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代赭
0.35 ただ真っ直ぐに
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「……とはいえ、シュンや僕らが発見したとき、既に丹はごく微量で、いわゆる “残痕” だった」
「そうだね」
琉央の言葉に僕も頷く。
「そしてその “残痕” は、共通して擦り付けたような “擦過痕” として残されていた。しかも、全て同じ方向に向かって」
琉央はそう言って、出現ポイントにそれぞれ該当する残痕の写真を照らし合わせた地図をタブレットの画面に表示させた。睦先生が「おぉ」と感心した声を上げる。
「よくもこんなに集めたな」
「206箇所あります。入力は魁が全てやってくれた。擦過痕の法則性を見つけたのも魁だ」
「はいはい」結姫が呟いたけれど、僕は口元を緩めただけで今度は何も言わなかった。
「この擦り付けられた方向を直線上に延長させると、同じ箇所に収束する」
琉央は結姫の言葉を無視してそう続け、タブレットの地図上に指で何本か線を描く。そしてその線が琉央の言うように、ある一箇所へ集中する。
「あの都市公園か」睦先生が言った。
「はい」琉央が答える。
「つまり、この方向に丹が移動した際にこの跡が生じたのではないか、と仮説を立てることができる。すなわち、周辺に散らばっていた丹が何かのきっかけでその都市公園に集合したのではないかとも考え得る。
人為的に、何者かがここまでカイカイさんを連れて来た、という事も考えられますが、直前までその存在を察知出来ない、と言うのは、魁の能力を持ってしてあり得ない。
直前まで魁と僕がコイツを察知できなかった理由も、集合した、と仮定すれば道理が通ります」
「何かのきっかけね」結姫は言って考え込むように下を向く。
「だが……もし傳の言う通りだとして、脳や神経系までバラバラにされた死体が再び一個体として再生したということになると、少々無理があるように思うが、どうだろう。
確かに、“三形” 以上の個体に、他の死体やその一部、または丹同士が結合する事象は数多報告があるが……肉片、いわゆるクズ同士の合体の末カイカイさんのように高度な細胞構造を持つ個体が発生するというのは聞いたことがない。
合体するには、神経系が大方保持された個体、所謂依代が必要である、と言うのが今までの定説だ。
もちろん、和泉の能力を否定する訳では無いが、察知出来なかった理由が別にあったと考える事も忘れないほうがいい。
それにどうやって呼び寄せる。その方法もピンとこないな」
睦先生の言葉に僕も考え込む。確かに無理があるように思える。
僕は見回ったときの光景を思い返す。
残痕を無害化した時、微かな聲も感じなかったはずだ。
だからそもそも、全ての残痕が同一の聲を持つ丹のものなのかすら、まるで分からなかった。
「呼び寄せる……集める方法なら思い当たる節があります」結姫が腕を組みながら言った。
「でも……やはり少々無理があるかも……」
「なんだ? 言ってみな」睦先生が促す。
「現在、第六研究室で新たな理論が解明されたという眉唾な話がありますよね」
結姫の言葉に「あぁ」と睦先生が眉間に皺を寄せる。
「何の話です?」
僕が首を傾げると睦先生は少し迷いながら「うむ、」と呟いた。
「正式な論文が来てからお前たちには伝えようと思っていたんだが……。これが、クサイうえに、現実味もない。それにお前たちの耳には、まだ入れるなという話なんだよ。西藤少佐殿がな……」
「西藤少佐が……」僕は呟いて考え込む。
西藤少佐は僕と同じ階級の防衛士官だ。
彼が少佐に昇進したのは、ちょうど僕が少佐に昇進したのと同じタイミングで、ポストが一つしかなかったはずの少佐の席に、彼と僕が充てがわれた。
お上の考えはよく分かる。彼は僕の存在を隠すための “表向きの少佐” なのだ。
“この世に存在しない少佐” である僕が行なった功績や粗相は、表向きでは全て彼のものとして処理される。それに、僕のことを省いて考えれば彼は30代前半で少佐になった、いわゆるエリートだ。
表向き最年少の少佐という事になるけれど、実際は僕の方が年下だ。だからと言って僕がエリートという訳では全く無いけれど。それだから、そのことが拍車を掛けて、なおさら僕のことを煙たがるのも当然のように思える。
「なんだ、シュンの商売敵か」
「商売をしているつもりはないんだけれどね」
琉央の言葉に僕はため息を吐く。僕の辟易とした様子を見たからか、今度は結姫が頬を膨らまる。
「私怨ですが、私は彼が好きではありません。ですので、口頭で『警衛委員の連中には内密にしろ』と感情的に言われても、命令文書がなければ口が滑ってしまいます。それに “まだ” と少佐はおっしゃいましたので。いつか開示される情報を前もって開示することは大きな問題にはならないと私は思います」
「おうおう、好戦的だな結姫先生」
「当然です。委員長の悪口は大罪です」
大罪とは、面白いことを言うな。存在しない機密組織に対して大罪もなにも無いだろうけれど。
僕は「へぇ」と呟きながら、わざと悪い顔で結姫の顔を覗き込む。
「どんな悪口?」
尋ねると、結姫は悔しそうな顔で口を尖らせた。
「“死神” ですって」
「あははは、“死神” ね」
僕は思わず声を出して笑った。
確かに、僕は “死神” と呼ばれている。ちょうど零樹が死んだすぐ後くらいからだ。
ワーカーホリック気味な僕の行動を、防衛士官や親しくない研究員が不気味がってそう言うようになったらしい。確かに。丹電子障害になった人間を屠ほふる僕は “死神” としてあながち間違いじゃない。
「私はそんな事、少しも思った事ないのに」
そう言って結姫が悲しそうな顔をする。
「ふふっ、ありがとう結姫。でも二つ名があるってちょっとかっこいいじゃない。それに、貧乏神よりマシだよ」
僕が微笑むと、彼女は眉間に皺を寄せて「もう」と呟いた。
「それで、その僕らに内密にすべき事項について口を滑らせてくれるんじゃないの?」
僕が言うと結姫はすぐに真剣な顔に戻って「はい」と前を向いた。
「昨日です。西藤少佐から第二研究室以外の各研究室主任に呼び出しが掛かりました。そこで、第六研究室にて同調能力のある人間の能力を極限まで拡張する原理が解明された、という話があがりました」
「僕抜きで?」
琉央が怪訝そうに尋ねる。
「そう。第二研究室主任のあなた抜きで」
結姫は答えて小さく息を吐いた。
「この理論が正しければ、丹の所在を一気に洗い出し、一箇所におびき出すことが可能となるそうです。同調能力のある人間、一人を犠牲にして」
「そうだね」
琉央の言葉に僕も頷く。
「そしてその “残痕” は、共通して擦り付けたような “擦過痕” として残されていた。しかも、全て同じ方向に向かって」
琉央はそう言って、出現ポイントにそれぞれ該当する残痕の写真を照らし合わせた地図をタブレットの画面に表示させた。睦先生が「おぉ」と感心した声を上げる。
「よくもこんなに集めたな」
「206箇所あります。入力は魁が全てやってくれた。擦過痕の法則性を見つけたのも魁だ」
「はいはい」結姫が呟いたけれど、僕は口元を緩めただけで今度は何も言わなかった。
「この擦り付けられた方向を直線上に延長させると、同じ箇所に収束する」
琉央は結姫の言葉を無視してそう続け、タブレットの地図上に指で何本か線を描く。そしてその線が琉央の言うように、ある一箇所へ集中する。
「あの都市公園か」睦先生が言った。
「はい」琉央が答える。
「つまり、この方向に丹が移動した際にこの跡が生じたのではないか、と仮説を立てることができる。すなわち、周辺に散らばっていた丹が何かのきっかけでその都市公園に集合したのではないかとも考え得る。
人為的に、何者かがここまでカイカイさんを連れて来た、という事も考えられますが、直前までその存在を察知出来ない、と言うのは、魁の能力を持ってしてあり得ない。
直前まで魁と僕がコイツを察知できなかった理由も、集合した、と仮定すれば道理が通ります」
「何かのきっかけね」結姫は言って考え込むように下を向く。
「だが……もし傳の言う通りだとして、脳や神経系までバラバラにされた死体が再び一個体として再生したということになると、少々無理があるように思うが、どうだろう。
確かに、“三形” 以上の個体に、他の死体やその一部、または丹同士が結合する事象は数多報告があるが……肉片、いわゆるクズ同士の合体の末カイカイさんのように高度な細胞構造を持つ個体が発生するというのは聞いたことがない。
合体するには、神経系が大方保持された個体、所謂依代が必要である、と言うのが今までの定説だ。
もちろん、和泉の能力を否定する訳では無いが、察知出来なかった理由が別にあったと考える事も忘れないほうがいい。
それにどうやって呼び寄せる。その方法もピンとこないな」
睦先生の言葉に僕も考え込む。確かに無理があるように思える。
僕は見回ったときの光景を思い返す。
残痕を無害化した時、微かな聲も感じなかったはずだ。
だからそもそも、全ての残痕が同一の聲を持つ丹のものなのかすら、まるで分からなかった。
「呼び寄せる……集める方法なら思い当たる節があります」結姫が腕を組みながら言った。
「でも……やはり少々無理があるかも……」
「なんだ? 言ってみな」睦先生が促す。
「現在、第六研究室で新たな理論が解明されたという眉唾な話がありますよね」
結姫の言葉に「あぁ」と睦先生が眉間に皺を寄せる。
「何の話です?」
僕が首を傾げると睦先生は少し迷いながら「うむ、」と呟いた。
「正式な論文が来てからお前たちには伝えようと思っていたんだが……。これが、クサイうえに、現実味もない。それにお前たちの耳には、まだ入れるなという話なんだよ。西藤少佐殿がな……」
「西藤少佐が……」僕は呟いて考え込む。
西藤少佐は僕と同じ階級の防衛士官だ。
彼が少佐に昇進したのは、ちょうど僕が少佐に昇進したのと同じタイミングで、ポストが一つしかなかったはずの少佐の席に、彼と僕が充てがわれた。
お上の考えはよく分かる。彼は僕の存在を隠すための “表向きの少佐” なのだ。
“この世に存在しない少佐” である僕が行なった功績や粗相は、表向きでは全て彼のものとして処理される。それに、僕のことを省いて考えれば彼は30代前半で少佐になった、いわゆるエリートだ。
表向き最年少の少佐という事になるけれど、実際は僕の方が年下だ。だからと言って僕がエリートという訳では全く無いけれど。それだから、そのことが拍車を掛けて、なおさら僕のことを煙たがるのも当然のように思える。
「なんだ、シュンの商売敵か」
「商売をしているつもりはないんだけれどね」
琉央の言葉に僕はため息を吐く。僕の辟易とした様子を見たからか、今度は結姫が頬を膨らまる。
「私怨ですが、私は彼が好きではありません。ですので、口頭で『警衛委員の連中には内密にしろ』と感情的に言われても、命令文書がなければ口が滑ってしまいます。それに “まだ” と少佐はおっしゃいましたので。いつか開示される情報を前もって開示することは大きな問題にはならないと私は思います」
「おうおう、好戦的だな結姫先生」
「当然です。委員長の悪口は大罪です」
大罪とは、面白いことを言うな。存在しない機密組織に対して大罪もなにも無いだろうけれど。
僕は「へぇ」と呟きながら、わざと悪い顔で結姫の顔を覗き込む。
「どんな悪口?」
尋ねると、結姫は悔しそうな顔で口を尖らせた。
「“死神” ですって」
「あははは、“死神” ね」
僕は思わず声を出して笑った。
確かに、僕は “死神” と呼ばれている。ちょうど零樹が死んだすぐ後くらいからだ。
ワーカーホリック気味な僕の行動を、防衛士官や親しくない研究員が不気味がってそう言うようになったらしい。確かに。丹電子障害になった人間を屠ほふる僕は “死神” としてあながち間違いじゃない。
「私はそんな事、少しも思った事ないのに」
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