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第82話
しおりを挟む翌日。
自分の机に荷物を置いて席に座る。
隣にいる二海は、時間ギリギリだけどまだ来ていない。
あれだけの熱を出したんだし、今日は休みか。
そんなことを思っていると、ガラッと教室のドアが開いた。
「おはざーっす」
大きなあくびをしながら、中に入ってくるのは二海だった。
休みだと思っていた人物がいて少しびっくりしたけど・・・。
「ふっ・・・大きいお口ですこと」
二海が席につこうとしてる時に声をかける。
昨日まで避けてたのが嘘かよってぐらい普通に接することが出来た。
「・・・テメェの方がデケェだろ、がま口いのしし」
驚いたように目を見開いた二海だったけど、いつものように罵詈雑言が飛び出てきた。
「はぁ!?何それ!!アンタの方が口でかかったでしょ!?」
「お前以上にデカい奴はいねぇよ、カーバ」
頬をつつかれながらバカにしてくる二海。
腹が立ってきて、頬をつついてきてる手を振り払った。
「そーいうアンタは馬鹿でしょ!バーカバーカ!!」
「バカって言う方がバカなんだよ、アホ」
振り払ったはずの二海の手が再び私の頬をつまみ、引っ張られる。
「イハハハ!やめへよ!!」
頬をひっぱられてるせいで息が抜けて発音がめちゃめちゃになる。
それを面白そうにしながら見つめてくる二海。
「おーおーおー、久々の痴話喧嘩かぁ~?仲良いなぁ~」
クラスメイトの野次にカァッと顔が熱くなる。
「なっ・・・!コイツがいつもつっかかるだけでしょ!?」
「今は辻本がつっかかって来たんじゃねーか」
そういうと、二海は私の頭を掴んでギギギギ、と力を入れてくる。
「イタタタ!!痛い痛い!暴力反対!!」
「知りませーん、少ない脳みそなくせに頭はやたらデカいなぁ、低脳頭でっかちなガマ口カバさーん」
「はぁ!?アンタの方が期末の順位低いでしょ!?この性悪男!!」
昨日あんなにしんどそうにしてたのになんなんだこれ。
そもそも、今日出てきて良かったわけ?
具合良いの?
「てか、あんだけしんどそうにしてたのにもう熱下がったわけ?」
「あぁ、寝たら治った」
「元気っ子かよ」
思わずツッコミを入れてしまうほど軽く返される。
心配して損した。
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