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第139話
しおりを挟む次の日──俺は、いつもの変装をせずに学校へ登校した。
「ねぇ、あれ・・・!!」
「あんな人、うちの学校にいた!?超イケメンなんだけど!?」
数少ない女子生徒が、俺に注目しているのが手に取るように分かる。
実際、聞こえてるし。
でも、他の女子なんかのために変装を解いた訳じゃない。
真白ちゃんの気を少しでも引くためなんだけど・・・まぁ、無理だろうな。
そんなことを思いながら、前を歩いていた真白ちゃんの隣に並び立つ。
「真白ちゃん、おはよ」
「おはようございます、先輩」
変装してない俺が視界に入っても、冷静なままあいさつをする真白ちゃん。
やっぱり無反応だよね~、知ってた。
まぁ、初めて見た時は少し反応してたし・・・2度目なら仕方ないか。
「それにしても、朝から真白ちゃんに会えるなんて嬉しいな。可愛い顔を拝めたし」
「・・・私が可愛いとか、コンタクトの度数合ってないんじゃないですか?眼科をおすすめします」
「そんなことないよ、アレ伊達メガネだし」
「じゃあ、元々の視力が悪いんですね」
正面を向いたまま、照れもしない真白ちゃん。
うーん・・・強敵。
少しは反応してくれてもいいのになぁ。
まぁ、興味ないって断言してるし・・・仕方ないか。
「俺、視力2.0以上だけど?」
「・・・そんなに視力あるのに、なんでメガネなんかかけてたんですか?それに、前髪も。視力悪くなりますよ」
「んー?人避け。俺、割と顔整ってる方だからさ。女の子にキャーキャー言われない為」
これは本音だ。
自分の好きな子以外にモテても仕方ないし・・・。
外見で好きになられても、こっちから願い下げだ。
「じゃあ、なんでそれやめたんですか?」
「んー?気になってる子に振り向いてもらうため・・・かな?」
「そうですか」
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君は、そんなこと気にするような人じゃないもんね。
例え、俺が変装していようがいまいが、その態度を変えることはない。
知ってるからこそ、俺は変装を解いた。
「なんとも思ってないなら、意味ないんじゃないですか?」
「まぁ、そうなんだけどね。初めて見た時に少し驚いたような表情してたから、それをまた見たいなーって思ってね」
「・・・そうですか」
まるで興味がないみたいに返事をする真白ちゃん。
いや、実際興味がないんだろうな。
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