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2.君の温もりを僕は知ってしまった
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寝返りが上手くできなくて、目が覚めた。胸のあたりが苦しい。手も思うように動かない。暗闇に目を慣らして、状況を把握しようとする。
「え……」
見間違いでなければ、髪の長い女の子が僕に抱きついて眠っている。金縛りか、それとも心霊現象か? それにしては重さも熱も感じるけれど。寝起きの頭で必死に考えてみても、答えは見つからなかった。枕元を見ると、鈴音がいなくなっているのに気がついた。
「鈴音?」
腕の力が強まる。ちりりん、と鈴の音が微かに聞こえた。
「鈴音! どこ行った!?」
大きな声を出すと、女の子がびくりと動いた。緩慢な動きで体を起こす。薄闇の中に白い肢体が浮かび上がり、慌てて目を逸らした。
「どうした、鈴音ならここにいる」
女の子は僕の顔に手を伸ばしてきて、自分のほうに向かせる。ちりん、と音を立てて、鈴音の赤い首輪が女の子の首元からぽとりと布団の上に落ちた。
「君が……鈴音? だって、鈴音は猫のはず……」
「鈴音は眠い。もっと寝たい」
自称鈴音の女の子は、またもや僕に抱きつくようにして倒れこんでくると、あっという間に寝息を立て始めた。僕はというと、不可思議な状況に対しての混乱と、彼女の柔らかな肌の感触が気になってしまって、とても眠れそうになかった。
固く目を閉じて、夜が明けるのをただひたすら待った。
「え……」
見間違いでなければ、髪の長い女の子が僕に抱きついて眠っている。金縛りか、それとも心霊現象か? それにしては重さも熱も感じるけれど。寝起きの頭で必死に考えてみても、答えは見つからなかった。枕元を見ると、鈴音がいなくなっているのに気がついた。
「鈴音?」
腕の力が強まる。ちりりん、と鈴の音が微かに聞こえた。
「鈴音! どこ行った!?」
大きな声を出すと、女の子がびくりと動いた。緩慢な動きで体を起こす。薄闇の中に白い肢体が浮かび上がり、慌てて目を逸らした。
「どうした、鈴音ならここにいる」
女の子は僕の顔に手を伸ばしてきて、自分のほうに向かせる。ちりん、と音を立てて、鈴音の赤い首輪が女の子の首元からぽとりと布団の上に落ちた。
「君が……鈴音? だって、鈴音は猫のはず……」
「鈴音は眠い。もっと寝たい」
自称鈴音の女の子は、またもや僕に抱きつくようにして倒れこんでくると、あっという間に寝息を立て始めた。僕はというと、不可思議な状況に対しての混乱と、彼女の柔らかな肌の感触が気になってしまって、とても眠れそうになかった。
固く目を閉じて、夜が明けるのをただひたすら待った。
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