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第18話
しおりを挟むボトルを作り終わって体育館の中へ作ったボトルを持って戻ってみると、もう既に休憩に入っているようでベンチに腰掛けていたり、床に座っていたりしていた。
「あ、二人とも。ボトル出来た?」
「はい、出来ました!茂木さん、遅くなっちゃってごめんなさい」
「ううん、作ってくれるだけで助かるよ。ありがとね、由紀ちゃん。茉弘ちゃんも、ありがとね」
茂木先輩は頬を伝う汗をタオルで拭きながら、戻った私たちに満面の笑みを浮かべ、労いの言葉を掛けてくる。
「まぁ、手伝いに来てるんで・・・当たり前の事をしただけですよ」
たかがボトルを作っただけだと言うのに茂木先輩に褒められて少し気恥ずかしくなる。
ほんと、褒めて伸ばすスタイルは相変わらずなんだな。
誰でもできて当たり前な事でも、この人は物凄く凄いことを達成したみたいに褒めてくるからちょっと調子が狂う。
褒められるのは嬉しいんだけど・・・ちょっと複雑だ。
ボトルを手にしてごくごくと喉を鳴らしながらドリンクを飲む茂木先輩を見ながらそんなことを考える。
「よぅし、あと2分休んだら練習再開すんぞ~!」
やる気満々に汗を拭いたタオルとボトルをベンチに置き、部員達へ声をかける。
声をかけられた部員達は、ボトルを飲みながらはい!と返事をした。
そんな中、二海は貰ったボトルには一切手をつけずにベンチへ置き、顔や首にかいた汗をタオルで拭き取っていた。
「・・・ちゃんと言えばいいのに・・・」
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