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第67話
しおりを挟む予想外な判明があってから、時間はすぎ放課後。
2年生主体になってからも、変わらずに練習が始まった。
残ってくれた茂木先輩が、次はこれやるからなどのアドバイスを受けながら進めていく。
私と由紀はいつもの通りにドリンク作りをしているんだけど・・・。
「なぁ、ドリンクまだ?」
体育館の扉を開け放ち、こっちへ向かってくるのは二海だった。
ほら来た、二海のドリンク催促。
「アンタ・・・ほんとに急かすの好きだね」
作りかけのドリンクを置き、出来たばかりのドリンクを二海に手渡す。
「お、サンキュー──うえ、不味い」
「だから、不味いなら飲まないでって何回も・・・はぁ~・・・」
嬉しそうにしながら口をつけて飲み始める二海。
なのに、恒例行事みたいに不味いと言われてしまう。
毎回のように催促されて不味いって言われる身にもなれってんだ。
「・・・う・・・し・・・か・・・し・・・」
「由紀?」
ボソッと聞こえた由紀の声、だけど聞き取れなくて由紀の名前を呼ぶ。
由紀の表情・・・なんだか・・・怖い?
「・・・嬉しそうな顔、してるなーと思って。いつも不味いって言いながらさ」
「!」
ボトルを作る手を止め、二海の顔を見てはっきりと口にした由紀。
その言葉に、少し目を見開いた二海。
どうしたの・・・由紀、なんか様子が・・・。
「二海くんって、天邪鬼だったりする?」
「・・・いや、そんなことねぇと思うけど」
「ふぅん・・・そっか」
それだけ聞くと、由紀はボトルを作り始めた。
なんだったんだろ・・・今の。
「茉弘、早くドリンク作っちゃお。みんな待ってるから」
「う、うん」
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