ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第6章 ダンジョンから始まる世界交流

第238話 目が見えなくても見えています

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「お嬢さんたちは塔は初めてだろう? 俺達がイロイロと教えてやるよ」

 ギルドを出ようとしたヤクシとガッコウの前に、屈強な男冒険者が4人立ちはだかる。
 見た目は華奢で目もつぶれているヤクシと、14~15歳程度の見た目(実際そうだが)のガッコウはギルドには珍しい女2人パーティーだ。
 しかも美しい&カワイイときたら声をかけるのもうなづける。

「確かに初めてですが、情報は一通り仕入れてあります。なので皆さんのお手を煩わせる必要は無いかと」

「まぁまぁ、聞くと見るとでは随分と違うからな。俺達が手取り足取り教えてやるよ」

「おっと目は見えないのか。安心しな、俺達がしっかりと教えてやるからよ」

「ああん? お前らごときがアタシらに何を教えようってんだよ」

 子供のガッコウが粋がっている様に聞こえたのだろう、男たちは大声で笑いだして2人の肩に腕を回す。

「そうだなぁ、まずはベッドで色々と教えてやるぜ」

「子供には俺のはでかすぎるかも知れねーがな、ガッハッハッハ!」

 そう言って股間を前に突き出しているが、それをヤクシとガッコウが見て……。

「ちっさ」

「小さいですね」

 まだ大きくなっていないが、ズボンの上からでは存在を確認することが出来ないソレは、間違いなく修斗のモノよりも小さいだろう。
 最大級のモノを見て、体に受け入れた2人には物足りないだろう。

「ふ、ふざけるな! 優しく言ってやってりゃ調子に乗りやがって!」

 4人の男たちは顔を真っ赤にして怒り狂い、拳を振り上げて2人に襲い掛かる。
 だが……もちろんヤクシ・ガッコウに勝てるはずがない。
 本当に一瞬で4人を床に這いつくばらせ、その背中に足を乗せていた。

「はん! ガッコウ様に勝とうなんざ1億兆万年はえーぜ!」

「……ガッコウ? 一億兆万年という時間はないと以前言ったではありませんか」

「あれ? そうだっけ。まあいいや、おい粗チン、次アタシらに声をかけたらもぎ取るぞ!」

「「「「す、すみませんでした!」」」」

 冒険者ギルド内での争いを止めようとした冒険者と受付嬢は、2人の強さに動けないでいた。
 ちなみに2人はDランク、4人の男はCランクだ。

「そういやーよ、アタシはシュウト陛下のしか知らないけど、やっぱデケーのか?」

「私は2人目ですが、比較にならないほど大きいですね」

 町を歩きながらそんな話をしているが、思わず修斗のモノを思い出して顔を赤らめる。
 
「が、ガッコウ? シュウト陛下はカッコいいのですか?」

「おおよ! 流石はアタシらの主だぜ、めっちゃカッコいいぞ!」

「そうですか……では私の様な醜い女とは釣り合いが取れませんね」

「いやいや、ヤクシもめっちゃ美人だけどな」

「しかし私は目が……」

「目が見えなくても普通に生活出来てんじゃん。それにその顔を見てシュウト陛下は気に入ったって言ってんだぜ? それでいいじゃん」

「そういう物でしょうか。でも殿方は……」

「あー! それ以上言うなよな! それ以上アタシの大好きなヤクシの悪口を言うな!」

「ごめんなさい、ガッコウ」

「ヤクシは女としてのアタシの目標でもあんだから、シャキっとしてくれよ」

「ええ、そうですね、シュウト陛下のお役に立てればそれでいいのですから」

 何とか自分を納得させたようだが、目が潰されているのを気にしているようだ。
 ヤクシは目が見えないが、それを補って余りある情報が入ってきている。
 第六感どころか七感八感まで感じ取っているのだ。



 翌日、3人で塔の入り口に向かうと、昨日とは別の意味で騒動が起きていた。

「お嬢さん達! 俺達とパーティーを組まないか?」
「美しいお嬢さん、俺達と一緒に塔に入ろう!」
「姉さん達、同じ女だから一緒に行かないかい?」

 などなど、一緒に冒険をしようと誘われているのだ。
 昨日の冒険者ギルドでの騒動が話題になったらしく、Dランクというのは冒険者になったばかりなだけで、その実力は折り紙付きだ、という事らしい。

 実際その通りなのだが、Sランクを通り越した実力があるため、3人にとって他の冒険者は足手まといにしかならないだろう。
 その事は3人も重々承知しているため、誘いは全て断っている。

 塔の1~10階まではほぼ情報が出尽くしているはずだ。
 D・Eランク冒険者が大量に動いており、情報が出尽くしていると考えて良い。
 なので11階から始めるのだが、ガッコウは公開された地図を見て少し違和感を覚えていた。

「この地図だとよ、パッと見じゃキレイに埋まってるけど、何か所かに隠し扉がありそうだな」

「え? で、でもガッコウ、地図はキレイに清書されてるし、ど、どこにそんな隙間があるの?」

 シャンディラは地図を見て驚いているが、ヤクシは見えないため反応がない。
 
「こことここ、ここも怪しそうですね」

 ヤクシが地図を指差して、隠し扉がありそうな場所を指し示す。
 ……見えてる?
 他の人間には分からない何かで感じているのだろうか、しかもガッコウが隠し扉があると思った場所も同じらしく、その場所へと向かう事になった。
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