ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

文字の大きさ
上 下
173 / 373
第5章 世界大戦

第172話 冒険者ギルドの漆賢人

しおりを挟む
「そうそうシュウト君、冒険者ギルドのしち賢人って知ってるかしら?」

 夜通しいたした後のベッドの上で、フランチェスカは修斗に尋ねてみた。
 しち賢人、以前修斗がSランクに上がろうとして古代龍を倒そうとした時、ギルドの受付から報告が行った先の者たちだ。

しち賢人か。ウワサには聞いた事はあったが、7人はやっぱり実在していたのか?」

 シーツで体を覆っていたフランチェスカだが、修斗はシーツを外し、横になったまま頬杖をついて胸をさわりながら答える。

「う、うん、恐らく、だけれど」

 いきなり胸を揉まれたため、頬を赤らめながら手を重ねる。
 
「そいつらが邪魔をして、俺のSランク入りをはばんだのか?」

「多分、だけれど。でもおかしいの、ギルド憲章のどこにもしち賢人なんて記載されていないし、一体誰が、どうやって選ばれたのかも分からないのよ」

「そうか。ただの頭の固い組織かと思っていたが、なかなかどうして秘密があるようだな」

 胸を揉むのをやめたかと思うと、フランチェスカの体を後ろから抱きしめ、今度は後ろから両胸を揉み始める。
 フランチェスカの秘所は、すでに濡れていた。

「い、今はね、受付嬢さんと一緒に、しら、調べているのだけれどっ! やっぱり、ほほほ、本部へいっ!!! い、行かないと、分からないことが多くって……ひゃぁ! 乳首をつままないで!」

「それで、お前は今後どう動く……ん?」

 フランチェスカがすがるような目で修斗を見ている。
 それを見て一旦会話は終了するようだ。




「私ね、本部に行ってみようと思っているのだけれど、いいかしら」

「本部はどこにあるんだ?」

 朝の情事が終わった後、重鎮たちと揃って朝食を食べている。
 今日は珍しくギルドの受付嬢も参加した。

「本部は北にある国『ファ』にあります。とても寒い国で、年中雪が降っていると言われています」

 受付嬢が答えると、キャロル内政・人事担当が小さな悲鳴を上げた。

「ひゃ、毎日ユキがフッてるなんて、ヒトが住めるばしょじゃないデスね」

「年中雪が降っていない場所もあるので、そこには人が住んでいます。というか、そこにしか住めない環境らしいです」

 どうやらキャロルは寒いのが苦手らしい。
 ……むしろ年中水着の様な格好をしているのだから、それが原因ではないだろうか。

「寒い地域なら、風邪には注意しろよ? お前のB+の装備で問題は無さそうか?」

「むしろアレで問題があったら私の手には余るわね。アレよりも良い装備なんて、シュウト君がらみ以外では見たことが無いのだもの」

「そうか? しかし寒い地域なら、温かくなるアイテムくらい作っておくか」

「ありがとうシュウト君。有ったら嬉しいわ」

 冒険者ギルド本部が、フランチェスカの事をどれだけ把握しているのかは分からない。
 恐らくはザナドゥ王国と関りがある事は知られているはずだ。
 しかし幸運な事に、フランチェスカは国を出てザナドゥに来るまでに、各国、各街で依頼を受けたため、旅ついでに冒険をしているとも取れる。

 次の目的地が北に向いた所で、そこまで違和感があるわけでもない。

 フランチェスカはザナドゥ王国で1つ依頼を受け、その足で北へと向かう事になった。
 あまり滞在日数が長いと、ザナドゥ王国と関りが深いと思われてしまう。
 自由に行動するために、ザナドゥとの関りは邪魔になる。

 その日のうちに9人の悪夢の騎士トリプルナインの息がかかった組織から護衛の指名依頼を出させ、フランチェスカはそれを受ける事で北へと向かう事となった。
 商人の護衛で北へ向かうのに、何の問題があろうか。

 だがここで1番の問題となるのが移動手段だ。
 『ファ』までの距離は5000Kmを超えるため、馬での移動だと30日近くがかかってしまい、途中で依頼を受けながらだと更に時間がかかってしまう。

 その話で悩んでいると、ラグズが手を挙げた。

「あの、いいッスかお兄さん。お兄さんとアイカさんが元々いた世界の乗り物、車の試作品が出来てるんスけど、それを使ったらどうッスかね。出来ればラグも付いて行きたいッス」

「ラグ? お前は車を完成させたのか?」

「エンジンはまだ理解できてないんスけど、お兄さんに作ってもらった大型の魔石と、新しく作った魔道回転装置モーターを組み合わせたら、大体の形ができたッス」

 いやいや、専門知識のない修斗とアイカから聞いただけで、車が出来るはずが……出来ていた。
 工房の一角に専用の施設がつくられており、そこに馬車のデザインに近い車が置いてあった。
 少し大きめの馬車に魔道回転装置モーターやハンドル、ブレーキを付けただけの簡単な物だが、車としての体裁ていさいは整っているようだ。

「これは早いのか?」

「馬が全速力で走ったのと同じくらいは出るッスよ」

 この世界の馬の全速力は時速80~90kmだが、長時間は走れない。
 しかしラグズが言うには、この車は時速80~90kmで丸一日走れるようだ。
 それだけあれば、依頼を受けながらでも10日もあれば到着しそうだ。

「ラグ、よくやった。お前の作った車を見せびらかしてこい」
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...