ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第119話 クラスのアイドルにはお手つき厳禁?

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 翌日からは通常通りの学園生活が始まった。
 修斗が担任と一緒に教室に入った時は、見事に反応がわかれた。
 歓迎派と拒否派だ。

 とは言え女子生徒のみならず男子生徒も歓迎が多いが、いわゆる貴族のお偉い様の御子息は拒否派のようだ。
 どうやら貴族と同じ学び舎に、一般市民が多くいる事が嫌なようだ。
 国王なのだが、一般入試で入ったからだ。

 そう、修斗は国王という事は学園に伝えてはいない。
 一応国家間の事もあるので、王族にのみ伝えてはあるが、少なくとも学園内で修斗が国王だと知る存在はいない。

 それもこれも修斗が一言『アカデミーに入るから手配しろ』としか言わなかったからだ。
 なので周りが大慌てで手配をしたのだが、必要最低限の場所にしか連絡が行っていない。
 国王に連絡に行ったのも、修斗がマジーク魔法国連邦に入る前日だ。

 教室は階段状になっており、教壇を囲むように丸みを帯びている。
 階段には机と椅子が据え付けられているので、動かす事は出来ない様だ。
 生徒の数は約30名ほど。

「あ~、今日から一緒に勉強する事になったシュウト君だ。みんな、仲良くな」

 女子生徒の歓声と、歓迎派の男子生徒の軽い返事、そして拒否派の無言と睨みつける目線。
 
「それではシュウト君、適当に空いている席に座ってくれ」

 教室自体が大きいからか生徒が少ないせいか、席はたくさん空いているのだが、全体を見た後で修斗は迷わず女子生徒の隣に座る。
 どうやら一番見た目が気に入ったようだ。

「初めまして、修斗と言います。初めてなので、色々と教えてくれると嬉しいです」

「は、はい! 私はポリンと言います。シュウト君、よ、よろしくお願いします!」

 ポリンの髪は肩にかからない長さで色の濃い銀髪。そして幼さを残しながらも女性らしい体型、胸は控えめだが、受け答えや所作からしっかりと躾がされているのが分かる。

「しゅ、シュウト君は歳はいくつですか? 大人びて見えますけど」

「僕は16歳です。背ばかりが大きくなって、よく間違われます」

「わ、じゃあ私と同じですね!」

「お~いポリン君、嬉しいのは分かるが授業を始めるぞ~、静かにな~」

「あ、す、すみません」

 女子生徒と大体の男子生徒からは問題が無いが、迷わずクラスのアイドル・ポリンの隣に座った事で、拒否派の反感はさらに強くなってしまった。
 そして修斗の態度だが……必死に猫をかぶっている。
 飛び級をする為の条件、生徒会は何とかなるかもしれないが、模範的な生徒……こればっかりは必死に猫をかぶるしかない。

 可愛い女が側にいれば何とかなるかもしれないが、それ以上の問題、修斗の性欲がいつまで抑えられるか、それが一番の問題だろう。
 男女関係を制限する校則は無いが、やり過ぎると風紀を乱したと判断されるかもしれない。

 今だって思わず腰に手を回して引き寄せようとし、慌てて手を引っ込めたのだから。

(ヤッベ。昨日は寮の部屋に荷物を運ぶのに時間がかかって、国に戻る事なく寝ちまったからな。溜まってる)

 そう、戻ろうと思えば空間魔法でいつでも自国に戻れるため、夜には戻っていつも通りの営みをするつもりだった。
 それが先生も現れて荷物運びを手伝い始めたモノだから、あまり派手な事は出来ず、普通に食事をして寝てしまったのだ。

(今晩は久しぶりに全員を集めてパーティーだな)

 授業自体は修斗にとって退屈そのものだった。
 しかも入学式からまだ2~3ヶ月なため、授業も基礎の基礎しかやっておらず、すでに上級魔法はおろか、オリジナル魔法まで使える修斗にとって、学ぶ所が無いのだ。

 だがしかし、勤勉を装わなければいけないため、必死に目を開けて聞いているふりをしている。
 休み時間には男子生徒も話かけてくるが、修斗と仲良くなりたいのが半分、女子生徒と仲良くなりたいのが半分のようだ。
 なにぶん修斗の周りには女子生徒が絶えないのだから、話をするいいキッカケになるだろう。

 初日はあっという間に終わり、放課後はみんなで遊びに行こうかと話をしていると、教室に1人の大男が入ってきた。

「そこの転入生、私と同行してもらいたい」

 昨日の生徒会にいた男だ。
 会長らしき女は時間をくれといっていたが、翌日には答えを出したようだ。

「え? 生徒会? シュウト君、何かあったの?」

「さあ、僕には心当たりはないけど、悪い事をした覚えはないから、きっと連絡事項か何かかな」

 白々しいにも程があるが、少なくとも大っぴらに話せる内容でもない。
 なので大人しく付いて行くようだ。




「会長、連れてきました」

 生徒会室の扉を開け、大男と修斗は部屋に入る。
 すると入り口のすぐ脇に立っていた小さな男が、扉の鍵を閉めた。

「ようこそシュウト君。昨日はお世話になったわね」

 テーブルの正面のイスに座ったまま、テーブルに両肘をついて手を組み、険しい顔つきをしている。
 残りの生徒会役員の女は、会長の両脇に立ち、腕を後ろで組んでいる。

「僕に何の御用でしょうか?」

 一つため息をつき、生徒会長は向かいのイスに座るように勧める。
 修斗がイスに座ると、大男は修斗の斜め後ろで待機し、小さな男は生徒会長の脇に合流する。

「シュウト君? あなたは随分と猫かぶりがお上手なようね」

「何の事ですか?」

「はぁ、まあいいわ。昨日の話だけれど、あなたを生徒会に受け入れる事になりました」

「それはそれは。僕はてっきり、生徒会長に嫌われていると思っていましたが」

「大嫌いよ。虫唾が走る位にはね。それでも私達には出来ない方法で成果を出した事は評価します」

「ん? 昨日は1回イジメを追い払っただけで、まだ成果という成果は出ていないのでは?」

 修斗の問いに、斜め後ろにいた大男が口を開く。

「昨日イジメていた3人組だがな、今日様子を見に行ったら、髪はキレイに整えられ、制服を正し、まるで借りてきた猫の様に大人しかった。たった1回で、確実に成果が出たのだ」

「全く、本当はもう少し様子を見るつもりだったけれど、こうも簡単に成果を出されては認めざるを得ないのよ。なのでシュウト君、あなたを生徒会特別管理官に任命します」
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