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第7章 改変された世界
第317話 衛兵と奴隷商人
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高級宿を出た3人は、早速手分けして街中へと散って行く。
その頃、アクセサリーショップにいたラグナ、ティナ、バーバラ、ナターシャの4人は、ティナを着飾って楽しんでいた。
「おお! ティナはかわいらしいので、こういうキラキラした物が似合いますね!」
「本当ですね。あ、こっちの髪留めもどうですか?」
バーバラとナターシャに色々と着けられて、鏡を見ながら笑顔が止まらないティナ。
それをラグナはいたたまれない様子で見守っている。
やはり女性向けショップに入るのは、少々抵抗があるようだ。
特に宝石や貴金属で作られた下着のようなアクセサリーが飾ってあり、チラチラと目に入っては照れている。
そしてそれを見逃す3人ではなかった。
なにやらゴニョゴニョと顔を寄せて話ているのだが、その目線の先にある物を見てキラリと目を光らせる。
「いろいろ買ったけど、この大きな箱は何だ?」
「ん? それはナイショ」
「ナイショって、ティナのアクセサリーは俺も知っておかないと管理が……」
「ラグナ、女性の秘密を気にしてはいけませんよ!」
「そうですよ。女には秘密があるから魅力があるんです」
「そ、そういうものですか?」
バーバラとナターシャに言われては納得するしかないラグナ。
そして沢山の手荷物は全てラグナが持つつもりでいたが、バーバラ、ナターシャが勝手に荷物を持ってしまった。
2人が持つものだから、仕方なくティナも軽い荷物を手にする。
あちこちの店を覗き見しながら街を歩いていると、少し開けた噴水のある場所に人だかりが出来ていた。
何かあったのかと見てみると、若い美しい女性が衛兵に捕らえられており、それを恋人だろうか、若い男性が必死に引き留めようとしている。
「何かあったのでしょうか」
「衛兵が女性を捕らえているという事は、女性が何かしたのでしょう!」
「痴話喧嘩でない事は間違いありませんね」
「ねぇラグナ、止められないの?」
「俺はティナの、貴族の従者だし、バーバラ様とナターシャ様に至っては――」
「バーバラ!」
「ナターシャ」
「……バーバラとナターシャに至っては聖女と王太子妃だ。他国に口出しをしたら国際問題になりかねないんだ」
それは理解しているが、それでも何とかしたいと思うティナは、衛兵に近づいて聞き耳を立てる。
「いい加減にしろ! 俺達に手を上げておいて何も無いでは済まされんぞ!」
「痛い! 離してください!」
「やめてくれ! 悪かった、謝るから!」
ここだけで判断するならば、女性が衛兵に手を上げたため、女性を捕らえたのだろう。
男性はそれを必死に謝っている……だろうか。
すべての会話は聞き取れなかったが、衛兵に手を上げた事は間違いない様で、流石にティナは何もできずに戻ってきた。
「なんか、女性にも問題があったみたい」
「あまり気にしないで。ほら戻ろう?」
ラグナに頭を撫でられて、小さく頷いて歩き出す。
戻る途中では奴隷商人が牢屋のような馬車に奴隷をたくさん乗せ、オークション会場へと向かうのを見た。
ティナ達の出身国、ロールドルフでも奴隷はいたが、あまり表には出てこない。
しかしこの国では奴隷が公然と売買されている。
その事に思うところが無いわけではないが、口出しをするわけにはいかない。
少し気落ちして歩いていると、向かいからキャロラインが走ってきた。
「あら? お買い物は終わったの?」
「ええ! 中々いいものが買えましたよ!」
バーバラは平然と答えているが、ティナは少し顔を赤く染める。
変わった反応だなと思いはするが、どうやら急いでいるようだ。
「ここらで奴隷商人を見なかったかしら?」
「奴隷商人でしたらほら、あそこにいますよ」
ナターシャが指さすと、牢屋のような馬車が角を曲がっていくところだった。
「ちょっと追いかけるわね。それじゃ」
キャロラインは馬車を追いかけて角を曲がる。
何やら急いでいるようだが、何かを察したのか、ナターシャはキャロラインを追いかけて行った。
「私達は宿に荷物を置きに行きましょう!」
奴隷馬車を追いかけたキャロラインは、何とか見逃すことなく馬車の後をつけていた。
馬車は速くないため苦労はないようだ。
そしてナターシャが合流する。
「何があったんですか?」
「キャロルが奴隷になっていたの。だから奴隷商人にどうして奴隷落ちしたのか聞こうと思って」
「キャロルが? 考えにくいですね」
「ええ、きっと何か事情があると思うけど、身請けは出来なさそうだったから、何とか別の方法で解放しないといけないわね」
馬車が停まると、古ぼけた建物の中から背の大きな屈強な男が現れる。
そして倉庫のような隣の建物に案内すると、馬車は中に入り大きな扉が閉まる。
それを確認して、2人は自分に隠ぺい魔法をかけて侵入するのだった。
その頃、アクセサリーショップにいたラグナ、ティナ、バーバラ、ナターシャの4人は、ティナを着飾って楽しんでいた。
「おお! ティナはかわいらしいので、こういうキラキラした物が似合いますね!」
「本当ですね。あ、こっちの髪留めもどうですか?」
バーバラとナターシャに色々と着けられて、鏡を見ながら笑顔が止まらないティナ。
それをラグナはいたたまれない様子で見守っている。
やはり女性向けショップに入るのは、少々抵抗があるようだ。
特に宝石や貴金属で作られた下着のようなアクセサリーが飾ってあり、チラチラと目に入っては照れている。
そしてそれを見逃す3人ではなかった。
なにやらゴニョゴニョと顔を寄せて話ているのだが、その目線の先にある物を見てキラリと目を光らせる。
「いろいろ買ったけど、この大きな箱は何だ?」
「ん? それはナイショ」
「ナイショって、ティナのアクセサリーは俺も知っておかないと管理が……」
「ラグナ、女性の秘密を気にしてはいけませんよ!」
「そうですよ。女には秘密があるから魅力があるんです」
「そ、そういうものですか?」
バーバラとナターシャに言われては納得するしかないラグナ。
そして沢山の手荷物は全てラグナが持つつもりでいたが、バーバラ、ナターシャが勝手に荷物を持ってしまった。
2人が持つものだから、仕方なくティナも軽い荷物を手にする。
あちこちの店を覗き見しながら街を歩いていると、少し開けた噴水のある場所に人だかりが出来ていた。
何かあったのかと見てみると、若い美しい女性が衛兵に捕らえられており、それを恋人だろうか、若い男性が必死に引き留めようとしている。
「何かあったのでしょうか」
「衛兵が女性を捕らえているという事は、女性が何かしたのでしょう!」
「痴話喧嘩でない事は間違いありませんね」
「ねぇラグナ、止められないの?」
「俺はティナの、貴族の従者だし、バーバラ様とナターシャ様に至っては――」
「バーバラ!」
「ナターシャ」
「……バーバラとナターシャに至っては聖女と王太子妃だ。他国に口出しをしたら国際問題になりかねないんだ」
それは理解しているが、それでも何とかしたいと思うティナは、衛兵に近づいて聞き耳を立てる。
「いい加減にしろ! 俺達に手を上げておいて何も無いでは済まされんぞ!」
「痛い! 離してください!」
「やめてくれ! 悪かった、謝るから!」
ここだけで判断するならば、女性が衛兵に手を上げたため、女性を捕らえたのだろう。
男性はそれを必死に謝っている……だろうか。
すべての会話は聞き取れなかったが、衛兵に手を上げた事は間違いない様で、流石にティナは何もできずに戻ってきた。
「なんか、女性にも問題があったみたい」
「あまり気にしないで。ほら戻ろう?」
ラグナに頭を撫でられて、小さく頷いて歩き出す。
戻る途中では奴隷商人が牢屋のような馬車に奴隷をたくさん乗せ、オークション会場へと向かうのを見た。
ティナ達の出身国、ロールドルフでも奴隷はいたが、あまり表には出てこない。
しかしこの国では奴隷が公然と売買されている。
その事に思うところが無いわけではないが、口出しをするわけにはいかない。
少し気落ちして歩いていると、向かいからキャロラインが走ってきた。
「あら? お買い物は終わったの?」
「ええ! 中々いいものが買えましたよ!」
バーバラは平然と答えているが、ティナは少し顔を赤く染める。
変わった反応だなと思いはするが、どうやら急いでいるようだ。
「ここらで奴隷商人を見なかったかしら?」
「奴隷商人でしたらほら、あそこにいますよ」
ナターシャが指さすと、牢屋のような馬車が角を曲がっていくところだった。
「ちょっと追いかけるわね。それじゃ」
キャロラインは馬車を追いかけて角を曲がる。
何やら急いでいるようだが、何かを察したのか、ナターシャはキャロラインを追いかけて行った。
「私達は宿に荷物を置きに行きましょう!」
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馬車は速くないため苦労はないようだ。
そしてナターシャが合流する。
「何があったんですか?」
「キャロルが奴隷になっていたの。だから奴隷商人にどうして奴隷落ちしたのか聞こうと思って」
「キャロルが? 考えにくいですね」
「ええ、きっと何か事情があると思うけど、身請けは出来なさそうだったから、何とか別の方法で解放しないといけないわね」
馬車が停まると、古ぼけた建物の中から背の大きな屈強な男が現れる。
そして倉庫のような隣の建物に案内すると、馬車は中に入り大きな扉が閉まる。
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