120 / 170
第120話
しおりを挟む手を繋いだままショッピングやご飯に行ったりして、時が過ぎていく。
日は暮れ、辺りが暗くなりイルミネーションが映える時間帯になった。
昼間よりも人が増え、カップルらしき人達で溢れかえる。
もしかして、他の人から見たら私達もカップルに見えたりするのかな、なんて考えながら茂木さんの隣を歩く。
「もうこんな時間か・・・そろそろ帰らないとね」
「そ、そうですね」
時計を見ながら呟く茂木さん。
もう帰る時間か・・・。
帰りたくないな・・・まだ、茂木さんと一緒にいたい。
「・・・ねぇ、由紀ちゃん。まだ時間ある?夜ご飯食べてから帰らない?」
「!は、はい!!食べましょう!!」
思いもよらない提案に、食い気味に答える。
すると、茂木さんが少し驚いたように私を見つめた。
ちょ、ちょっとはしたなかったかな・・・。
かなり食い気味に答えちゃったし・・・。
「ふふっ」
驚いたあと口元に手を当てて笑い始める茂木さん。
や、やっぱりおかしかったかな!?
やば・・・穴があったら入りたい・・・。
「な、なんですか」
「いや、まさかそんなに食い気味に答えるとは思わなくて・・・そんなにお腹すいてた?」
「ち、違いますよ!!」
私を横目で見ながら笑う茂木さんに、少しムキになって答える。
確かにお腹は空いてはいるけど・・・そうじゃない。
あなたと一緒にいたいからですよ。
なんて、絶対言えないんだけど・・・そう強く思ってしまう。
「・・・じゃあ、まだ帰りたくないって思ってくれたからかな?」
「!」
思っていたことを言い当てられ、思わずビグッと反応してしまう。
な、何でわかったの・・・?
「・・・もしかして、図星だった?」
「そ、それは・・・」
「・・・ふふっ。俺と一緒だね、嬉しい」
言い淀んでしまう私に対し、愛おしそうに笑う茂木さん。
そんな表情でそんな事言わないでよ・・・勘違いしちゃうじゃん。
「ねぇ、由紀ちゃん。もしかしなくても──」
「え?」
「・・・いや、なんでもない。どこのお店入ろっか」
何かを言いかけて、途中でやめる茂木さん。
今、何を言おうとしてたんだろ・・・。
「えっと・・・あのお店がいいんじゃないですか?美味しいって有名だし・・・」
「いいね、そこにしようか」
2人の意見が合い、お店が決まる。
私達は、手を繋ぎながらそのお店に向かって歩き始めた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる