犬猿☆ラブコンフリクト

綾鷹ーアヤタカー

文字の大きさ
上 下
113 / 170

第113話

しおりを挟む
由紀side



なんとかボトルを作り終わって、体育館の中に入る。



「2人共、ボトルありがとう。茉弘ちゃん、二海が指やったからテーピング巻いてあげて。荷物俺が貰うよ」



「分かりました、お願いします」



茂木さんが近寄ってきて茉弘の持っていたボトルの入ったカゴを手に取る。



手の空いた茉弘は二海くんのところに行く。



「健治、指見せて」



「部活中は苗字で呼べって・・・!」



「わ、ごめん・・・!」



親しげに話す2人を見て、微笑ましい気持ちになる。



ちょっと前までは目が合うだけで照れてたのに・・・。



「仲良いよね、あの2人」



私が2人を見ていたのがわかったのか、茂木さんが声をかけてくる。



茂木さんはいつもの様子と変わりない。



さっきのこと、聞かれてなかったみたいね。



「そうですね、くだらないことですぐ痴話喧嘩始まりますけど・・・微笑ましいです」



「そうだね、ああいうのを見ていると恋人が欲しいと思っちゃうね」



「そうですね・・・」



私は、恋人にするならあなたがいいです。



──なんて、言えるはずないんだけど。



「俺が彼女にするなら、由紀ちゃんみたいな子がいいな」



「っ・・・!?」



私が思っていたこととほとんど同じことを言われ、ドキッとしてしまう。



「そ、それ・・・どういう意味ですか・・・?」



「さぁ、どうだろうね。そのままの意味じゃないかな?」



「も、茂木さん、趣味悪いんですねっ!!」



不敵な笑みを浮かべながら私の方を見つめてくる茂木さん。



そんな彼から視線を逸らしてボトルをいつもの場所に置きに行く。



「そんなことないと思うけど?だって由紀ちゃん、かわいいじゃん」



私の後ろから茂木さんも手にしたボトルを置きに来る。



「茂木さん目悪いんじゃないですか!?眼科行った方いいですよ!!」



そう言って、茂木さんから逃げるように次の練習の準備を始める。



急にそういうこと言われると、どう返していいのかわからなくて口が悪くなってしまう。



好きな人に悪態ついちゃうなんて・・・本当に可愛くないな、私。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

青春の初期衝動

微熱の初期衝動
青春
青い春の初期症状について、書き起こしていきます。 少しでも貴方の心を動かせることを祈って。

食いしん坊な親友と私の美味しい日常

†漆黒のシュナイダー†
青春
私‭――田所が同級生の遠野と一緒に毎日ご飯を食べる話。

坊主女子:学園青春短編集【短編集】

S.H.L
青春
坊主女子の学園もの青春ストーリーを集めた短編集です。

「史上まれにみる美少女の日常」

綾羽 ミカ
青春
鹿取莉菜子17歳 まさに絵にかいたような美少女、街を歩けば一日に20人以上ナンパやスカウトに声を掛けられる少女。家は団地暮らしで母子家庭の生活保護一歩手前という貧乏。性格は非常に悪く、ひがみっぽく、ねたみやすく過激だが、そんなことは一切表に出しません。

Missing you

廣瀬純一
青春
突然消えた彼女を探しに山口県に訪れた伊東達也が自転車で県内の各市を巡り様々な体験や不思議な体験をする話

処理中です...