43 / 107
露命
0.00 【'46年 新入委員 診断報告書】特甲機密文書
しおりを挟む
整理番号:N-00243
区分:特甲機密
作成日:'46年8月10日
表題の件につき、下記の通り報告する。
I. 診察者
国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 研究棟第四部隊(第四研究室)
卯ノ花結姫 隊長(主任研究員)
II. 診断日時
'46年8月8日
III. 対象者 全1名
1. 国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 丹電子障害警衛委員会
委員
暁星一也
IV. 対象共鳴者 全3名
1. 特定共鳴者
国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 丹電子障害警衛委員会
委員長(国家防衛隊 少佐 兼務)
瀧源シュン
2. 同
副委員長(研究棟第二部隊 主任研究員 兼務)
傳琉央
3. 同
主任
和泉魁
V. 診察結果
暁星一也 満18歳 '46年5月17日入会
('28/6/6生 176.3cm 58.1kg 1.5/1.5)
遺伝子検査結果
甲-白:0.00
甲-紫:0.23 **
乙-赤:0.00
乙-黒:0.75 ******
無-無:0.02*
【単独】
共鳴 深度:---
同調 速度:502 m/s
深度:0.14/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 強
【共鳴者:瀧源シュン(特定共鳴者)】
共鳴 深度:0.32/1.00
同調 速度:812 m/s
深度:0.82/1.00
侵食:0.02-0.10(Level 1)
解離 強度:0.90/1.00 強
【共鳴者:傳琉央 】
共鳴 深度:0.10/1.00
同調 速度:793 m/s
深度:0.10/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 最
【共鳴者:和泉魁】
共鳴 深度:0.46/1.00
同調 速度:362 m/s
深度:0.73/1.00
侵食:0.13-0.21(Level 2)
解離 強度:0.42/1.00 中
VI. 共鳴者参考数値
1. 特定共鳴者
測定日:'46年4月7日
瀧源シュン 満25歳
('20/12/25生 170.6cm 63.2kg 1.5/---)
遺伝子検査結果
甲-白:0.65*****
甲-紫:0.00
乙-赤:0.15**
乙-黒:0.00
無-無:0.20**
【単独】
同調 速度:1432 m/s
深度:1.15/1.00
侵食:0.32-0.44(Level 3)危
解離 強度:0.24/1.00 弱
【共鳴者:傳琉央 (旧暫定特定共鳴者)】
共鳴 深度:0.68/1.00
同調 速度:2049 m/s
深度:0.87/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:0.72/1.00 高
【共鳴者:和泉魁】
共鳴 深度:0.22/1.00
同調 速度:622 m/s
深度:3.33/1.00 ※危険水準を超えているため実数値は1.20
侵食:0.59-0.67(Level 5)危
解離 強度:0.08/1.00 危
2-A. 他委員参考数値
測定日:'46年4月7日
【傳 - 和泉】共鳴時
共鳴 深度:1.20/1.00(測定不可)
同調 速度:1803 m/s
深度:2.42/1.00 ※危険水準を超えているため実数値は1.20
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 最
2-B. 前任共鳴参考数値
測定日:'43年12月10日
【東雲-瀧源】共鳴時参考数値
共鳴 深度:0.89/1.00
同調 速度:2004 m/s
深度:1.00/1.00
侵食:0.00-0.02(Level 0)
解離 強度:0.90/1.00 強
VII. 所感
上層部の人間がこれを読んでいるように思えないが。念の為、報告したぞ、という意思表示のためにここに所感を記載する。文句があるなら卯ノ花結姫まで意見願う。
今回は、今年度入会した【暁星一也 1名】について同調・共鳴能力に関する診察を行った。
■ 共鳴遺伝子型
前委員長、東雲零樹に酷似した遺伝子型である。従って、彼が殉職するまで特定共鳴者(以下、特鳴)であった瀧源シュン(以下、瀧源)の特鳴として研究棟第二部隊が定めたのも正しい判断と思われる。
下記、過去一度も私の報告書を読んだことのない上官皆様のために概要を懇切丁寧に書いて差し上げよう。
* 遺伝子型「甲」
※遺伝子型「甲」は、同調・共鳴能力がある人間が必ず所持する遺伝子要素である。
※丹に対する同調アプローチに影響を与える遺伝子型であり、「白」「紫」が存在し、同調・共鳴能力のある人間はどちらか一方を所持している。
両方の遺伝子を持つと相殺され、遺伝子型として発現しない。この遺伝子を持つ者(「白」「紫」どちらかを持つ者)同士のみ「共鳴」を行うことが可能となる。共鳴するにあたり所持する色は問われないが、違う色同士で共鳴すると最大限に力を発揮できるようだ。特鳴に指定される者同士では、基本的にお互いに違う遺伝子型を持つことが必須事項として挙げられる。
暁星一也(以下、暁星)には「紫」の遺伝子の発現を確認した。「紫」は同調速度が基準値を大きく下回る(基準平均値:500 m/s)ことが多いが、暁星の場合、502 m/sとそこまで悪い数字ではなかった。入会から3ヶ月にしてここまでの速度があるのは極めて優秀だと言えるだろう。(努力の結果だな。えらいぞ一也君)
速度が基準値以下の場合「丹」との距離が遠い(500m以上離れた)場合に同調が不安定となることが多いが、彼の場合それも然程気にならないだろう。
* 遺伝子型「乙」
※遺伝子型「乙」は遺伝子型は丹との同調・共鳴深度に強い影響を与えるものであるが、能力を決定付けるものではない。
※「赤」「黒」が存在し、両方の遺伝子を持つと相殺されるようだ。(遺伝子型「甲」と同様である)
※特鳴に指定される者同士では、基本的にお互いに違う遺伝子型を持つことが必須事項として挙げられる。(同上)
※この遺伝子を持たずして同調・共鳴能力がある人間も理論上存在する。(委員をスカウトしている輩から情報が降りてこないのでこの理論が正しいのか確かめる術はない。情報の開示を要求する)
暁星には「黒」の遺伝子の発現を確認した。「黒」の遺伝子を持つ者の特徴の例に漏れず、同調深度は0.14ptと低い。同調速度は502 m/sと基準値を満たしているが、この深度では単独任務に向いているとは言いにくい。
ただし、 丹侵食率(これは丹に侵食される危険度を示したものだが)は0.00である。共鳴を行わず単独でこの数字は異例と言えるだろう。さらに、解離強度は1.00(つまり100%)と最高強度を記録している。あくまで研究室内で再現できる環境下での結果だが、同調した丹にほぼ飲み込まれることなく、安定した環境下では解離(離脱)を失敗する事がない。
丹侵食率の低さ、および解離強度も「黒」の遺伝子の特徴ではあるが、数字が特出しているのは間違いない。稀有な能力が彼には備わっていると言えるだろう。
■ 特定共鳴者との共鳴
※まず、共鳴を行う際に重要な項目の一つが「信頼」である。診断では計り知れないこの心的項目について、これを読む上官の皆々様に理解があることを切に祈る。
暁星と瀧源の共鳴深度は0.32ptであり、特鳴としては低い数値である。これは暁星の能力不足というよりも瀧源との「信頼」やお互いの「理解」が不足している結果だと考える。参考として「乙-赤」の遺伝子を持つ和泉魁を暁星の共鳴者とした時の数値は0.46ptであり、特鳴でなく、3ヶ月前に会ったばかりの相手としては然程悪い数字ではない。
(傳は同じ共鳴に向かない「乙-黒」の遺伝子を持つので、相性がそもそもいいとは言えないだろう)
ただし、共鳴深度が低いにも関わらず、同調侵食・解離強度の数値は著しく良い。瀧源の単独同調時の数値が非常に危険な値であることを考えると、暁星の能力の高さに驚くばかりである。
■ 他
今後、特鳴との共鳴訓練を強化する事で、共鳴深度を高める事は十分に可能だと考える。また特鳴者である瀧源と、より多くの時間をかけてお互いに今以上の信頼関係を築いていく事が、暁星にとって目下一番の課題だろう。
共鳴深度が上がれば、瀧源と前特鳴者東雲零樹の共鳴に匹敵する、あるいは凌駕する能力の高さを発揮できるはずである。
以上
区分:特甲機密
作成日:'46年8月10日
表題の件につき、下記の通り報告する。
I. 診察者
国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 研究棟第四部隊(第四研究室)
卯ノ花結姫 隊長(主任研究員)
II. 診断日時
'46年8月8日
III. 対象者 全1名
1. 国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 丹電子障害警衛委員会
委員
暁星一也
IV. 対象共鳴者 全3名
1. 特定共鳴者
国家防衛隊翼下 国家緊急対策委員会 丹電子障害警衛委員会
委員長(国家防衛隊 少佐 兼務)
瀧源シュン
2. 同
副委員長(研究棟第二部隊 主任研究員 兼務)
傳琉央
3. 同
主任
和泉魁
V. 診察結果
暁星一也 満18歳 '46年5月17日入会
('28/6/6生 176.3cm 58.1kg 1.5/1.5)
遺伝子検査結果
甲-白:0.00
甲-紫:0.23 **
乙-赤:0.00
乙-黒:0.75 ******
無-無:0.02*
【単独】
共鳴 深度:---
同調 速度:502 m/s
深度:0.14/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 強
【共鳴者:瀧源シュン(特定共鳴者)】
共鳴 深度:0.32/1.00
同調 速度:812 m/s
深度:0.82/1.00
侵食:0.02-0.10(Level 1)
解離 強度:0.90/1.00 強
【共鳴者:傳琉央 】
共鳴 深度:0.10/1.00
同調 速度:793 m/s
深度:0.10/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 最
【共鳴者:和泉魁】
共鳴 深度:0.46/1.00
同調 速度:362 m/s
深度:0.73/1.00
侵食:0.13-0.21(Level 2)
解離 強度:0.42/1.00 中
VI. 共鳴者参考数値
1. 特定共鳴者
測定日:'46年4月7日
瀧源シュン 満25歳
('20/12/25生 170.6cm 63.2kg 1.5/---)
遺伝子検査結果
甲-白:0.65*****
甲-紫:0.00
乙-赤:0.15**
乙-黒:0.00
無-無:0.20**
【単独】
同調 速度:1432 m/s
深度:1.15/1.00
侵食:0.32-0.44(Level 3)危
解離 強度:0.24/1.00 弱
【共鳴者:傳琉央 (旧暫定特定共鳴者)】
共鳴 深度:0.68/1.00
同調 速度:2049 m/s
深度:0.87/1.00
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:0.72/1.00 高
【共鳴者:和泉魁】
共鳴 深度:0.22/1.00
同調 速度:622 m/s
深度:3.33/1.00 ※危険水準を超えているため実数値は1.20
侵食:0.59-0.67(Level 5)危
解離 強度:0.08/1.00 危
2-A. 他委員参考数値
測定日:'46年4月7日
【傳 - 和泉】共鳴時
共鳴 深度:1.20/1.00(測定不可)
同調 速度:1803 m/s
深度:2.42/1.00 ※危険水準を超えているため実数値は1.20
侵食:0.00-0.00(Level 0)
解離 強度:1.00/1.00 最
2-B. 前任共鳴参考数値
測定日:'43年12月10日
【東雲-瀧源】共鳴時参考数値
共鳴 深度:0.89/1.00
同調 速度:2004 m/s
深度:1.00/1.00
侵食:0.00-0.02(Level 0)
解離 強度:0.90/1.00 強
VII. 所感
上層部の人間がこれを読んでいるように思えないが。念の為、報告したぞ、という意思表示のためにここに所感を記載する。文句があるなら卯ノ花結姫まで意見願う。
今回は、今年度入会した【暁星一也 1名】について同調・共鳴能力に関する診察を行った。
■ 共鳴遺伝子型
前委員長、東雲零樹に酷似した遺伝子型である。従って、彼が殉職するまで特定共鳴者(以下、特鳴)であった瀧源シュン(以下、瀧源)の特鳴として研究棟第二部隊が定めたのも正しい判断と思われる。
下記、過去一度も私の報告書を読んだことのない上官皆様のために概要を懇切丁寧に書いて差し上げよう。
* 遺伝子型「甲」
※遺伝子型「甲」は、同調・共鳴能力がある人間が必ず所持する遺伝子要素である。
※丹に対する同調アプローチに影響を与える遺伝子型であり、「白」「紫」が存在し、同調・共鳴能力のある人間はどちらか一方を所持している。
両方の遺伝子を持つと相殺され、遺伝子型として発現しない。この遺伝子を持つ者(「白」「紫」どちらかを持つ者)同士のみ「共鳴」を行うことが可能となる。共鳴するにあたり所持する色は問われないが、違う色同士で共鳴すると最大限に力を発揮できるようだ。特鳴に指定される者同士では、基本的にお互いに違う遺伝子型を持つことが必須事項として挙げられる。
暁星一也(以下、暁星)には「紫」の遺伝子の発現を確認した。「紫」は同調速度が基準値を大きく下回る(基準平均値:500 m/s)ことが多いが、暁星の場合、502 m/sとそこまで悪い数字ではなかった。入会から3ヶ月にしてここまでの速度があるのは極めて優秀だと言えるだろう。(努力の結果だな。えらいぞ一也君)
速度が基準値以下の場合「丹」との距離が遠い(500m以上離れた)場合に同調が不安定となることが多いが、彼の場合それも然程気にならないだろう。
* 遺伝子型「乙」
※遺伝子型「乙」は遺伝子型は丹との同調・共鳴深度に強い影響を与えるものであるが、能力を決定付けるものではない。
※「赤」「黒」が存在し、両方の遺伝子を持つと相殺されるようだ。(遺伝子型「甲」と同様である)
※特鳴に指定される者同士では、基本的にお互いに違う遺伝子型を持つことが必須事項として挙げられる。(同上)
※この遺伝子を持たずして同調・共鳴能力がある人間も理論上存在する。(委員をスカウトしている輩から情報が降りてこないのでこの理論が正しいのか確かめる術はない。情報の開示を要求する)
暁星には「黒」の遺伝子の発現を確認した。「黒」の遺伝子を持つ者の特徴の例に漏れず、同調深度は0.14ptと低い。同調速度は502 m/sと基準値を満たしているが、この深度では単独任務に向いているとは言いにくい。
ただし、 丹侵食率(これは丹に侵食される危険度を示したものだが)は0.00である。共鳴を行わず単独でこの数字は異例と言えるだろう。さらに、解離強度は1.00(つまり100%)と最高強度を記録している。あくまで研究室内で再現できる環境下での結果だが、同調した丹にほぼ飲み込まれることなく、安定した環境下では解離(離脱)を失敗する事がない。
丹侵食率の低さ、および解離強度も「黒」の遺伝子の特徴ではあるが、数字が特出しているのは間違いない。稀有な能力が彼には備わっていると言えるだろう。
■ 特定共鳴者との共鳴
※まず、共鳴を行う際に重要な項目の一つが「信頼」である。診断では計り知れないこの心的項目について、これを読む上官の皆々様に理解があることを切に祈る。
暁星と瀧源の共鳴深度は0.32ptであり、特鳴としては低い数値である。これは暁星の能力不足というよりも瀧源との「信頼」やお互いの「理解」が不足している結果だと考える。参考として「乙-赤」の遺伝子を持つ和泉魁を暁星の共鳴者とした時の数値は0.46ptであり、特鳴でなく、3ヶ月前に会ったばかりの相手としては然程悪い数字ではない。
(傳は同じ共鳴に向かない「乙-黒」の遺伝子を持つので、相性がそもそもいいとは言えないだろう)
ただし、共鳴深度が低いにも関わらず、同調侵食・解離強度の数値は著しく良い。瀧源の単独同調時の数値が非常に危険な値であることを考えると、暁星の能力の高さに驚くばかりである。
■ 他
今後、特鳴との共鳴訓練を強化する事で、共鳴深度を高める事は十分に可能だと考える。また特鳴者である瀧源と、より多くの時間をかけてお互いに今以上の信頼関係を築いていく事が、暁星にとって目下一番の課題だろう。
共鳴深度が上がれば、瀧源と前特鳴者東雲零樹の共鳴に匹敵する、あるいは凌駕する能力の高さを発揮できるはずである。
以上
0
▶︎ TSUKINAMI project【公式HP】
▶︎ キャラクター設定
★ X(旧Twitter)|TSUKINAMI project【公式HP】
<キャラによる占いも好評公開中!>
▶︎ キャラが今日の運勢を占ってくれる!
★ X(旧Twitter)|Cafe Dawn【仮想空間占いカフェ】
====================
TSUKINAMI project とは
アートディレクターの赤月瀾が
オリジナルキャラクターで
いろんなことをするコンテンツ。
====================
▶︎ キャラクター設定
★ X(旧Twitter)|TSUKINAMI project【公式HP】
<キャラによる占いも好評公開中!>
▶︎ キャラが今日の運勢を占ってくれる!
★ X(旧Twitter)|Cafe Dawn【仮想空間占いカフェ】
====================
TSUKINAMI project とは
アートディレクターの赤月瀾が
オリジナルキャラクターで
いろんなことをするコンテンツ。
====================
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。

扉の向こうは黒い影
小野 夜
ホラー
古い校舎の3階、突き当たりの隅にある扉。それは「開かずの扉」と呼ばれ、生徒たちの間で恐れられていた。扉の向こう側には、かつて理科室として使われていた部屋があるはずだったが、今は誰も足を踏み入れない禁断の場所となっていた。
夏休みのある日、ユキは友達のケンジとタケシを誘って、学校に忍び込む。目的は、開かずの扉を開けること。好奇心と恐怖心が入り混じる中、3人はついに扉を開ける。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
逢魔ヶ刻の迷い子3
naomikoryo
ホラー
——それは、閉ざされた異世界からのSOS。
夏休みのある夜、中学3年生になった陽介・隼人・大輝・美咲・紗奈・由香の6人は、受験勉強のために訪れた図書館で再び“恐怖”に巻き込まれる。
「図書館に大事な物を忘れたから取りに行ってくる。」
陽介の何気ないメッセージから始まった異変。
深夜の図書館に響く正体不明の足音、消えていくメッセージ、そして——
「ここから出られない」と助けを求める陽介の声。
彼は、次元の違う同じ場所にいる。
現実世界と並行して存在する“もう一つの図書館”。
六人は、陽介を救うためにその謎を解き明かしていくが、やがてこの場所が“異世界と繋がる境界”であることに気付く。
七不思議の夜を乗り越えた彼らが挑む、シリーズ第3作目。
恐怖と謎が交錯する、戦慄のホラー・ミステリー。
「境界が開かれた時、もう戻れない——。」
『怪蒐師』――不気味な雇い主。おぞましいアルバイト現場。だが本当に怖いのは――
うろこ道
ホラー
『階段をのぼるだけで一万円』
大学二年生の間宮は、同じ学部にも関わらず一度も話したことすらない三ツ橋に怪しげなアルバイトを紹介される。
三ツ橋に連れて行かれたテナントビルの事務所で出迎えたのは、イスルギと名乗る男だった。
男は言った。
ーー君の「階段をのぼるという体験」を買いたいんだ。
ーーもちろん、ただの階段じゃない。
イスルギは怪異の体験を売り買いする奇妙な男だった。
《目次》
第一話「十三階段」
第二話「忌み地」
第三話「凶宅」
第四話「呪詛箱」
第五話「肉人さん」
第六話「悪夢」
最終話「触穢」

もしもし、あのね。
ナカハラ
ホラー
「もしもし、あのね。」
舌足らずな言葉で一生懸命話をしてくるのは、名前も知らない女の子。
一方的に掛かってきた電話の向こうで語られる内容は、本当かどうかも分からない話だ。
それでも不思議と、電話を切ることが出来ない。
本当は着信なんて拒否してしまいたい。
しかし、何故か、この電話を切ってはいけない……と……
ただ、そんな気がするだけだ。
Catastrophe
アタラクシア
ホラー
ある日世界は終わった――。
「俺が桃を助けるんだ。桃が幸せな世界を作るんだ。その世界にゾンビはいない。その世界には化け物はいない。――その世界にお前はいない」
アーチェリー部に所属しているただの高校生の「如月 楓夜」は自分の彼女である「蒼木 桃」を見つけるために終末世界を奔走する。
陸上自衛隊の父を持つ「山ノ井 花音」は
親友の「坂見 彩」と共に謎の少女を追って終末世界を探索する。
ミリタリーマニアの「三谷 直久」は同じくミリタリーマニアの「齋藤 和真」と共にバイオハザードが起こるのを近くで目の当たりにすることになる。
家族関係が上手くいっていない「浅井 理沙」は攫われた弟を助けるために終末世界を生き抜くことになる。
4つの物語がクロスオーバーする時、全ての真実は語られる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる