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第4章 学園支配
第165話 久しぶりの武具開発
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「どうして私達に売れる武器が無いの?」
「売らないとは言ってねぇよ。ソイツは売れないって言ったんだ」
ダンジョンを出て街に戻ってすぐ、武器屋を回っていたのだが、フランチェスカ達に使える武器が無かったのだ。
いや武器自体はある。
だがそれを売る事は出来ないと店主が言っているのだ。
「すまねぇな嬢ちゃん、ダンジョン攻略の決まり事で、冒険者ランクに見合った武器しか売っちゃいけね~んだわ。Cランクでどうやってアンダーヴァラヌスを倒したのかしらね~が、ランクごとに攻略階層が決まっていて、武器もランク相応の物しか売れねぇんだ。これは冒険者を保護する為でもあるからよ、勘弁してくれ」
そう、低ランク冒険者が粋がってダンジョンを突き進み、無駄に命を落とすのを防ぐためだ。
修斗以外はCランクのため、本来は第10階層までしか進めないのだが、今回はAランクの修斗がいるから下層まで進めたのだ。
「そんなぁ……あんなに苦労して倒したのに……」
「でも言われてみれば理解も出来るわね。低ランク冒険者が下層に行っても危険なだけだもの」
「まぁそういう訳だ。いま嬢ちゃん達に売れるのは程々の武器や防具、ポーションや道具の類だけだな」
落ち込むポリン達。
しかしそういった決まりがあるのなら、無理を通す事も出来ないだろう。
それでも初期装備よりはマシと、程々の武具を買っていく。
「あ~あ……アンダーヴァラヌスを売りに出してお金がいっぱいになったから、いい装備が買えると思ったのにな~」
「仕方がないわよ。まだBランクには上がれないし、とりあえずは少しでもいい武器が買えたのだから、これでダンジョン攻略を進めていきましょう」
ちなみに買えた武器はDランクの物で、初期装備よりも少しだけ良くなっている。
贅沢は言えないが、少しでもデザインが気に入ったものを選んだようだ。
少々落ち込みながら夕食を取り、夜は夜で鬱憤を晴らす様に乱交パーティーにのめり込んでいく。
朝になり、みんながモゾモゾと起きる時間になった。
寝ぼけまなこをこすり、行為をしたままの裸でベッドから降りて着替えを始める。
修斗は寝る時はローガスと同じ部屋で寝ているため、ここには居ない。
女4人でおしゃべりをしながら身だしなみを整えていると、ふと昨日買った武具が目に入る。
「あれ? 私の杖ってこんなのだったっけ?」
「私のもだわ。形がかわってるようだけれど」
「私のも変わってるみたいです」
首をかしげながらステータスを確認する。
名前:夢見のスタッフ
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:1582
詠唱速度:50%カット
呪文ストック:5 同時発動5
属性強化:ALL25%アップ
備考:小型の木製スタッフだが強度が高く、金属以上に硬い。
打撃時の攻撃力は695。MP消費が20%低減
名前:スピードマジシャン
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:910
詠唱速度:75%カット
呪文ストック10 同時発動10
属性強化:ALL20%アップ
備考:軽量化された杖。強度は無いが魔法を沢山使う事が出来る。
MP消費が20%低減
名前:マジックタンク
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:604
詠唱速度:10%カット
呪文ストック:30 同時発動10
属性強化:ALL20%アップ
備考:身体能力が3%強化される杖。小型軽量型。
MP消費が40%低減
他にも防具一式が変わっており、どれもBやB+となっている。
その理由に気づいた人物がいた。
「あ、ひょっとしたらシュウト様がやられたのかも。私のエンチャントソードもシュウト様が作ったと言っていましたから」
慌てて部屋を出て、隣の男部屋へとなだれ込む。
「おいおいどうした、朝っぱらから寝込みを襲いに来たのか?」
修斗がベッドに座り、隣のベッドではローガスが剣をまじまじと眺めている。
あ、察し……という感じで3人の動きが止まり、恐らく同じ状況であろうローガスにたずねてみた。
「ね、ねぇローガス、ひょっとしてアナタの剣も変わっていなかったかしら?」
ゆっくりとフランチェスカを見ると、嬉しい様な困ったような表情をしている。
「ああ、やっぱりそちらもか。俺の剣はB+になっていたよ。そっちは?」
「こちらも同じよ。ねぇシュウト君、もしかしたらアナタなのかしら?」
「ああそうだ。ダンジョン攻略で手に入れた素材だけを使ったから、大したものは作れなかったがな」
さも当たり前だと言わんばかりに答える。
一応は自分ルールがあるらしく、今回は自分たちで手に入れた素材のみを使ってアイテムを合成する、のようだ。
とは言えAランクモンスターから出た素材や、ダンジョンで得られた物は良い物が多いので、普通に考えれば極上品なのだが。
「い、いいの? シュウト君。こんなにすごい武器を作ってもらっちゃって」
「構わないだろう。お前とフランチェスカはAランク相当の実力があるし、ルミナとローガスも思ったよりやれているからな、これ位の武器なら問題ないだろう」
どうやら多少の考えの違いがある様だが、誰も損をしていないのでスルーした様だ。
それどころか修斗にしてみれば、未来の戦力が増強されたわけなので万々歳だろう。
口々に礼を言い、その日のダンジョン攻略はいよいよ最終階層、第17階層へと足を踏み入れるのだった。
「売らないとは言ってねぇよ。ソイツは売れないって言ったんだ」
ダンジョンを出て街に戻ってすぐ、武器屋を回っていたのだが、フランチェスカ達に使える武器が無かったのだ。
いや武器自体はある。
だがそれを売る事は出来ないと店主が言っているのだ。
「すまねぇな嬢ちゃん、ダンジョン攻略の決まり事で、冒険者ランクに見合った武器しか売っちゃいけね~んだわ。Cランクでどうやってアンダーヴァラヌスを倒したのかしらね~が、ランクごとに攻略階層が決まっていて、武器もランク相応の物しか売れねぇんだ。これは冒険者を保護する為でもあるからよ、勘弁してくれ」
そう、低ランク冒険者が粋がってダンジョンを突き進み、無駄に命を落とすのを防ぐためだ。
修斗以外はCランクのため、本来は第10階層までしか進めないのだが、今回はAランクの修斗がいるから下層まで進めたのだ。
「そんなぁ……あんなに苦労して倒したのに……」
「でも言われてみれば理解も出来るわね。低ランク冒険者が下層に行っても危険なだけだもの」
「まぁそういう訳だ。いま嬢ちゃん達に売れるのは程々の武器や防具、ポーションや道具の類だけだな」
落ち込むポリン達。
しかしそういった決まりがあるのなら、無理を通す事も出来ないだろう。
それでも初期装備よりはマシと、程々の武具を買っていく。
「あ~あ……アンダーヴァラヌスを売りに出してお金がいっぱいになったから、いい装備が買えると思ったのにな~」
「仕方がないわよ。まだBランクには上がれないし、とりあえずは少しでもいい武器が買えたのだから、これでダンジョン攻略を進めていきましょう」
ちなみに買えた武器はDランクの物で、初期装備よりも少しだけ良くなっている。
贅沢は言えないが、少しでもデザインが気に入ったものを選んだようだ。
少々落ち込みながら夕食を取り、夜は夜で鬱憤を晴らす様に乱交パーティーにのめり込んでいく。
朝になり、みんながモゾモゾと起きる時間になった。
寝ぼけまなこをこすり、行為をしたままの裸でベッドから降りて着替えを始める。
修斗は寝る時はローガスと同じ部屋で寝ているため、ここには居ない。
女4人でおしゃべりをしながら身だしなみを整えていると、ふと昨日買った武具が目に入る。
「あれ? 私の杖ってこんなのだったっけ?」
「私のもだわ。形がかわってるようだけれど」
「私のも変わってるみたいです」
首をかしげながらステータスを確認する。
名前:夢見のスタッフ
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:1582
詠唱速度:50%カット
呪文ストック:5 同時発動5
属性強化:ALL25%アップ
備考:小型の木製スタッフだが強度が高く、金属以上に硬い。
打撃時の攻撃力は695。MP消費が20%低減
名前:スピードマジシャン
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:910
詠唱速度:75%カット
呪文ストック10 同時発動10
属性強化:ALL20%アップ
備考:軽量化された杖。強度は無いが魔法を沢山使う事が出来る。
MP消費が20%低減
名前:マジックタンク
種類:魔法の杖 B+
魔法攻撃:604
詠唱速度:10%カット
呪文ストック:30 同時発動10
属性強化:ALL20%アップ
備考:身体能力が3%強化される杖。小型軽量型。
MP消費が40%低減
他にも防具一式が変わっており、どれもBやB+となっている。
その理由に気づいた人物がいた。
「あ、ひょっとしたらシュウト様がやられたのかも。私のエンチャントソードもシュウト様が作ったと言っていましたから」
慌てて部屋を出て、隣の男部屋へとなだれ込む。
「おいおいどうした、朝っぱらから寝込みを襲いに来たのか?」
修斗がベッドに座り、隣のベッドではローガスが剣をまじまじと眺めている。
あ、察し……という感じで3人の動きが止まり、恐らく同じ状況であろうローガスにたずねてみた。
「ね、ねぇローガス、ひょっとしてアナタの剣も変わっていなかったかしら?」
ゆっくりとフランチェスカを見ると、嬉しい様な困ったような表情をしている。
「ああ、やっぱりそちらもか。俺の剣はB+になっていたよ。そっちは?」
「こちらも同じよ。ねぇシュウト君、もしかしたらアナタなのかしら?」
「ああそうだ。ダンジョン攻略で手に入れた素材だけを使ったから、大したものは作れなかったがな」
さも当たり前だと言わんばかりに答える。
一応は自分ルールがあるらしく、今回は自分たちで手に入れた素材のみを使ってアイテムを合成する、のようだ。
とは言えAランクモンスターから出た素材や、ダンジョンで得られた物は良い物が多いので、普通に考えれば極上品なのだが。
「い、いいの? シュウト君。こんなにすごい武器を作ってもらっちゃって」
「構わないだろう。お前とフランチェスカはAランク相当の実力があるし、ルミナとローガスも思ったよりやれているからな、これ位の武器なら問題ないだろう」
どうやら多少の考えの違いがある様だが、誰も損をしていないのでスルーした様だ。
それどころか修斗にしてみれば、未来の戦力が増強されたわけなので万々歳だろう。
口々に礼を言い、その日のダンジョン攻略はいよいよ最終階層、第17階層へと足を踏み入れるのだった。
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