破壊令嬢アヌリウム~伝説の竜と契約した奴隷少女は、己を追放した世界に復讐する~

改変後の本伝はこちらです!→https://www.alphapolis.co.jp/novel/804481443/431455350


 ――最強の竜魔法を使う少女は、血染めの破壊令嬢となって帝国に叛逆する!


 二九六番。

 それが、少女の名前だった。

 帝国の大地下都市、その最深部でボロ雑巾のように扱われていた少女は、やがて瀕死となって処分が決定される。

 そんな折、突如、少女は草花が広がる楽園のような場所に誘われる。

 そこで、一匹の老いた竜と出会う。白く彩られた美しい竜は、少女に問うた。

『――お主は、死にたいと思っておるのか?』

 自分を取り巻く感情の意味が分からない少女は、しかし竜が紡いだ言葉を聞き、自分が恐怖に涙していることを知る。そして、竜は少女に言う。

『お主は、お主の願いを見つければよい。望まずして死ぬというのなら、せめてお主が望むかたちで死んでほしい。……それが、儂の願いじゃ』

 己の願いが分からない少女は、竜に願われて力を授かる。

 ――龍の巫女、十七代目の継承者。神聖種族が一種、『聖天竜』より授かりし竜魔法。

 この世で身分を分ける唯一の手段――魔法。少女はいつしか剥奪された名前を呼ばれ、戦う術を持ち、死の際から返り咲く。

 そうして、奴隷の叛逆が始まる。
 
 やがて、地下都市に蔓延る強大な敵の数々を倒し、少女は地上に這い上がる。その先で、少女はフォーツェルトの家名を持つ男勝りな美女剣士――セチアと出会う。

 これが、運命の出会いとなった。公爵令嬢の立場を嫌うセチアに匿われることとなった少女は、その見返りとしてセチアの代わりに公爵令嬢の役割を任じられた。それもまた、国家に叛逆するために重要な手札となる。

 同時に、セチアは語る。

「――この屋敷の仲間と、そしてお前と共に、私はこの力が全てだっていう血みどろな世界を変えてやるのさ」

 
 これは、一人の奴隷少女が莫大な力を授かり、一人の令嬢と出会って始まる叛逆の物語。

 少女の名は、アヌリウム。

 竜の巫女であり、破壊令嬢こと――アヌリウム・フォーツェルト。
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