ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第170話 生活魔法≠神界天技

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 生活魔法は誰が使っても効果は一定である。
 もちろん赤ん坊は使えないだろうが、ライターと同じで使おうと思えば誰でも同じ結果が得られるのだ。 
 だからパメラの様な魔法の才能がある者が使っても小さな火しか出ない。

 であるならば、この世界の人間は神界天技しんかいてんぎを使える事になる。

 もちろん使えると言っても生活魔法という限定的な物だが、知らない内に存在を認識しているという事は、この世界の人間には神界天技を使う能力があるという事だろうか。
 しかし修斗がこの力をもらった際、ステータスを大幅に書き換えなければ耐えられない程の苦痛を味わっている。
 他の人間が耐えられるとは思えない。であれば、使えるとは到底言えないだろう。

 ではなぜ存在しているのか……。
 
「分からん……女神め、気まぐれで神界天技を渡したとは思わないが、俺に何をさせるつもりだ」

 研究学院から出ると、そこには学園長がいた。
 珍しく、いや、修斗の前では珍しく、初めて会った時の姿、ジジーだ。

「シュウト君や、君は~、一体学園で何をするつもりじゃったんじゃ?」

 イマイチ的を得ない質問だが、修斗が学園に入った理由は1つだけだ。

「俺は生活魔法の事を知りたかったんだ」

「なぜ生活魔法を? 君ならばもっと上位の魔法を使えるはずじゃ」

 もっと上位の魔法……生活魔法が神界天技と関りがある事を知った今、果たしてどっちが上位なのか分からなくなってしまった。
 上位と言われる魔法は神界天技の残りカスを使って発動する。
 しかし生活魔法は神界天技に等しいものだ。

 ふと、1人の教師の言葉を思い出す。

 『生活魔法は魔法の基礎中の基礎! それが使えなくなると、魔法自体が使えなくなる可能性すら出てくるのだぞ!?』

 1年時の修斗のクラスの担任、うだつの上がらない男の言葉だ。
 どうやら研究学院と言っても、知られている全てがあるわけではない様だ。

「おい、俺が1年の時の担任はどこにいる」

「んん? 彼ならばもうおらんよ」

「……なんだと!?」

「か、彼はな、君が転入してきた年に学園に来て、今年になってやめてしまったのじゃ」

「2年間だと? 飛び級した俺と同じ、2年間しか学園にいなかったという事か?」

「ん? 言われてみればそうじゃな」

 偶然なのか必然なのか、その男は修斗に意味深な言葉だけを残して消えてしまった。
 きな臭い男だが、どうやらただのうだつの上がらない男ではない様だ。
 何者かは知らないが、恐らく探し出す事は出来ないだろう。

 それでも一応は知りたい事を知る事が出来たので、学園での活動は終わる事になるだろう。
 お気に入りの2人はスグには配下にならないが、それでも有能な女は沢山ザナドゥ王国に来る事になる。
 それだけでも良かったといって良いだろう。

「まあ悪くない2年だったな。面倒事もあったが、楽しくはあった」

「しゅ、シュウト君や、あ~、ウチの秘書なんじゃが……」

「もう会う事は無いだろう。俺は国に帰る」

 それだけ言うと、修斗は空間を開けて城へと帰って行った。



 時を同じくして、フランチェスカが父親との1年の約束を終え、ザナドゥ王国に向かっていた。
 1年間何をしていたかというと、父親との約束で国の為の勉強……と言う名のお見合いだ。
 あちこちの貴族の息子と会い、口説かれまくっていたのだが、その全てを断ってザナドゥ王国に歩みを進めている。

「キッチリ1年で終わったわね。お父様には申し訳ないけれど、約束を終えたからには自由にさせてもらうわ」

 少々距離があり、馬での移動なため時間がかかっている。
 先々の町で冒険者ギルドに顔を出し、長期間残った依頼を受けながらの移動だ。
 そのお陰で、今ではAランクに昇格していた。

 貴族からの依頼も受けるのだが、どうやら依頼と称したデートの申し込みが多発したらしく、フランチェスカはしばらく貴族からの依頼を受けるのを止めてしまった。

 だがそれをあっさり覆す事になる。

「フランチェスカ。お前はザナドゥ王国専属の冒険者になれ」

 ザナドゥ王国に到着し執務室に入って早々、フランチェスカは修斗からの辞令を受け取った。
 国専属の冒険者……他にも居るには居るが、冒険者としてはあまり聞こえが良くない事だった。

「あのシュウト君、自由を愛する冒険者が、国に縛られるのはマズイのではないかしら?」

「あまり数は多くないが、それでも腕の立つ者の中には国に雇われている者もいる。もちろんお前には普通の冒険者としてではなく、冒険者ギルドの内部事情を詳しく調べて欲しいんだ」

 修斗は現在Aランク冒険者だが、あれから冒険者として経験を積み、ギルドへの貢献も中々の物のはずだが、一向にSランクへの昇格の話を聞かない。
 Sに興味はないが、成れないとなったら気になるモノである。

「でも、私1人では情報収取に不安が残るわ」

 そういうと修斗は一枚の手紙を手渡す。

「ギルドの受付嬢が俺の女だ。あいつはすでに情報収集を開始しているから、コレを渡せばわかるはずだ」
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