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第55話
しおりを挟む中間テストがあると聞いてから1週間、私は苦手な文系を中心に必死に勉強した。
理系は点数良くても文系がグダグダで負けました、なんて格好がつかないからね。
そしてテスト当日・・・4日間にわたりテストを受けた。
その結果が今日、返却される。
「よぉ、あほ面。出来栄えはどうだい?」
机に座ると、余裕そうな二海が自分の席で頬杖をつきながら声をかけてくる。
余裕ぶっていられるのも今のうち、目に物見せてやるんだから。
「ええ、そりゃもう」
二海の問いに自信満々に答える。
本当は文系はあまり解けなかったんだけど・・・文系は平均点取れればいい。
問題は、得意な理系をどこまで伸ばせるかだ。
「その自信、肩透かしにならないといいけどな」
「なるわけないでしょ!」
「お前らー、席つけよ。テスト返して行くぞー」
言い合いをしている最中に、先生が中間テストの成績表を持って中に入ってきた。
言い合いは中断せざるを得なくて、私は二海を横目で睨みつけたあと前を向いた。
「名前呼ばれたら取りに来い。青木ー」
次々に名前を呼ばれ、テストを受け取る皆。
そろそろ私の名前が呼ばれる番だけどどうなってるだろう・・・。
「次、辻本ー」
「あ、はい」
名前を呼ばれて先生の元へ成績表取りに行く。
「まぁ、がんばったんじゃないか?」
そんなことを言われながら差し出された成績表、それを受け取り席に戻りながら見る。
理系が80点越え、苦手な文系も50点は超えていた。
順位は38位、まぁまぁいいほうだろう。
「よしっ」
ガッツポーズを取りながら、席に座り二海の方を見る。
「さっ。次はアンタの番だよ、さっさと貰ってきな」
二海を促すとすぐに先生の元へと成績表を取りに行く。
先生から成績表を受け取り目を通し、自分の席へと戻ってきた。
「せーので同時に見せるからね」
「へいへい、せいぜい程度の低さに笑ってやるよ」
「っ・・・!せーのっ!!」
二海の言葉に腹を立てつつ、私は二海に、二海は私に成績表をせーので見せた。
「・・・あれ?」
「・・・は?」
これ、二海の・・・だよね?
順位・・・私と同じ38位なんだけど。
ってことはつまり・・・同点!?
「真似しないでよ!!」
「真似すんな!!」
私と二海が同じタイミングで同じ言葉を息ぴったりに言う。
二海は文系が、私は理系が点数が高かったようだ。
「つーか、これじゃ勝負になんねーじゃねーか!」
「仕方ないでしょ、点数同じだったんだから」
偶然にも二海と同じ点数で優劣はつけられない。
今回の勝負はお預けかな。
「いや、文系は俺が勝ってるから俺の勝ちな」
「それ言ったら理系は私が勝ってるから私の勝ちじゃん」
不毛な言い合いが続き、どっちが勝ったかとお互いが言い合う。
だけど同じ順位なのは変わらない。
結局、期末まで勝負はお預けになった。
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