姿は無かった。
 転移先で魔法陣が現れた場所は、まるで地下牢のような薄暗い場所だった。
 随分と変わった場所に出たなと周囲を見回すと、石でできた通路の両脇に木の扉が並んでいる。

 耳を澄ますと嬌声が聞えて来る。
 娼館……にしては殺風景すぎるが……?
 扉の小窓から中を見ると、そこでは複数の男たちが1人の少女をなぶって遊んでいた。
 
「ん? おいそこのお前、そんなに沢山女を連れて行くつもりか? 1人1匹までだと決められているぞ」

 後ろから声をかけられて振り向くと、ビール腹にも程がある程にポッコリと腹が出っ張った男が居た。
 そして片手には酒が入った皮袋が握られている。
 だがいきなり皮袋が落ちた……と同時にその男の首も落ちていた。

「俺の女は家畜じゃない。殺すぞ?」

「もう殺しておるぞ? お前様」

「ハニーったら、私の為に怒ってくれたの!」

「お兄さん、そういう事は殺す前に言わないとだめっスよ」

「シュウト様は相変わらずで安心しました」

 順番に4人の頭を撫でて、さっきまで見ていた部屋の扉を開けて中に入る。
 あまり細かい場所はわからないようなので、全部の部屋を見て回るつもりのようだ。

「うお!? な、なんだお前は!」

「……違うか、この女じゃない。次だ」

 次々と部屋の中に入り確認するが、中々頭痛が起きない。
 途中で気に入った女を3人ほど助け、遂に一番奥の部屋までやってきた。

「ここで最後だが、ん~……間違いなくこの周辺に居るはずだから、こいつのはずだが」

 こめかみに指を当てて何かを確認し、最後の扉を開ける。
 そこには貴族風の衣装を着た男が、まだ幼い少女の大きな胸に顔をうずめていた。
 少女は腰まである真っ直ぐな薄い金髪、身長は低く140センチほど、身長とは不釣り合いなほど大きな胸、幼い顔立ちに見えるが無表情の為、大人にも見える。

 貴族風の男を蹴飛ばしてどかし、液体にまみれた一糸まとわぬ少女を起こして顔を見る。
 しかし少女の目の焦点が合っておらず、目線を会わせることができない。

「回復魔法を使ってみるか。よし、これでどうだ?」

「ん……だれ? 次の人……? へぇ、まともそうな人……んん!! い、痛い……なに、これ」

 修斗も頭痛が起きたようで、間違いなくこの少女で間違いないようだ。
 一安心していると、さっき蹴飛ばした貴族風の男が大声を上げる。

「ききき、きしゃまぁ! オレ様のヴァージニアに何をしちぇいるんだー!」

 さっきまでは緩み切った顔で勃起していたのに、鼻血を垂らし、誰の液体かもわからない液体でベトベトになっていた。
 うん、汚い。

「こいつは俺の女だ。お前のヴァージニアじゃない」

「うるさぁギャフン!!」

「ハニーの邪魔をするななの!」

 ラライラサキュバスの鞭で鼻を折られ、さらなる鼻血を垂れ流しだした。
 だが鼻血が止まったかと思うと、今度は口から血を吐いた。

「我があるじの邪魔をするでないわ。不届き者が」

 エルノヴァ大魔王が貴族の腹に大きな穴をあけたようだ。
 ぐるんと白目をむいて絶命した。

「あ……ご主人様だ……ご主人様……あいた……会いたかった……です。グスン」

「泣くなヴァージニアロリ巨乳ノーム。さあ帰るぞ」

「はい……」

 全員でヴァージニアの体を綺麗に拭き、修斗の上着を着せた。
 背が低い為、従者服がワンピースのように見える。
 まだ体力が完全ではないため、修斗がヴァージニアを抱きかかえて人技夢想じんぎむそうを使用した。

「戻ったぞ」

「お帰りなさい! シュウトさん!」

「お帰りなさいませシュウト様!」

 修斗の部屋に転移したのだが、何故か沢山の女達がたむろしていた。

「おお、久しいのぅお前達」

「わー、久しぶりに帰ってきたの!」

「ふ~、やっぱりこっちの世界は落ち着くっスね~」

「お、おお、ここがシュウト様の世界ですか」

 互いの再開を喜んでいるが、カイリ異世界の王女は初めてのため自己紹介をしている。
 新しく連れて来た3人の女はそのまま風呂に直行した。

「じゃあ俺はもう1度行ってくる」

「え? 少しくらいゆっくりしては……行ってしまったわ」

 手を伸ばし掛けたキャロラインロールドルフ王女だが、肩を落として手を引っ込めた。
 修斗が転移した先、そこは……

「おお、見覚えがある街並みだ。まぁ俺の元々の出身世界だからな」

 修斗が日本で死んでから数年が過ぎた日本だった。

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