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第56話
しおりを挟むテストの返却が終わって、放課後になった。
いつものように着替えて由紀と一緒に部室に行く。
だけど、バスケ部のお手伝いを始めてしばらく経つけど、いつまでお手伝いすればいいのかな?
そんなことを考えながら、道具を持って体育館へと向かう。
中島さんって人の代理だろうから、その人が復帰したら終わりなのかな?
私的にはもう少しやりたい欲はあるんだけど・・・。
「茉弘、前!」
「え?」
考え事をしながら歩いていたせいで前から来る人物に気が付かなかった。
その人とドンッと少し強めにぶつかってしまう。
「ごめんなさい!」
顔を上げて謝ると、そこには二海が立っていた。
私のことを見るなり目を丸くしながら、ぶつかった所をさすっていた。
「・・・またお前かよ。好きだなー、俺に突進してくんの」
「別に好きで突進してるわけじゃないってば」
二海の言葉に少しムッとしながら、荷物を持ち直す。
「イノシシ女のことだから、何も考えずにボーッと歩いてたんだろ?ちゃんと前見て歩けよ」
「失敬な!私だって考え事ぐらいするわよ!」
しかも、考えてたことって部活の事だし。
二海にとってもめっちゃ大事なところって訳じゃないにしろ、多少なりは関係ある事じゃん?
「脳ミソすっからかんのやつが考え事しても意味ないと思いますけど~?」
「中間テストで同じ点数だった人にいわれたくないんですけど!」
私が脳ミソすっからかんっていうなら、同じ順位のアンタも同類ってことになる。
私をディスってるつもりが自分にも火の粉が飛び散ってることに気がついてないのか、二海のヤツ。
「・・・言い合いするのもいいけど、そろそろ行かないと茂木さんに怒られちゃうよ?」
由紀が私と二海の間に入り、体育館へ行こうと急かす。
少し表情が暗いような気がするのは私の気のせいかな?
「やば・・・準備もあるし早く行かなきゃ」
「それもそうだな。こーんなやつの相手してる場合じゃなかった」
「誰がこんなヤツよ!」
歩き出す二海を追いかけるようにして、私も体育館へと急ぐ。
その間も、前を歩く二海が私に対して嫌味を言ってくる。
それに対抗しているうちに体育館へとついた。
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