ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第6章 ダンジョンから始まる世界交流

第248話 奴隷大行進

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 侍パーティーとフルプレートパーティーが切磋琢磨していたころ、少々厄介な冒険者が塔に入っていた。
 Aランク冒険者なのだが、なんとパーティーメンバーの数は40人を超え、通路で他の冒険者とすれ違うたびに驚かれている。
 驚かれる意味も2つあり、1つはその人数による物、そしてもう1つは服装だった。

 40人居るうちのほとんどの者がボロボロの服を着ており、もちろん武器など持っていない。
 そう、大量の奴隷を連れているのだ。
 現在は41階にいるのだが、ここは罠が大量に仕掛けられており、100階までの地図が完成した後も、あまり冒険者が立ち寄らないフロアでもある。

「お、ここの罠も書いてあるな。スゲーなこれ書いた奴」

「お前達! 死体は横にどけてさっさと進みな!」

 壁の石の隙間から矢が5本とんできたのだが、それを2人の奴隷が頭や胴体に食らい死んでしまった。
 死んだ奴隷を奴隷がどかし、また先へと進んでいく。
 死んだ奴隷もそうだが、生きている奴隷も指示に忠実に従っている。
 目の前で人が死に、次は自分たちの番だというのに。

 この中にまともな装備をしているのは4人。
 少々豪華な革鎧をまとい、頭だけ金属のヘルメットをかぶっているが、かろうじて目が見える隙間しかない男が1人。
 黒いローブでフードを深くかぶっているが、やつれた顔をのぞかせ、死んだ奴隷をニヤケた顔で眺めている男が1人。
 メガネをかけた女は一見知的にも見える顔だが、大きな肩当かたあての付いた胸部のみの黒い鎧、革ズボンをはいている。
 もう一人はまるでお姫様かと思うような白いドレスをまとい、コレに関しては鎧はおろか武器すら持っていない。

「さあ皆さん、代わりは沢山いますから、早くこのフロアの確認を終わらせましょう」

 ドレスを着た女が何事もなかったよに歩きだし、それに続く様に3人が、そして奴隷も進みだす。
 もちろん4人の前には奴隷が10人はいる。

 その後も落石やつり天井、床から槍が飛び出すなど様々な罠にかかっていく奴隷達。
 だがその都度奴隷をどかして前へと進んでいく。

「素晴らしい地図だ! このような完璧な地図をこの短期間で完成させるなど、一体どのような冒険者が成したのか!」

 黒いローブの男が地図を見ながら感情を高ぶらせている。
 地図には41階の全ての罠が記載されており、それを確認するために奴隷を罠にかけているのだ。
 
「女3人のパーティーだっけ? 金のなる木な予感がするぜ」

「はしたないですよ。お金など奴隷を酷使すれば湧いて出るのですから」

 ヘルメット男が甘い汁を吸おうと思っていると、ドレス女がたしなめる。
 たしなめるが言ってる事は最低である。

「何いってんだい、ザナドゥ王国じゃ奴隷は推奨されないんだろ? 奴隷商人が全然いないなんてどうなってんだ」

「くっふっふっふ、奴隷などただの呼び方。そこら辺から適当に補充したらよい」

 インテリ世紀末女は奴隷が居るのが当たり前という考えなのか、どこででも買える物だと思っている。
 だが黒ローブは誘拐して奴隷にするつもりのようだ。
 それだけでもロクな連中ではない事が分かるが、それにも増してイヤラシイ事を考えている。

(世界中の富を集めて、女をはべらせて、美味い飯をくいてぇ~!)ヘルメット男
(世界中の男をひざまずかかせたい! 世界は私を中心に動いているのですから!)ドレス女
(世界中の人間を踏みにじりたい。ヒールをけつの穴にぶち込んでヒーヒー言わせたい!)インテリ世紀末
(世界中の人間は全てワシの実験材料だ。薬を入れたい、改造したい、解剖したい!)黒ローブ

 自分の欲望にしか興味が無い連中だった。
 しかも仲間すらその道具であり、欲望の対象なのだ。
 爆発で奴隷が数名吹き飛ぶ。
 何も言わずに奴隷が死体を脇に寄せ、後ろの列から前列に奴隷が追加される。

「おや? このままでは奴隷の数が足りなくなりませんか?」

「ん? 言われてみれば半分以下になってんな。地図の確認状況はどんな感じ?」

「やっと半分を過ぎたわよ。奴隷が10人になったら戻って補充かい?」

「いや面倒だ。耐久力のある奴隷を下の階で補充すればよかろう」

 ああそっか、そういってパーティーは納得し、先へと進んでいく。
 
 そして補充をした奴隷は何故か防具を装備していたのだが、それらは全て脱がされ、リュックの中へと入れられた。
 新しい奴隷も無表情、というよりボーっとしている。

「おお、新しい奴隷ものはいーな! 槍を食らっても生きてっぞ!」

「今後はこういう補充も視野に入れましょう」

 ヘルメット男とドレス女は喜んでいるが、インテリ世紀末女は不満顔だ。

「貴重なケツの穴が……」

「お前が欲しいケツの穴はあんな安物なのか?」

「いや? 王様や貴族の穴が最高さ!」

 何を納得したのか知らないが、新しい奴隷の背中を蹴ると流石に次の罠で動かなくなった。
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