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第124話
しおりを挟む私から茂木さんに告白をしようと決意してから数ヶ月・・・。
私は行動出来ずにいた。
「・・・で?自分から告白しようとしてるのにタイミングを逃しまくってついにバレンタインになってしまった・・・と?」
「・・・はい・・・その通りです」
さすがに無理かもしれないと思った私は、茉弘に洗いざらい話した。
「・・・まさか由紀がそこまでポンコツだとは思わなかったな・・・」
「う、うるさいわね!アンタだけには言われたくないわよ!」
茉弘から返ってきた言葉はまさかの“ポンコツ”だった。
そんなの私が1番そう思ってるっつーの!!
「いや、だって由紀、そういうのに慣れてそうだったし・・・」
「だーかーらー!!本気で好きになったの茂木さんが初めてなんだってば!!前にも言ったでしょ!二海くんは“攻略対象”としてだったからできただけであって・・・」
「へぇ・・・三島、茂木さんのこと好きなのか。てっきり、まだ俺の事好きなのかと思ってた」
「なっ・・・!?ふ、二海くん・・・!?」
熱弁していると、後ろから顔を出してくる二海くん。
もう・・・なんつータイミングよ・・・。
「だけどよ、茂木さんって確か好きな人──モゴッ」
二海くんが何かを言おうとした時、茉弘が二海くんの口を押さえる。
「っ──・・・!?・・・ぷはっ・・・何すんだよ!」
「それは言わないでって言ってんじゃん単細胞!」
「はぁ!?俺は気を利かせて言おうとしてんだよバーカ、言っといた方がいいだろコレは」
「由紀はまだ気付いてないんだからダメだってば!」
私にはよく分からない痴話喧嘩が急に始まってしまった。
私に言うとか言わないとか・・・何事?
「・・・ふぅん、あっそ。まぁいいけど。んで?今日バレンタインだけど・・・忘れてるものあるんじゃないですかー?」
言い合いを途中でやめたと思ったら、手を出してくる二海くん。
もしかして・・・チョコ求めてる?
確かにバレンタインだし、チョコの1つや2つ欲しいと思うけど・・・。
仮にも恋人同士なんだからちょっと雰囲気作りしてもいいんじゃない?
「そう言うと思って作ったよ。・・・はい、どーぞ」
「渡すのが遅ぇんだよ、バーカ」
茉弘がバックから手作りチョコを渡すと、嬉しそうにしながら悪態をつく二海くん。
ホント、素直じゃないな。
・・・私も一応チョコを持ってきてはいるけど・・・茂木さんにあげられるかな?
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