ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第7章 改変された世界

第305話 封印されていた能力

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 クリスタルベアーが現れたと聞いて、王国軍と冒険者は急いで討伐隊を編成し街道に向かったのだが、街道を悠々と歩くキャロライン姫とバーバラ聖女が見えたため、討伐隊は急いで安全の確保をする。

「キャロライン様! バーバラ聖女様! どうしてこのような場所に!? 騎士隊は急いでお二人を護衛して街までお送りしろ!」

 軍の隊長らしき人物が数名の護衛を2人に付ける。
 キャロラインとバーバラは不思議そうな顔をしているが、ラグナと伯爵、執事はホッとしている。
 逃げた人たちの連絡を受け、クリスタルベアーの討伐に来たのだろうと理解できるが、姫と聖女はそういった前ぶりを知らないため、どうしてこんな場所に部隊が派遣されたのかわからないのだ。

「騒々しいですね! 一体何があったというのですか!?」

「は! バーバラ聖女様! この街道にクリスタルベアーが現れたと報告を受け、我々討伐隊が編成されたのです!」

「クリスタルベアーですか? それならば先ほど1頭倒しましたが、それですか?」

「は! キャロライン様! 報告では1頭と聞いて……え? 倒した??」

 キャロラインの言葉に討伐隊の動きが止まる。
 キャロラインとバーバラはその能力が高く、キャロラインは魔法に才能が、バーバラは魔法・剣技両方に才能があるのだ。
 だからといって、クリスタルベアーを倒せるほどの能力かと言われれば、それはノーだ。

 そう、記憶と共に能力も大幅に封印されていたため、精々がAランク冒険者程度と言われていた。
 バーバラは聖女なので能力はもっと高いのだが、聖女は護りに特化されていると言われているため、攻撃はそれほどでもない、と言われていた。
 いやそれでも十分に強いのだが、Aランク冒険者が2人居たとしても、クリスタルベア―相手は難しいだろう。

「え? え? しかしクリスタルベアーは……は! そちらの同行者の方も実力者でいらっしゃいますか!?」

 不意に話題を振られたラグナ、執事ノーマン、ルネリッツ伯爵だったが、もちろんそんな実力はないためプルプルと首を横に振っている。

「クリスタルベア―は私が倒しました。そうですね、実は能力を隠していた、とだけ言っておきましょう」

 キャロラインとバーバラはAランク程度の能力しか発揮できていなかったが、記憶を取り戻した2人はその能力はほぼ回復し

 名前:キャロライン
 HP:73995
 MP:189135
 力強さ:31468
 知 力:49872
 防御力:34123
 素早さ:30954
 魅 力:48554
 状 態:
 スキル:能力値上昇速度100倍
     交渉LV198 裁縫LV102
     炎系魔法LV159
     水系魔法LV181
     風系魔法LV149
     大地系魔法LV168
     空間系魔法LV132
     光系魔法LV180
     闇系魔法LV129

 名前:バーバラ
 HP:193679
 MP:165291
 力強さ:41227
 知 力:42282
 防御力:36148
 素早さ:38215
 魅 力:39194
 状 態:
 スキル:聖女の輝きLV172
     万物を拒否する盾
     敵対する者を検知
     神への祈り
     能力値上昇速度100倍
     炎系魔法LV106
     水系魔法LV184
     風系魔法LV101
     大地系魔法LV100
     空間系魔法LV98
     光系魔法LV209

 となっている。(勇者の能力平均は1000ほど)
 修斗がいないこの世界では最高の能力となっている。
 なので本来ならBランクからAランク冒険者パーティーで討伐するクリスタルベア―を、たった1人で、しかも初級炎魔法である火炎弾ファーバで倒せたのも当然と言える。

 だからといって、クリスタルベアーが倒されたからと帰ってしまっては、討伐隊の意味がない。
 なので数名の護衛を残して街道を馬で走っていくのだが……すぐに血相を変えて戻ってきた。

「クッ、クリスタルベアーが黒焦げになっていましたー!」

「「「なにぃ~!?」」」

 護衛達が大声をあげて驚いている。
 理由は以下略。
 
「それでは私達は王都へ戻りますね」

 そういってキャロラインとバーバラはラグナと腕を組み、街へと戻っていくのだった。
 その後を付いて行くルネリッツ伯爵と執事の、何ともいえない表情が印象的だ。

 さて王女と聖女が突然街中に現れ、しかも誰とも知らない男と腕を組んでいた事で、ラグナは一躍時の人となってしまった。
 キャロラインもバーバラも国民から人気があり、この国ロールドルフを支えている1人なうえ、すでに結婚している第1、第2王子よりも優秀と評判だからだ。

 しかも王子達の妻であるナターシャ王子妃とキャシー王子妃とも仲が良く、その王子妃たちもとても有能で知られている。
 ロールドルフの4女傑と呼ばれ、あらゆる場面で活躍をしている。

 そんな人気者の2人と腕を組み、しかも今まで見たことも無い満面の笑みで歩いているのだから、まさか三角関係か!? とウワサされても不思議はない。
 当のラグナと、部外者となりつつある伯爵・執事はゲッソリしているが。

 城から突如として消えたキャサリン、バーバラが城に戻り、やっと城内は落ち着きを取り戻した。
 というのに更なる混乱を招く発言をする。

「お父さま、私はしばらくお暇と頂こうと思います」

「陛下! 私もこれより姫と同じくお暇を頂きます!」

 謁見の間で2人の捜索を指示していた国王だが、戻ってきたと思ったら爆弾発言をした。
 爆弾発言に国王だけでなく周囲の貴族も騒ぎ出すが、一部の者はすでに『ウワサ』を耳にしていたようだ。

「キャロライン、バーバラ聖女、まさか一緒に入城した男と共に行動する訳ではあるまいな?」

「それはお答えいたしかねます」

「お前達は国に欠かせない者達だ。なぜいきなり暇をくれなどと言うのだ?」

「目的が出来たのです」

「目的とはなんだ!?」

「この国のため、ひいてはこの世界のためになる事です。お父さま、お許しを頂きに来たわけではありません、決定した事をお伝えに来たのです」

「くっ、バーバラ聖女も同じなのか?」

「は! これは何よりも優先させるべき事案ですので!」

 正直なところ、国王にこの2人を止める術はなかった。
 内政にしても外政にしても、かなりの決定権を持っている2人が公の場で発言したことは、今の王ではそれに反対する事は出来ないのだ。
 もしも反対意見が言えるとしたら、同等の権限を持つ者だけ。

「ナターシャ王子妃とキャシー王子妃を呼べ」

 そう、4女傑の2人のいう事は、同じく4女傑の2人に頼むしかないのだ。
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