犬猿☆ラブコンフリクト

綾鷹ーアヤタカー

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第75話

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店内に入ると、ひんやりとした風が頬を吹き抜けた。



さっきまで暑いところにいたせいもあって、とても涼しい。



「んで、何買うんだよ」



「んーとね・・・」



二海の問いかけに、私は手にしたメモを開いた。



「コレ!」



二海に見せると、手元をのぞき込むようにしてメモを見る二海。



顔がいつもより近くて、少しだけいたたまれなくなってしまった。



フイっと視線を逸らして二海が読み終わるのを待つ。



「・・・これの他に、シップも買った方がいいんじゃねーの?確かストックなかったぞ」



のぞき込むをのを辞めた二海は、体を起こして腰に手を当てる。



茂木先輩のメモには書いてなかったけど、主に使っている二海が言うならそうなんだろう。



「そうだね、じゃあそれも買おっか。他に欲しいものとかあるかな?」



「んー、そんなもんでいいんじゃねーの?」



そう言いながら、二海は積まれてあったカゴを1つ手に取った。



あ・・・本当に荷物持ちしてくれるんだ。



てっきり、帰りだけしてくれるのかと思ってたけど。



そんなことを思いながら、メモに書かれているものを次々にカゴに入れていく。



ようやくメモに書かれたものを全て入れることが出来たけど、カゴの中は物で溢れ返っていた。



会計をして袋の中を確認する。



「えっと・・・これで全部だね。買い忘れとかないよね?」



二海に確認をしようと視線をあげると、遠くにある物品コーナーを見つめていた。



二海、もしかして新作のバッシュ気になるのかな?



「新作のバッシュ、見てくれば?」



「!?・・・いいのかよ」



驚いたように私を見たあと、少し遠慮気味に口を開く。



二海の事だ、早く戻らなきゃとか思って遠慮してるんだろう。



「いいよ。私、少し休みたいし。ベンチに座って休憩してるから」



「サンキュー!」



パァっと表情を明るくしながら、シューズコーナー目掛けて入っていく二海。



あんなにキラキラした目で何かをしてる二海、初めて見たな。



そんなことを思いながら、二海を待つために手頃なベンチを探した。



だけど、店内にはめぼしいものはなかった。



外に行くしかないか。



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