18 / 170
第18話
しおりを挟むボトルを作り終わって体育館の中へ作ったボトルを持って戻ってみると、もう既に休憩に入っているようでベンチに腰掛けていたり、床に座っていたりしていた。
「あ、二人とも。ボトル出来た?」
「はい、出来ました!茂木さん、遅くなっちゃってごめんなさい」
「ううん、作ってくれるだけで助かるよ。ありがとね、由紀ちゃん。茉弘ちゃんも、ありがとね」
茂木先輩は頬を伝う汗をタオルで拭きながら、戻った私たちに満面の笑みを浮かべ、労いの言葉を掛けてくる。
「まぁ、手伝いに来てるんで・・・当たり前の事をしただけですよ」
たかがボトルを作っただけだと言うのに茂木先輩に褒められて少し気恥ずかしくなる。
ほんと、褒めて伸ばすスタイルは相変わらずなんだな。
誰でもできて当たり前な事でも、この人は物凄く凄いことを達成したみたいに褒めてくるからちょっと調子が狂う。
褒められるのは嬉しいんだけど・・・ちょっと複雑だ。
ボトルを手にしてごくごくと喉を鳴らしながらドリンクを飲む茂木先輩を見ながらそんなことを考える。
「よぅし、あと2分休んだら練習再開すんぞ~!」
やる気満々に汗を拭いたタオルとボトルをベンチに置き、部員達へ声をかける。
声をかけられた部員達は、ボトルを飲みながらはい!と返事をした。
そんな中、二海は貰ったボトルには一切手をつけずにベンチへ置き、顔や首にかいた汗をタオルで拭き取っていた。
「・・・ちゃんと言えばいいのに・・・」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
私たち、博麗学園おしがまクラブ(非公認)です! 〜特大膀胱JKたちのおしがま記録〜
赤髪命
青春
街のはずれ、最寄り駅からも少し離れたところにある私立高校、博麗学園。そのある新入生のクラスのお嬢様・高橋玲菜、清楚で真面目・内海栞、人懐っこいギャル・宮内愛海の3人には、膀胱が同年代の女子に比べて非常に大きいという特徴があった。
これは、そんな学校で普段はトイレにほとんど行かない彼女たちの爆尿おしがまの記録。
友情あり、恋愛あり、おしがまあり、そしておもらしもあり!? そんなおしがまクラブのドタバタ青春小説!
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる