ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第124話 対フランチェスカ布陣

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 魔法競技会が2ヶ月後に迫り、教室では役員や出場選手を選んでいた。

「あ~、再来月に行われる競技会だが~、まずクラスの代表としてシュウト君とポリン君を指名したいのだが、他に立候補者などはいるか~?」

 イマイチやる気のない担任の声が教室に響くが、どうやら全員が賛成のようだ。
 それもそうだろう、修斗は精霊召喚などという魔法が使えるし、ポリンは1年の首席なのだから。
 以前突っかかってきた不良少年も、態度は改めないまでも大人しくなっている。

「それでは2人~、今日の放課後、魔法競技会の打ち合わせに参加してくれ~」

「はい」

「わかりました」

「え~次は出場選手だが~、全13種目あるが、出場したい種目はあるか~?」

 種目は毎年同じようで、基本的に射撃系・陣取り系・力比べ系・技術系の4種類ある。
 それぞれの系統には花形競技があるので、そこで活躍したら一躍有名人となれる。
 その中でも難易度が高い競技で好成績を残したら、国のエリートコースに入れるモノもある。

「まず最初に決めておくが~、シュウト君、君は花形4種に出てくれ」

「え?」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ先生! それは贔屓ひいきが過ぎませんか! 俺だって花形4種に出たいんですから!」

 不良少年が立ち上がり、大きな声で抗議をする。
 それもそうだろう、いくら何でも4種全てに出ろというのは極端すぎる。
 一応各種目にはクラスから3人まで参加できるが、1年生が花形4種に参加するのは異例な事だ。

「気持ちは分かるんだが~、今年こそはフランチェスカ生徒会長の快進撃を止めなきゃならんのだよ。だからこうするのが一番点数も稼げるし、確率が高いのだよ~」

 フランチェスカ生徒会長は、2年時は能力の低い負けチームに入っていた。
 にもかかわらず、フランチェスカの活躍によって勝利を収めるという、先生方の戦力配分を見事に覆してしまったのだ。
 クラス替えの無いアカデミーにおいて、1つのクラスに3連覇などはさせたくないのだ。

「だ、だから1年2年のトップクラスと、3年の2.3番手のクラスをチームにしたんじゃないんですか!?」

 今年のチーム分けは強硬手段ともいえ、なりふり構わないチーム分けをしており、3年のトップクラスは1年2年の最下位クラスとチームになっている。
 しかも3クラスしかいない。
 修斗達は4クラスだ。
 団体戦ではチーム全員が参加するため、クラスが多いほうが有利なのだ。

「そこまでしても、3年1組には勝てないかもしれない、と予想する先生もいるのだよ~」

 修斗の前では子犬のように鳴き、シュウトきゅんなどと呼んでいる生徒会長だが、そのスペックはとんでもないモノらしい。
 しかも生徒会の3年生は同じクラスのため、連携も取れている。

 そこまで説明されて、クラスでは反論のしようが無くなってしまった様だ。
 しかも修斗が居るとしても、競技内容を詳しく知らないため、2回の経験がある3年生は圧倒的に有利なのだから。

「すまないがコレは決定事項だ~。花形4種の残り2名はみんなで決めてくれ~、おっと、もう時間か。それでは来週までに参加種目を決めておくように」

 鐘がなって先生は教室を出て行った。
 教室内は静寂に包まれているが、大半の者は納得している。
 してはいるが、そこまでしないといけないのかと考えているのだ。

 その静寂をポリンが破る。

「み、みんな! 今は深く考えても仕方が無いから、参加したい競技を明日の放課後までに決めておいてください。明日の放課後に改めて決めましょう!」

 ポリンの言葉で緊張が解けたのか、クラスはいつもの放課後の様に賑やかになる。
 
「さ、シュウト君、競技会の打ち合わせに行きましょ」



 生徒会室に近い場所にある会議室で、各クラスの代表が集まっている。
 コの字型に長テーブルが置かれ、生徒会役員の両側にクラス代表が座る形だ。

「全員集まったわね。それではこれより、魔法競技会の打ち合わせを始めます。私は生徒会長のフランチェスカです、よろしく」

 打ち合わせ自体は簡単なモノだった。
 競技の日程、会場、参加人数の確認などで、取り立てて話し合う内容でもない。
 簡単な連絡事項が終わると、修斗の知らない情報が告げられた。

「魔法競技会での優秀選手は、その後に行われる7学園対抗戦への参加が依頼されます。断る人はいないと思うけれど、10名に選ばれるように頑張ってください。質問が無ければこれで終わりたいと思います」

 質問もなく打ち合わせは終わった。
 7学園対抗戦……ここにきて知らない行事が出てきたが、どうやら先生方は、フランチェスカ生徒会長の3連覇阻止もそうだが、修斗を7学園対抗戦に出させたいのだろう。
 
 何やら面倒な事になってきたが、ひょっとしたら、国王としての修斗の評価は底辺だが、ここで活躍したら評価が上がるかもしれない。
 立場を明かせば、だが。

「ねぇねぇシュウト君、シュウト君だったら優秀選手に選ばれるよね」

「さあどうかな。僕は1年生だし、先輩方の様に競技内容に精通していないから、思わぬ負け方をしてしまうかもしれないね」

「え~? シュウト君なら大丈夫だよ」

 そう言って修斗の腕に抱き付くポリン。
 そしてそれを目撃してしまうフランチェスカ生徒会長。
 稲妻が落ちたように感じたが、きっと気のせいだろう。

 こうして学園での初めてのイベントが始まろうとしていた。
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