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「リーゼロッテ様! お慕い申し上げております!」
学園に登校してすぐのこと。私...................リーゼロッテ・モナールは、朝から熱烈な告白を受けていた。
相手は..................私の従者のアリスさんである。
「えと、あの...................」
さすがに彼女くらいの年齢で迫られると戸惑いが先に立つ。私は視線をさまよわせながら困惑の声を上げた。
そんな私に気づいたのか、アリスさんは一歩下がり優雅にお辞儀をする。
「失礼いたしました。私ごときがリーゼロッテ様に恋情を告げるなど身の程知らずにも程がありますわね」
「こ、恋情!?」
私は驚愕の声を上げる。
そんな私を優しく諭すようにアリスさんは告げる。
「私はずっと..................この感情を抑えてきました。それがリーゼロッテ様のお望みだと知っていたからです」
..................いやいや待って! 私の希望とかじゃなくてね? ああもう! 何がなんだかわからないよ!
「ですが、先日のご婚約発表..............さすがにもう我慢ができなくなってしまいまして...............」
頬を染めて恥ずかしげに俯くアリスさん。いや待って! それって乙女の恥じらいとかいうやつですよね! 私相手にどうしてそんなことをしてるの!?
「リーゼロッテ様の望みとあらば、私はどんなことでもいたしましょう。ですからどうかお側においてくださいませ」
ああもう、すっごく誤解されてるー!! いやまあ確かに、アリスさんの見た目は超絶美少女だけどさ! でも中身は違うよね!
『悪役令嬢』に恋するって正気なの!? ................と、言いたいところだけど..................今はアリスさんをどうにかするのが先決だよね。うん。
「えっと、アリスさん...................」
「はい」
私の呼びかけに顔を上げたアリスさんの瞳を見つめ返しながら告げる。
「私には想い人がいますから、アリスさんのお気持ちには応えられません」
「..............................」
沈黙するアリスさん。彼女の瞳には絶望が宿っているように見える。あうう.................そんな顔をされると辛いんですけど……。
私はアリスさんの手を取って告げる。
「だから、私のことを好きにならないでくださいね」
「……はい」
なんかしおらしい返事きたー! ちょっと可愛いと思っちゃったけど、危ない危ない……。
私がそんなことを考えてると予鈴の鐘の音が聞こえてきた。あ、急がないと!
「ほら、遅刻しちゃいますから早く教室に行きますよ!」
私はアリスさんにそう伝えて教室へと急いだ。
学園に登校してすぐのこと。私...................リーゼロッテ・モナールは、朝から熱烈な告白を受けていた。
相手は..................私の従者のアリスさんである。
「えと、あの...................」
さすがに彼女くらいの年齢で迫られると戸惑いが先に立つ。私は視線をさまよわせながら困惑の声を上げた。
そんな私に気づいたのか、アリスさんは一歩下がり優雅にお辞儀をする。
「失礼いたしました。私ごときがリーゼロッテ様に恋情を告げるなど身の程知らずにも程がありますわね」
「こ、恋情!?」
私は驚愕の声を上げる。
そんな私を優しく諭すようにアリスさんは告げる。
「私はずっと..................この感情を抑えてきました。それがリーゼロッテ様のお望みだと知っていたからです」
..................いやいや待って! 私の希望とかじゃなくてね? ああもう! 何がなんだかわからないよ!
「ですが、先日のご婚約発表..............さすがにもう我慢ができなくなってしまいまして...............」
頬を染めて恥ずかしげに俯くアリスさん。いや待って! それって乙女の恥じらいとかいうやつですよね! 私相手にどうしてそんなことをしてるの!?
「リーゼロッテ様の望みとあらば、私はどんなことでもいたしましょう。ですからどうかお側においてくださいませ」
ああもう、すっごく誤解されてるー!! いやまあ確かに、アリスさんの見た目は超絶美少女だけどさ! でも中身は違うよね!
『悪役令嬢』に恋するって正気なの!? ................と、言いたいところだけど..................今はアリスさんをどうにかするのが先決だよね。うん。
「えっと、アリスさん...................」
「はい」
私の呼びかけに顔を上げたアリスさんの瞳を見つめ返しながら告げる。
「私には想い人がいますから、アリスさんのお気持ちには応えられません」
「..............................」
沈黙するアリスさん。彼女の瞳には絶望が宿っているように見える。あうう.................そんな顔をされると辛いんですけど……。
私はアリスさんの手を取って告げる。
「だから、私のことを好きにならないでくださいね」
「……はい」
なんかしおらしい返事きたー! ちょっと可愛いと思っちゃったけど、危ない危ない……。
私がそんなことを考えてると予鈴の鐘の音が聞こえてきた。あ、急がないと!
「ほら、遅刻しちゃいますから早く教室に行きますよ!」
私はアリスさんにそう伝えて教室へと急いだ。
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