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第5章 世界大戦

第225話 因果応報

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 記憶の改竄かいざん
 どうやらそれがマイルフックの能力のようだ。

「……ふぅ~ん、それに気付いてて僕を目の前に連れてきたの? バカなの?」

「お前の能力なんて、俺に効くはずが無いだろう?」

 記憶の改竄により、フランチェスカは記憶を書き換えられたのだ。
 修斗と出会ってからの事が書き換えられ、楽しかった思い出が全て最悪の出来事に書き換えられてしまっていた。
 フランチェスカの改竄された記憶では、最初からマイルフィックのスパイとしてザナドゥ王国に潜伏し、機を見て抜け出した……と本人は思っている。

「だから何? ラライラは魔族らしいから抵抗できたのかもしれないけど、君の可愛いフランチェスカお婆ちゃんは元には戻せないよ。バーカバーカ」

「そうなのか? それは残念だなフランチェスカ?」

 修斗がマイルフックの後ろを見ると、そこにはフランチェスカが立っていた。
 「え?」とマイルフィックが振り向くと、フランチェスカは見た事もない程の恐ろしい顔で睨みつける。

「私の……私とシュウト君との思い出を、あんな風に書き換えるなんて……シュウト君、私に始末させて欲しいのだけれど」

「落ち着け。お前の苦しみは分かるが、そいつには特別なお楽しみを用意してあるんだ」

「……分かったわ。きっと私の気が晴れるような、素晴らしい事でしょうね」

 フランチェスカは昨晩のうちに、改竄された記憶を復旧させていた。
 思い出した瞬間、フランチェスカは涙を流して号泣し、床に頭を擦りつけた謝罪をしたのだ。
 どうやら修斗、本来の記憶と改竄された記憶の両方を残したようだ。
 なので自分が何をしたのかすべて覚えたいたのだ。

「ここでは臭くなるから裏庭へ行くぞ」



 城の裏庭、といっても魔の森がすぐ近くにあるため、普段は人が近づく事は無い。
 そんな場所で、修斗はマイルフィックを連れて来た。

「なに? 僕をどうするの? まさかこんな所で僕を犯すつもり? やだよジジーは」

「お前は少年少女が好きなんだろう? だから思う存分相手をしてもらおうと思ってな」

「へぇ? なになに? ひょっとして僕を仲間にしたいの? だから篭絡ろうらくしようっての?」

『甦れ、黄泉に眠りし魂よ。体はここにある、自らの体に宿り、この者を満足させろ』

 地面が光り、あちこちからボコボコと穴が開いて何かが這い出てくる。
 まだ肉が付着しているガイコツ、体が腐り、濁った眼玉が垂れ下がっているゾンビ。
 血が乾ききっていない赤みを帯びた筋肉が見え、地面にウジや腐った肉が落ちている。

 50体ほど居るだろうか、まだ辛うじて人の姿をしている者もいるが、歯茎がむき出しだったり、首や手足が変な方向に曲がっている者など様々だ。

 だがどれもこれもが小さい。
 そう、8歳~12歳くらいだろうか。

「き、気持ち悪! 何やってるのさ!」

「これはお前に殺された子供達だ。お前に礼をしたいだろうと思ってな、蘇らせた」

「……は?」

「ほらお前達! しっかりと礼をしろよ!」

 マイルフィックの首を掴み、ゾンビの群れの中に放り込むと、ゾンビたちはマイルフックに群がる。

「ひやぁ!!! 来るな、来るなー!」

 ゾンビは上から覆いかぶさり、口を開けると……マイルフィックの口に腐った舌を入れる。
 他のゾンビは服を破り、全身を愛撫し始めた。

「……シュウト? あれってまさか……」

「あいつに殺された子供たちが、最後にやられた事を繰り返してるだけさ」

 マイルフィックのペニスはゾンビに舐められ、尻に指を入れられ、口には腐ったペニスが入っていた。
 何かを必死に叫んでいるが、その口は塞がれ、手足も押さえつけられているため身動きも取れないでいる。
 
 数日間放置されたが、気が付いたらマイルフィックは死んでいた。

 いつ死んだのかは知らないが、マイルフィックの能力はすでに解析が終わっているため、生かしておく意味もなかったようだ。
 その間、修斗達はヤクシとガッコウと共に、漆賢人しちけんじんの調査を行っていた。

「ほほぅ、ここで連絡を取り合っていたのか」

「はいシュウト陛下。この水晶の魔力を使い、7枚の鏡を通して会話をしていたのです」

「ほらほら陛下陛下! そろそろ定時連絡が始まるから隠れてようぜ!」

 ヤクシはあっさり陥落したが、バーバラが連れて来た3尊の1人ガッコウは、ヤクシが修斗に襲われている! と最初は勘違いしていたようだ。
 なので助けに入ったのだが……逆に手籠めにされた。

 元々3尊はヤクシへの依存が強いらしく、ヤクシが従うなら自分も従う、と思っていたようだ。
 ……男のニッコウはすでに実験に使われこの世にいないが。

 水晶玉が光り出すと、周囲に置いてある7枚の鏡が何かを映し出す。
 顔に壱~漆までの文字が書かれた黒い前掛けをした人物たちが映し出された。

「ふぅ、全くあいつらは役に立た……誰だ貴様は!」

 鏡の向こうでは修斗を見た漆賢人が騒いでいる。
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