ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

文字の大きさ
上 下
171 / 373
第4章 学園支配

第170話 生活魔法≠神界天技

しおりを挟む
 生活魔法は誰が使っても効果は一定である。
 もちろん赤ん坊は使えないだろうが、ライターと同じで使おうと思えば誰でも同じ結果が得られるのだ。 
 だからパメラの様な魔法の才能がある者が使っても小さな火しか出ない。

 であるならば、この世界の人間は神界天技しんかいてんぎを使える事になる。

 もちろん使えると言っても生活魔法という限定的な物だが、知らない内に存在を認識しているという事は、この世界の人間には神界天技を使う能力があるという事だろうか。
 しかし修斗がこの力をもらった際、ステータスを大幅に書き換えなければ耐えられない程の苦痛を味わっている。
 他の人間が耐えられるとは思えない。であれば、使えるとは到底言えないだろう。

 ではなぜ存在しているのか……。
 
「分からん……女神め、気まぐれで神界天技を渡したとは思わないが、俺に何をさせるつもりだ」

 研究学院から出ると、そこには学園長がいた。
 珍しく、いや、修斗の前では珍しく、初めて会った時の姿、ジジーだ。

「シュウト君や、君は~、一体学園で何をするつもりじゃったんじゃ?」

 イマイチ的を得ない質問だが、修斗が学園に入った理由は1つだけだ。

「俺は生活魔法の事を知りたかったんだ」

「なぜ生活魔法を? 君ならばもっと上位の魔法を使えるはずじゃ」

 もっと上位の魔法……生活魔法が神界天技と関りがある事を知った今、果たしてどっちが上位なのか分からなくなってしまった。
 上位と言われる魔法は神界天技の残りカスを使って発動する。
 しかし生活魔法は神界天技に等しいものだ。

 ふと、1人の教師の言葉を思い出す。

 『生活魔法は魔法の基礎中の基礎! それが使えなくなると、魔法自体が使えなくなる可能性すら出てくるのだぞ!?』

 1年時の修斗のクラスの担任、うだつの上がらない男の言葉だ。
 どうやら研究学院と言っても、知られている全てがあるわけではない様だ。

「おい、俺が1年の時の担任はどこにいる」

「んん? 彼ならばもうおらんよ」

「……なんだと!?」

「か、彼はな、君が転入してきた年に学園に来て、今年になってやめてしまったのじゃ」

「2年間だと? 飛び級した俺と同じ、2年間しか学園にいなかったという事か?」

「ん? 言われてみればそうじゃな」

 偶然なのか必然なのか、その男は修斗に意味深な言葉だけを残して消えてしまった。
 きな臭い男だが、どうやらただのうだつの上がらない男ではない様だ。
 何者かは知らないが、恐らく探し出す事は出来ないだろう。

 それでも一応は知りたい事を知る事が出来たので、学園での活動は終わる事になるだろう。
 お気に入りの2人はスグには配下にならないが、それでも有能な女は沢山ザナドゥ王国に来る事になる。
 それだけでも良かったといって良いだろう。

「まあ悪くない2年だったな。面倒事もあったが、楽しくはあった」

「しゅ、シュウト君や、あ~、ウチの秘書なんじゃが……」

「もう会う事は無いだろう。俺は国に帰る」

 それだけ言うと、修斗は空間を開けて城へと帰って行った。



 時を同じくして、フランチェスカが父親との1年の約束を終え、ザナドゥ王国に向かっていた。
 1年間何をしていたかというと、父親との約束で国の為の勉強……と言う名のお見合いだ。
 あちこちの貴族の息子と会い、口説かれまくっていたのだが、その全てを断ってザナドゥ王国に歩みを進めている。

「キッチリ1年で終わったわね。お父様には申し訳ないけれど、約束を終えたからには自由にさせてもらうわ」

 少々距離があり、馬での移動なため時間がかかっている。
 先々の町で冒険者ギルドに顔を出し、長期間残った依頼を受けながらの移動だ。
 そのお陰で、今ではAランクに昇格していた。

 貴族からの依頼も受けるのだが、どうやら依頼と称したデートの申し込みが多発したらしく、フランチェスカはしばらく貴族からの依頼を受けるのを止めてしまった。

 だがそれをあっさり覆す事になる。

「フランチェスカ。お前はザナドゥ王国専属の冒険者になれ」

 ザナドゥ王国に到着し執務室に入って早々、フランチェスカは修斗からの辞令を受け取った。
 国専属の冒険者……他にも居るには居るが、冒険者としてはあまり聞こえが良くない事だった。

「あのシュウト君、自由を愛する冒険者が、国に縛られるのはマズイのではないかしら?」

「あまり数は多くないが、それでも腕の立つ者の中には国に雇われている者もいる。もちろんお前には普通の冒険者としてではなく、冒険者ギルドの内部事情を詳しく調べて欲しいんだ」

 修斗は現在Aランク冒険者だが、あれから冒険者として経験を積み、ギルドへの貢献も中々の物のはずだが、一向にSランクへの昇格の話を聞かない。
 Sに興味はないが、成れないとなったら気になるモノである。

「でも、私1人では情報収取に不安が残るわ」

 そういうと修斗は一枚の手紙を手渡す。

「ギルドの受付嬢が俺の女だ。あいつはすでに情報収集を開始しているから、コレを渡せばわかるはずだ」
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...