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第4章 学園支配
第131話 苦手意識はあっても手加減はしない
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競技会2日目が始まった。
修斗が参加する競技は2種類、『トライアル・マジック』と『待ちぼうけの王様』だ。
午前中にトライアル・マジックが行われるようだ。
『トライアル・マジック』
魔力による力比べの個人競技で、魔法の種類は何でもいいが鉄球に向かって放ち、どこまで飛んで行くかを競う競技だ。
多少の技術は必要だが、基本的に魔力量の多いものが有利とされている。
「シュウト君、気を付けて行ってきてね」
「ああ、大丈夫だよポリン。いってきます」
控室を出た修斗は会場へと向かう。
会場は砲丸投げに近い形をしており、直径2メートルの円の中の外周に棒が立っており、そこに直径20センチメートルの鉄球がゴルフボールの様に乗っている
魔法の使用は円の中だけであり、円の外に魔法が出た場合は失格となる。
道具の使用は不可。
他の生徒は爆発魔法に指向性を持たせたり、水球を圧縮させて撃ち出している。
土魔法で物理的に打ち出している者もいるようだ。
大体の生徒の飛距離は30~40メートルで、修斗はどうしたかというと円の一番後ろに立ち、土魔法で鉄球と同じ大きさの玉を作り、力いっぱい打ち出すとともに風の魔法陣を複数通し、土球を加速させた。
小細工らしい小細工もない、本当に力技で撃ち出したのだ。
その結果、鉄球の飛距離は……200メートルを超えてしまったため測定不能、鉄球は壁に食い込んだため正確な距離は分からず、スコアは200メートルとなった。
「約200メートルか、正確な記録が知りたかったが、まあいいだろう」
自分の番か終わり、警戒しながら控室に戻ったのだが、どうやら今回は何事もなく戻ってこれた様だ。
控室に戻るとポリンがすぐに修斗の手を取り、好記録に喜んでいる。
「やったー! シュウト君が一番だ!」
「おいおいポリン、まだ競技は終わって無いんだから、1番かどうかは分からないだろ?」
「大丈夫だよ、これならフランチェスカさんも無理だもん」
生徒会長フランチェスカにとってポリンは修斗を廻るライバルだが、ポリンは修斗のクラスメイトという事もあり、多少の優位性を感じているようだ。
もちろんフランチェスカは、自分の方が生徒会仲間で優位だと思っている。
それでもポリンの方が心に余裕が見える。
他の生徒の記録は40メートルを少し超える程度だったが、それを超える生徒が出てきた。
てっきり生徒会長かと思ったら、なんと生徒会の大男ローガスだった。
あの大男、体が大きいから筋肉馬鹿かと思ったら、魔力量自体はそれなりに多いようだ。
その記録は62メートルという、一般生徒の記録を大幅に超える数値。
ちなみに生徒会長フランチェスカは48メートルと、少し好成績なだけだ。
「へぇ、アイツって脳筋じゃなかったんだ」
「あ、あのねシュウト君、生徒会にいる人はみんな成績上位なんだから、それは失礼だと思うよ?」
その通りなのだが、生徒会長の能力が突出していて、他の役員の影が薄いのはどうしようもない。
午前の競技が終わり、昼休憩の時間になった。
本来ならばザナドゥ王国の重鎮たちと昼を取るのだが、今日は観戦に来ていない。
なのでメイド達が昼の準備をしている。
修斗としてはクラスの女とだけ食べるつもりだったようだが、誰の差し金か、クラス全員がメイドの接待を受けている。
とは言え全員が近くにいるというだけで、メイド達がそれぞれのグループにせわしなく行き来しているのだが。
これには男子生徒はもちろん、女子生徒もチヤホヤされるため、かなり評判が良かった。
午後からは『待ちぼうけの王様』が始まる。
全長約1キロメートルにも及ぶ、曲がりくねった人工のコースをゴーレムの馬を操り、王様役を迎えに行くという競技だ。
ゴーレム馬を繊細に操る技量が必要で、魔力量が多いからとスピードが速くなる事は無い。
魔法による直接攻撃は不可。
実は修斗、生活魔法の制御が上手く行かない事から、こういった繊細な作業には苦手意識を持っていた。
やればやったでそれなりに出来るのだろうが、中々馬の操作が上手くできるイメージがわかない。
なので修斗は小細工をメインにする事にした。
4人がゴーレム馬に乗ってスタートラインに立ち、合図とともに走り出す。
ゴーレム馬は普通の馬に比べて足は遅いが、魔力がある限り走り続ける。
最初の直線を抜けると左へ90度曲がり、その先は右のヘアピンカーブとなるのだが、最初のカーブを曲がった段階で修斗は3位にいた。
ヘアピンカーブでは2位の生徒が煙幕を使い、修斗は4位に落ちるのだが、修斗を抜いた3位の前の地面がめくれ上がり、Uターンするように地面が動いて行く。
突然の事で3番手は避ける事が出来ず、逆走して大幅に後退してしまう。
3番手に上がった修斗だが、1位2位とは大きく引き離されてしまった。
修斗が参加する競技は2種類、『トライアル・マジック』と『待ちぼうけの王様』だ。
午前中にトライアル・マジックが行われるようだ。
『トライアル・マジック』
魔力による力比べの個人競技で、魔法の種類は何でもいいが鉄球に向かって放ち、どこまで飛んで行くかを競う競技だ。
多少の技術は必要だが、基本的に魔力量の多いものが有利とされている。
「シュウト君、気を付けて行ってきてね」
「ああ、大丈夫だよポリン。いってきます」
控室を出た修斗は会場へと向かう。
会場は砲丸投げに近い形をしており、直径2メートルの円の中の外周に棒が立っており、そこに直径20センチメートルの鉄球がゴルフボールの様に乗っている
魔法の使用は円の中だけであり、円の外に魔法が出た場合は失格となる。
道具の使用は不可。
他の生徒は爆発魔法に指向性を持たせたり、水球を圧縮させて撃ち出している。
土魔法で物理的に打ち出している者もいるようだ。
大体の生徒の飛距離は30~40メートルで、修斗はどうしたかというと円の一番後ろに立ち、土魔法で鉄球と同じ大きさの玉を作り、力いっぱい打ち出すとともに風の魔法陣を複数通し、土球を加速させた。
小細工らしい小細工もない、本当に力技で撃ち出したのだ。
その結果、鉄球の飛距離は……200メートルを超えてしまったため測定不能、鉄球は壁に食い込んだため正確な距離は分からず、スコアは200メートルとなった。
「約200メートルか、正確な記録が知りたかったが、まあいいだろう」
自分の番か終わり、警戒しながら控室に戻ったのだが、どうやら今回は何事もなく戻ってこれた様だ。
控室に戻るとポリンがすぐに修斗の手を取り、好記録に喜んでいる。
「やったー! シュウト君が一番だ!」
「おいおいポリン、まだ競技は終わって無いんだから、1番かどうかは分からないだろ?」
「大丈夫だよ、これならフランチェスカさんも無理だもん」
生徒会長フランチェスカにとってポリンは修斗を廻るライバルだが、ポリンは修斗のクラスメイトという事もあり、多少の優位性を感じているようだ。
もちろんフランチェスカは、自分の方が生徒会仲間で優位だと思っている。
それでもポリンの方が心に余裕が見える。
他の生徒の記録は40メートルを少し超える程度だったが、それを超える生徒が出てきた。
てっきり生徒会長かと思ったら、なんと生徒会の大男ローガスだった。
あの大男、体が大きいから筋肉馬鹿かと思ったら、魔力量自体はそれなりに多いようだ。
その記録は62メートルという、一般生徒の記録を大幅に超える数値。
ちなみに生徒会長フランチェスカは48メートルと、少し好成績なだけだ。
「へぇ、アイツって脳筋じゃなかったんだ」
「あ、あのねシュウト君、生徒会にいる人はみんな成績上位なんだから、それは失礼だと思うよ?」
その通りなのだが、生徒会長の能力が突出していて、他の役員の影が薄いのはどうしようもない。
午前の競技が終わり、昼休憩の時間になった。
本来ならばザナドゥ王国の重鎮たちと昼を取るのだが、今日は観戦に来ていない。
なのでメイド達が昼の準備をしている。
修斗としてはクラスの女とだけ食べるつもりだったようだが、誰の差し金か、クラス全員がメイドの接待を受けている。
とは言え全員が近くにいるというだけで、メイド達がそれぞれのグループにせわしなく行き来しているのだが。
これには男子生徒はもちろん、女子生徒もチヤホヤされるため、かなり評判が良かった。
午後からは『待ちぼうけの王様』が始まる。
全長約1キロメートルにも及ぶ、曲がりくねった人工のコースをゴーレムの馬を操り、王様役を迎えに行くという競技だ。
ゴーレム馬を繊細に操る技量が必要で、魔力量が多いからとスピードが速くなる事は無い。
魔法による直接攻撃は不可。
実は修斗、生活魔法の制御が上手く行かない事から、こういった繊細な作業には苦手意識を持っていた。
やればやったでそれなりに出来るのだろうが、中々馬の操作が上手くできるイメージがわかない。
なので修斗は小細工をメインにする事にした。
4人がゴーレム馬に乗ってスタートラインに立ち、合図とともに走り出す。
ゴーレム馬は普通の馬に比べて足は遅いが、魔力がある限り走り続ける。
最初の直線を抜けると左へ90度曲がり、その先は右のヘアピンカーブとなるのだが、最初のカーブを曲がった段階で修斗は3位にいた。
ヘアピンカーブでは2位の生徒が煙幕を使い、修斗は4位に落ちるのだが、修斗を抜いた3位の前の地面がめくれ上がり、Uターンするように地面が動いて行く。
突然の事で3番手は避ける事が出来ず、逆走して大幅に後退してしまう。
3番手に上がった修斗だが、1位2位とは大きく引き離されてしまった。
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