35 / 107
朝顔
0.18 共有していた君を
しおりを挟む
「シュンちゃんっ! おかえりっ」
「ただいま」
帰った途端、ドアの音を聞きつけたらしい魁が真っ先にカフェの裏口に飛んできた。
ボロボロの僕の姿を見た瞬間、彼は心底しょぼくれた顔をした。
大きな目が潤んで見える。きっと声には表さないけれど、僕が勝手に一人で丹を片付けている事を、心底心配しているんだろうな。
それでも、何も言わない。彼は、ひどく、優しい人だ。
午前6時を知らせる鐘がカフェの置き時計から聴こえてくる。
魁の緩く下に結んだ髪は少し濡れていた。シャワーを浴びたのか。早起きなんだか、夜更かしなんだか。
「お茶でも飲む?」
魁にそう尋ねられて、僕は首を横に振った。
「このまま部屋に帰って寝るよ。明日、というかもう今日だけど。午後から研究室で会議だから」
「……そう」
彼はまた、あからさまにしょぼくれる。
そして「そうだよね。ごめん」とも呟いて、薄灰色のパーカーの裾をぎゅっと握った。
「俺、何もできないけど。心配だよ、シュンちゃん」
必死に絞り出したような声はとても小さかった。
僕はため息を吐く。
心配されているのは分かっている。
けれども。心配して、僕に付いて来ようとした事は無いし。口では何度も止めろと言うけれど、無理やり殴ってでも止めやしないのだから。
そういうことだ。
そんな事を考える僕は、きっと、とても酷い人だと思う。これが彼なりの、非常の優しさであるはずなのに。
それなのに僕ときたら。
とても極端な性格だから。そういう繊細な優しさに心底から気持ちを寄せられないんだ。
彼が僕の “存在意義” を尊重していることなんて、痛いほど知っているのに。
「ありがとう」僕は呟く。
「魁は夜更かしして、大丈夫なの?」
尋ねると、魁は困った顔をした。
「俺のことはいいんだよ」
「ダメ」
「なんで~……」
「魁、この間の検査結果、僕が知らないとでも思ってる?」
「っ、」
「だからダメだよ」
ふざけた様子だった魁は途端に口をつぐんで、僕の事をじっと見つめた。
この間の検査というのは、3ヶ月前の定期身体管理検査、いわゆる精密な健康診断のことだ。
直前にかなりシビアな任務が放り込まれていたから、僕も少し数値が悪かった。
魁はといえば、辛うじて生きていると言ってもいいほど悪い数値が並んでいた。
彼は全身性の自己免疫疾患を患っている。
それが “丹” に対するアレルギー反応である事が分かって、そのことをきっかけに委員会が所属している緊急対策研究病棟に収容された。
そうしてさらに詳しい検査の結果、共鳴能力の高さから会員として入会するようにお上に打診され、彼は会員となった。
丹アレルギーでありながら、丹と同調する任務を課せられた彼の体は任務を行うたびに蝕まれていく。
当たり前だ。彼はアレルギーなのだから。
委員会に入会する時、そのことを彼は重々理解していたはずだ。なのに。彼は嬉々としてこの委員会に入ってきた。まるで “そうであることこそ正解である” かのように。
研究病棟で治療を受け、回復し、また任務に身を投じ、悪化させて帰って来る。彼も物好きな人なのだ。僕に似ているところがあると思う。
けれど。だからこそ、ひどく悲しく、心配になる。
「僕は、魁の方が心配だよ」
思ったより湿った声が喉から漏れた。そんな僕の声に魁は驚いた顔でこちらを見ていた。そして、少しの間を開けて「あのさ」と言った。
「一也が、きっとシュンちゃんの事心配するんじゃないかな」
「あの子が?」
尋ねると、うん、と魁が頷く。
「あの子はここへ来たばかりだし、事情を分からないでしょう?」
そう言う僕に、魁は首を横に振る。
「分からなくったって、知らなくったって、何となく感じるんじゃないかな」
「……そうかな」
暁星一也。遺伝子の検査で決まった僕の新しい相棒。
彼が来て約2ヶ月。僕はあの子を避けていた。初日の出来事のせいも多少ある。けれどもっと大きな理由は。
「似てるんだよ」
「え?」魁が首をかしげる。
「にてるって? なに?」
「いや、何でもない」
僕は誤魔化す。
魁は不安そうな顔で続きを尋ねようとしていた。けれど、僕はそれを意図的に遮って踵を返す。
心がかき乱される。思い出す。嫌な記憶だ。
あぁ。嫌だ。
だからあの子に会いたくない。考えたくもない。こんな気持ちを誰にも晒したくない。
ひどく似ているんだ。
死んだ、前の相棒に。
「おやすみ」
僕は努めて穏やかに呟く。魁が何か呟くのが聞こえた。
けれど、彼の顔もろくに見ずに、僕は足早に基地へ続くドアをくぐる。
そして後ろ手でドアを静かに閉めた。
東雲 零樹。僕の前の相棒。12歳年上の、落ち着いた雰囲気の人だった。
12歳で入会した僕は彼にいつも甘えていた。四六時中そばにいたような気がする。
相棒で、親代わりで、友達で、兄さんで、本当の家族以上の存在だった。入会した当時子供だった僕にとって、彼は僕の全てだった。
彼が死んだのは2年半くらい前のことだ。怖いだとか、悲しいという言葉では足りない。
心が引き裂かれそうだ。その気持ちを、瓜二つのあの子を見るたびに思い出す。
嫌なことを心の底から引きずり出される。
それでも。初めて会ったあの日。あの子の顔をはっきり見た時。
あぁ、彼がまた現れたのかもしれない、と。
そう、はっきり錯覚するほど。あの子との出会いは鮮烈で、心の底にあった感情が全て引きずり出されそうになった。
似ていた。
姿形、表情、仕草、目線、正しくその声が。
だから、ありえないと思った。彼がまたここに居るなんて、ありえないと。何かの間違いだと思った。
得体の知れない不審者を、いち早く抹殺しなければと、咄嗟に思った。
けれど、そんな僕の動揺に反して、彼は新しいメンバーとなり、あろう事か僕の新しい相棒となった。
あの時、あの子と話した内容を覚えていない。ごめんね、と必死に謝っていた記憶だけある。内容のない謝罪で彼との会話を誤魔化した。
心がかき乱される。嬉しい。隣にいてほしい。また。以前と同じように。
けれど。彼は彼じゃない。
人を代わりにするなんて。どちらにも失礼だ。考えられない。
それに怖い。もう、二度とあんな悲しい思いをしたくない。その先の、失った悲しみに怯えたくない。
それなのに。でも。どうしても。
彼といた時のことを、僕はまだ忘れられなくて。もう一度、同じ感覚に浸りたいんだ。
「ただいま」
帰った途端、ドアの音を聞きつけたらしい魁が真っ先にカフェの裏口に飛んできた。
ボロボロの僕の姿を見た瞬間、彼は心底しょぼくれた顔をした。
大きな目が潤んで見える。きっと声には表さないけれど、僕が勝手に一人で丹を片付けている事を、心底心配しているんだろうな。
それでも、何も言わない。彼は、ひどく、優しい人だ。
午前6時を知らせる鐘がカフェの置き時計から聴こえてくる。
魁の緩く下に結んだ髪は少し濡れていた。シャワーを浴びたのか。早起きなんだか、夜更かしなんだか。
「お茶でも飲む?」
魁にそう尋ねられて、僕は首を横に振った。
「このまま部屋に帰って寝るよ。明日、というかもう今日だけど。午後から研究室で会議だから」
「……そう」
彼はまた、あからさまにしょぼくれる。
そして「そうだよね。ごめん」とも呟いて、薄灰色のパーカーの裾をぎゅっと握った。
「俺、何もできないけど。心配だよ、シュンちゃん」
必死に絞り出したような声はとても小さかった。
僕はため息を吐く。
心配されているのは分かっている。
けれども。心配して、僕に付いて来ようとした事は無いし。口では何度も止めろと言うけれど、無理やり殴ってでも止めやしないのだから。
そういうことだ。
そんな事を考える僕は、きっと、とても酷い人だと思う。これが彼なりの、非常の優しさであるはずなのに。
それなのに僕ときたら。
とても極端な性格だから。そういう繊細な優しさに心底から気持ちを寄せられないんだ。
彼が僕の “存在意義” を尊重していることなんて、痛いほど知っているのに。
「ありがとう」僕は呟く。
「魁は夜更かしして、大丈夫なの?」
尋ねると、魁は困った顔をした。
「俺のことはいいんだよ」
「ダメ」
「なんで~……」
「魁、この間の検査結果、僕が知らないとでも思ってる?」
「っ、」
「だからダメだよ」
ふざけた様子だった魁は途端に口をつぐんで、僕の事をじっと見つめた。
この間の検査というのは、3ヶ月前の定期身体管理検査、いわゆる精密な健康診断のことだ。
直前にかなりシビアな任務が放り込まれていたから、僕も少し数値が悪かった。
魁はといえば、辛うじて生きていると言ってもいいほど悪い数値が並んでいた。
彼は全身性の自己免疫疾患を患っている。
それが “丹” に対するアレルギー反応である事が分かって、そのことをきっかけに委員会が所属している緊急対策研究病棟に収容された。
そうしてさらに詳しい検査の結果、共鳴能力の高さから会員として入会するようにお上に打診され、彼は会員となった。
丹アレルギーでありながら、丹と同調する任務を課せられた彼の体は任務を行うたびに蝕まれていく。
当たり前だ。彼はアレルギーなのだから。
委員会に入会する時、そのことを彼は重々理解していたはずだ。なのに。彼は嬉々としてこの委員会に入ってきた。まるで “そうであることこそ正解である” かのように。
研究病棟で治療を受け、回復し、また任務に身を投じ、悪化させて帰って来る。彼も物好きな人なのだ。僕に似ているところがあると思う。
けれど。だからこそ、ひどく悲しく、心配になる。
「僕は、魁の方が心配だよ」
思ったより湿った声が喉から漏れた。そんな僕の声に魁は驚いた顔でこちらを見ていた。そして、少しの間を開けて「あのさ」と言った。
「一也が、きっとシュンちゃんの事心配するんじゃないかな」
「あの子が?」
尋ねると、うん、と魁が頷く。
「あの子はここへ来たばかりだし、事情を分からないでしょう?」
そう言う僕に、魁は首を横に振る。
「分からなくったって、知らなくったって、何となく感じるんじゃないかな」
「……そうかな」
暁星一也。遺伝子の検査で決まった僕の新しい相棒。
彼が来て約2ヶ月。僕はあの子を避けていた。初日の出来事のせいも多少ある。けれどもっと大きな理由は。
「似てるんだよ」
「え?」魁が首をかしげる。
「にてるって? なに?」
「いや、何でもない」
僕は誤魔化す。
魁は不安そうな顔で続きを尋ねようとしていた。けれど、僕はそれを意図的に遮って踵を返す。
心がかき乱される。思い出す。嫌な記憶だ。
あぁ。嫌だ。
だからあの子に会いたくない。考えたくもない。こんな気持ちを誰にも晒したくない。
ひどく似ているんだ。
死んだ、前の相棒に。
「おやすみ」
僕は努めて穏やかに呟く。魁が何か呟くのが聞こえた。
けれど、彼の顔もろくに見ずに、僕は足早に基地へ続くドアをくぐる。
そして後ろ手でドアを静かに閉めた。
東雲 零樹。僕の前の相棒。12歳年上の、落ち着いた雰囲気の人だった。
12歳で入会した僕は彼にいつも甘えていた。四六時中そばにいたような気がする。
相棒で、親代わりで、友達で、兄さんで、本当の家族以上の存在だった。入会した当時子供だった僕にとって、彼は僕の全てだった。
彼が死んだのは2年半くらい前のことだ。怖いだとか、悲しいという言葉では足りない。
心が引き裂かれそうだ。その気持ちを、瓜二つのあの子を見るたびに思い出す。
嫌なことを心の底から引きずり出される。
それでも。初めて会ったあの日。あの子の顔をはっきり見た時。
あぁ、彼がまた現れたのかもしれない、と。
そう、はっきり錯覚するほど。あの子との出会いは鮮烈で、心の底にあった感情が全て引きずり出されそうになった。
似ていた。
姿形、表情、仕草、目線、正しくその声が。
だから、ありえないと思った。彼がまたここに居るなんて、ありえないと。何かの間違いだと思った。
得体の知れない不審者を、いち早く抹殺しなければと、咄嗟に思った。
けれど、そんな僕の動揺に反して、彼は新しいメンバーとなり、あろう事か僕の新しい相棒となった。
あの時、あの子と話した内容を覚えていない。ごめんね、と必死に謝っていた記憶だけある。内容のない謝罪で彼との会話を誤魔化した。
心がかき乱される。嬉しい。隣にいてほしい。また。以前と同じように。
けれど。彼は彼じゃない。
人を代わりにするなんて。どちらにも失礼だ。考えられない。
それに怖い。もう、二度とあんな悲しい思いをしたくない。その先の、失った悲しみに怯えたくない。
それなのに。でも。どうしても。
彼といた時のことを、僕はまだ忘れられなくて。もう一度、同じ感覚に浸りたいんだ。
0
▶︎ TSUKINAMI project【公式HP】
▶︎ キャラクター設定
★ X(旧Twitter)|TSUKINAMI project【公式HP】
<キャラによる占いも好評公開中!>
▶︎ キャラが今日の運勢を占ってくれる!
★ X(旧Twitter)|Cafe Dawn【仮想空間占いカフェ】
====================
TSUKINAMI project とは
アートディレクターの赤月瀾が
オリジナルキャラクターで
いろんなことをするコンテンツ。
====================
▶︎ キャラクター設定
★ X(旧Twitter)|TSUKINAMI project【公式HP】
<キャラによる占いも好評公開中!>
▶︎ キャラが今日の運勢を占ってくれる!
★ X(旧Twitter)|Cafe Dawn【仮想空間占いカフェ】
====================
TSUKINAMI project とは
アートディレクターの赤月瀾が
オリジナルキャラクターで
いろんなことをするコンテンツ。
====================
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。

扉の向こうは黒い影
小野 夜
ホラー
古い校舎の3階、突き当たりの隅にある扉。それは「開かずの扉」と呼ばれ、生徒たちの間で恐れられていた。扉の向こう側には、かつて理科室として使われていた部屋があるはずだったが、今は誰も足を踏み入れない禁断の場所となっていた。
夏休みのある日、ユキは友達のケンジとタケシを誘って、学校に忍び込む。目的は、開かずの扉を開けること。好奇心と恐怖心が入り混じる中、3人はついに扉を開ける。
逢魔ヶ刻の迷い子3
naomikoryo
ホラー
——それは、閉ざされた異世界からのSOS。
夏休みのある夜、中学3年生になった陽介・隼人・大輝・美咲・紗奈・由香の6人は、受験勉強のために訪れた図書館で再び“恐怖”に巻き込まれる。
「図書館に大事な物を忘れたから取りに行ってくる。」
陽介の何気ないメッセージから始まった異変。
深夜の図書館に響く正体不明の足音、消えていくメッセージ、そして——
「ここから出られない」と助けを求める陽介の声。
彼は、次元の違う同じ場所にいる。
現実世界と並行して存在する“もう一つの図書館”。
六人は、陽介を救うためにその謎を解き明かしていくが、やがてこの場所が“異世界と繋がる境界”であることに気付く。
七不思議の夜を乗り越えた彼らが挑む、シリーズ第3作目。
恐怖と謎が交錯する、戦慄のホラー・ミステリー。
「境界が開かれた時、もう戻れない——。」
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
『怪蒐師』――不気味な雇い主。おぞましいアルバイト現場。だが本当に怖いのは――
うろこ道
ホラー
『階段をのぼるだけで一万円』
大学二年生の間宮は、同じ学部にも関わらず一度も話したことすらない三ツ橋に怪しげなアルバイトを紹介される。
三ツ橋に連れて行かれたテナントビルの事務所で出迎えたのは、イスルギと名乗る男だった。
男は言った。
ーー君の「階段をのぼるという体験」を買いたいんだ。
ーーもちろん、ただの階段じゃない。
イスルギは怪異の体験を売り買いする奇妙な男だった。
《目次》
第一話「十三階段」
第二話「忌み地」
第三話「凶宅」
第四話「呪詛箱」
第五話「肉人さん」
第六話「悪夢」
最終話「触穢」

もしもし、あのね。
ナカハラ
ホラー
「もしもし、あのね。」
舌足らずな言葉で一生懸命話をしてくるのは、名前も知らない女の子。
一方的に掛かってきた電話の向こうで語られる内容は、本当かどうかも分からない話だ。
それでも不思議と、電話を切ることが出来ない。
本当は着信なんて拒否してしまいたい。
しかし、何故か、この電話を切ってはいけない……と……
ただ、そんな気がするだけだ。
Catastrophe
アタラクシア
ホラー
ある日世界は終わった――。
「俺が桃を助けるんだ。桃が幸せな世界を作るんだ。その世界にゾンビはいない。その世界には化け物はいない。――その世界にお前はいない」
アーチェリー部に所属しているただの高校生の「如月 楓夜」は自分の彼女である「蒼木 桃」を見つけるために終末世界を奔走する。
陸上自衛隊の父を持つ「山ノ井 花音」は
親友の「坂見 彩」と共に謎の少女を追って終末世界を探索する。
ミリタリーマニアの「三谷 直久」は同じくミリタリーマニアの「齋藤 和真」と共にバイオハザードが起こるのを近くで目の当たりにすることになる。
家族関係が上手くいっていない「浅井 理沙」は攫われた弟を助けるために終末世界を生き抜くことになる。
4つの物語がクロスオーバーする時、全ての真実は語られる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる