ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第6章 ダンジョンから始まる世界交流

第295話 ギャルでも経験はないんですぅ!

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「初めまして! シュウト陛下! ウチはアイン・アール首長国の第3王女、フィルヤールです! お会いできて光栄です! いや、ほんっとに光栄です!」

 ……言葉遣いはそれなりだが、なぜか少しギャルっぽく感じてしまうのはなぜだろうか。
 
「お前はJKギャルか?」

 アイカが思わず噴き出したが、当の本人とメイド2人は意味が分かっていない。
 何とか笑いをこらえてフィルヤールが来た理由を説明する。

「しゅ、シュウト君、フィルヤールさんはシュウト君に会いに来たの。シュウト君と入れ違いで手紙が届いたんだけど、書式は国の正式な物よ」

 そういえば手紙があったな、と机の上を見るのだが、手紙が見当たらない。

「シュウト君、机の脇に置いてあるわよ」

 机の脇と言われ、なぜそんな所にあるのかと思ったが、机の脇の低い台の上に箱が置いてあり、中には書状が大量に入っていた。
 どうやらフィルヤール以外からも来ていたようだ。
 上の数枚を確認するが見当たらず、面倒になってやめた。

「俺に会いに来たそうだが、理由はなんだ。他国と同じように王女を差し出して、ザナドゥと仲良くなりたいのか?」

「んっとね、国同士が仲良くなるのは別にいいんだけどさ、ウチとしてはシュウトと仲良くなりたいんだけど」

「俺個人とか?」

「そう! 親がね? 色んな王子様を紹介してくれるんだけど、みんなイマイチなの。顔が良かったり頭が良かったり体力があったりと得意分野はあるんだけど、トータル的にみるとダメ。そんな感じで妥協しようかと思ったんだけどね? シュウトってかっこよくて頭が良くて強いっていうじゃない!? これは会いに行くっきゃないって思ったの!」

 かなり興奮気味に身を乗り出し、修斗の机に両手をついて一気にまくしたてる。
 目が、いや顔の周りにキラキラと星が浮いて見えそうなほどに満面の笑みだ。
 メイド達はフィルヤールの態度に焦っているようだが、止めるそぶりはない。

「まぁ俺は強いだろうな。顔や頭はわからないから勝手に判断しろ」

「大丈夫! 強いのはアイカから聞いてるし、顔はバッチシ! 国王様なんだから頭も良いでしょ? 結婚しよ!」

 フィルヤールの背後で稲妻が落ちる。
 今まで優しく見守るような表情をしていたアイカだが、結婚しよ! と言ったとたんに怒りの面に変わった。
 それを見てメイドが慌てて止めに入る。

「おおおお嬢様! 流石に急すぎますから結婚はのちのちという事で!!」
 
「え~? だって結婚し――」

 中々引こうとしないフィルヤールの脇に立ち、何とかなだめようとするが諦めてくれない。
 なのでもう1人のメイドがフィルヤールを羽交はがめにして下がらせる。

「結婚か、そういえば最近は結婚していないな」

「そう! そうでしょ? だからここは1つウチと結婚しよ!」

「アイカ、魔法兵長レベッカ都市開発長フローレンス内政・人事キャロルハイエルフカーリンを呼べ」

 アイカが一礼して部屋を出ると、外で待機していた者に伝言を伝え、執務室に戻る。
 
「ねぇねぇ! シュウトって女好きなんでしょ? 私ってかわいくない? どう? ほらほら、スタイルも良いっしょ!」

 腰をひねったり、大きめの胸(Eカップほど)を腕で挟んで強調している。
 確かにスタイルは良いし健康的な色気という感じだ。

「では確認してやろう。こっちにこい」

 手招きするとフィルヤールはウキウキと修人の横に立つ。
 そして修斗が手を伸ばして膝の上に座らせ、腰に手を回す。

「ふにゃー! なに!? 何今の!?」

 飛び跳ねるように立ち上がり、腹回りを両手で押さえる。

「なんだいきなり。腰に手を回しただけだろうが」

「だだだだって! 手で触られただけでビクッって!」

「来ないと確認できないぞ?」

「お、おおぅ、ど、どんとこい」

 もう1度修斗の膝の上に恐る恐る座るのだが、高揚しているのか顔が真っ赤だ。
 そして腰に手を回されると、修斗はいやらしい手つきでフィルヤールの腹を撫でている。
 それだけでフィルヤールの体はビクンビクンと痙攣し、声を出してしまいそうになって慌てて両手で口をおさえる。

「感度は良いようだな。今までの王子達も簡単にイカセられて楽だっただろうな」

 プルプルと震えながら首を横に振る。

「ヘタクソだったのか?」

 また首を横に振る。
 意味が分からないから、修斗は腹だけでなく、胸に触れるか触れないかの場所、ビキニの周りを優しく触れていくのだが……。

「んっ! ん~~~~~!!」

 くたりと力が抜けて、修斗の膝から落ちそうになる。
 どうやら果ててしまったようだ。

「ん?? こんなにイキやすいなら、ヘタクソでも楽しめるんじゃないのか?」

「あ、あのシュウト陛下……フィルヤールお嬢様は男性経験がなく、直接肌を触られるのも初めてではないかと……」

 メイドがおずおずと口を開くのだが、どうやらフィルヤール、王子をたくさん紹介されてはいる様だが、実際に交際に発展した事は1度も無く、まして手を繋いだことも無いのだとか。
 小学生でも手くらい繋ぐだろうと言いたいくらいにウブだった。

 少々困った顔をしていると、呼んだ4人が部屋に入ってきた。

「お待たせしましたシュウト様。レベッカ、まいりました」

 右手を胸に当て、軽く会釈する。

「シュウト様、お呼びによりフローレンス、はせ参じました」

 腕を体の前で大きく回し、深々と頭を下げる。

「シュウト様、キャロル、キましたデス」

 両手を体の前で揃え、ペコリと頭を下げる。

「シュウト殿、カーリン・ピース、お呼びにより参上しました」

 まるで軍人のような敬礼をしている。

「お前達を呼んだのは他でもない、そろそろ第3王妃を決めようと思ってな」
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