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3.君は嵐のように僕の心を乱す
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「そんなこと聞かれても困るよ。君は昨日まで猫だったわけだし、正直今もこの状況を受け入れられていないんだ」
「そうか。それもそうだな。すまなかった」
鈴音はしょんぼりと項垂れてしまった。別に、恋愛感情として聞かれたわけではなかったのかもしれないのに、突き放すように返事をしてしまったことを少し後悔する。何かフォローしようかと考えていると、鈴音がぱっと顔を上げた。
「タクミ、今日はシゴト行かないのか?」
「うん、今日は休みなんだ」
「じゃあ今日はずっと一緒にいられるのか」
さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいに、嬉しそうに見上げてくる鈴音に、つい頷いてしまう。今日はもともと鈴音を動物病院に連れていこうと思っていた。でも、人間の姿になってしまったから、その必要はなくなってしまった。それにしても、おかしなことになった。猫を飼ったつもりが、人間の女の子の世話をすることになるだなんて。
そんな役目は別の人にお願いしたいところだけど、猫が人間になっただなんて、誰が信じてくれるだろうか。それに、Tシャツ一枚着ただけの女の子を外に放り出せるほど僕も鬼ではないつもりだ。
だからといって、女の子の下着や洋服をひとりで買いに行けるほどの心の強さはなかった。鈴音を一緒に連れて行って、自分で選んでもらうのがいいのだろうか。横目で彼女の様子を確認すると、あられもない姿で横になっていた。
思わずため息が出る。一応僕だって、年頃の男なわけで。隙だらけの魅力的な女の子を目の前に変な気を起こさないとも限らない。もちろんそんなことするつもりはないけれど。とにかく先が思いやられる。
タンスの奥から、まだ未開封だった新品のボクサーパンツを引っ張り出した。今着せているものよりも厚手のTシャツと、自分が持っている中で比較的細身のジーンズも取り出す。
「鈴音、今日は買い物に行こう。服買おう」
「服? 鈴音はこれで十分だ」
ごろりと体勢を変えた鈴音の白い太腿が視界に入り、唾を飲み込む。こんなものを毎日見せられたらたまったもんじゃない。
「鈴音は人間として生きていくつもりなんだよね?」
「そのつもりだ」
「それなら人間らしい生活をしてもらわないと。外に出るからこれ着て」
服一式を渡すと、鈴音はボクサーパンツを広げてまじまじと見つめる。
「タクミ、これはどうやって着るんだ?」
「そうか。それもそうだな。すまなかった」
鈴音はしょんぼりと項垂れてしまった。別に、恋愛感情として聞かれたわけではなかったのかもしれないのに、突き放すように返事をしてしまったことを少し後悔する。何かフォローしようかと考えていると、鈴音がぱっと顔を上げた。
「タクミ、今日はシゴト行かないのか?」
「うん、今日は休みなんだ」
「じゃあ今日はずっと一緒にいられるのか」
さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいに、嬉しそうに見上げてくる鈴音に、つい頷いてしまう。今日はもともと鈴音を動物病院に連れていこうと思っていた。でも、人間の姿になってしまったから、その必要はなくなってしまった。それにしても、おかしなことになった。猫を飼ったつもりが、人間の女の子の世話をすることになるだなんて。
そんな役目は別の人にお願いしたいところだけど、猫が人間になっただなんて、誰が信じてくれるだろうか。それに、Tシャツ一枚着ただけの女の子を外に放り出せるほど僕も鬼ではないつもりだ。
だからといって、女の子の下着や洋服をひとりで買いに行けるほどの心の強さはなかった。鈴音を一緒に連れて行って、自分で選んでもらうのがいいのだろうか。横目で彼女の様子を確認すると、あられもない姿で横になっていた。
思わずため息が出る。一応僕だって、年頃の男なわけで。隙だらけの魅力的な女の子を目の前に変な気を起こさないとも限らない。もちろんそんなことするつもりはないけれど。とにかく先が思いやられる。
タンスの奥から、まだ未開封だった新品のボクサーパンツを引っ張り出した。今着せているものよりも厚手のTシャツと、自分が持っている中で比較的細身のジーンズも取り出す。
「鈴音、今日は買い物に行こう。服買おう」
「服? 鈴音はこれで十分だ」
ごろりと体勢を変えた鈴音の白い太腿が視界に入り、唾を飲み込む。こんなものを毎日見せられたらたまったもんじゃない。
「鈴音は人間として生きていくつもりなんだよね?」
「そのつもりだ」
「それなら人間らしい生活をしてもらわないと。外に出るからこれ着て」
服一式を渡すと、鈴音はボクサーパンツを広げてまじまじと見つめる。
「タクミ、これはどうやって着るんだ?」
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