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お祖父様とのお別れ
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今日はわたしの当番なので、お祖父様の所へ行く。ドアを開ける前からお祖父様の状態がわかった。
部屋にはいるとすぐに浄化をかけ、部屋にもかけておいた。これで匂いが消えると思う。
しばらくするとお祖父様が目を覚ました。わたしを見て
「当番であいつら一回り顔を出したから、またしばらく、マリアに押し付けるだろうけど、あと少しだ。そんな顔はなし。厄介者とお別れなだけさ。・・・・もう一度マリアの顔を見てからと思っていた。あいつら家中をあさっているよ。身内を信用できないなんて情けないけど、マリアがいて良かった。マリア、あいつらに情けをかけたらダメだぞ。渡したもので復讐してよい」
「復讐って・・・・・確かに身体を壊したけど・・・」
「もうすぐ終わりになるから、ゆっくり身体を治して・・・・・明日の引き潮に乗って逝く・・・・いろいろ疑うようなやつらだ。あと少ししたら家族の誰かと医者を呼んでくれ・・・・そして帰るんだ」
「お祖父様・・・」
「最後はマリアのおかげで幸せだし・・・・あいつらを困らせると思えば・・・・死ぬのも楽しみだ」
「マリア・・・・・わたしの為に・・・幸せになってくれ」
そういうとお祖父様は眠ったようだった。
わたしは母屋に行った。お義母さまを見つけたわたしは医者を呼ぶように頼み、すぐお祖父様の所に引き返した。
しばらくするとマギーとお義母さまが医者と一緒に、やってきた。
「後は家族で見るわ」とわたしは追い出された。
普段より早く目が覚めた。お祖父様が逝ったのだとわかった。
知らせを受けてわたしたち一家もシリウス家に行ったが、わたしは喪服を持っていないので離れた所に立っていた。するとお向かいの奥さんにそっと肩をたたかれた。
「ついておいで」と家に案内されると喪服が椅子にかけてあった。
「昔のものだけど、一応手入れをしてあるよ。あんたによさそうだから、着ておくれ」
「あの・・・・」
「遠慮はいらないよ・・・・どうせわたしには無理だから・・・・あんたには大きそうだけど・・・細いね」
わたしはお礼を言うと喪服を着た。
「似合うねぇって言うのも変だけど・・・・似合っているよ・・・・それ貰っておくれね・・・・・おばさんはお節介が好きなのさ」
わたしは一緒に戻った。両家の女性陣は声を揃えて泣いていた。
「お祖父様、もう一度目を開けて」「愛するお祖父様、もう一度笑って」とか聞こえた。
『今度目を開けたお祖父様の面倒はたっぷりみさせてあげるよ』わたしは罰当たりなことを考えながら彼女たちを見た。
驚いたことにシリウス家もブラック家も新調の喪服を着ていた。わたしはお茶を入れて皆に配ってまわった。
やがて埋葬の時間になり、馬車ではなく魔石自動車が迎えに来た。
それをみた近所の人や親戚が驚いてお義父様をみていたが、皆礼儀正しくなにも言わなかった。
お祖父様を乗せた魔石自動車を先頭にわたしたちは墓地まで歩いた。
わたしはショーンと並んで無言で歩いた。
後ろにメラニーが続いていたが
「尊敬するお祖父様」「愛するお祖父様」と言う言葉を繰り返しながらハンカチを目に当てていた。
部屋にはいるとすぐに浄化をかけ、部屋にもかけておいた。これで匂いが消えると思う。
しばらくするとお祖父様が目を覚ました。わたしを見て
「当番であいつら一回り顔を出したから、またしばらく、マリアに押し付けるだろうけど、あと少しだ。そんな顔はなし。厄介者とお別れなだけさ。・・・・もう一度マリアの顔を見てからと思っていた。あいつら家中をあさっているよ。身内を信用できないなんて情けないけど、マリアがいて良かった。マリア、あいつらに情けをかけたらダメだぞ。渡したもので復讐してよい」
「復讐って・・・・・確かに身体を壊したけど・・・」
「もうすぐ終わりになるから、ゆっくり身体を治して・・・・・明日の引き潮に乗って逝く・・・・いろいろ疑うようなやつらだ。あと少ししたら家族の誰かと医者を呼んでくれ・・・・そして帰るんだ」
「お祖父様・・・」
「最後はマリアのおかげで幸せだし・・・・あいつらを困らせると思えば・・・・死ぬのも楽しみだ」
「マリア・・・・・わたしの為に・・・幸せになってくれ」
そういうとお祖父様は眠ったようだった。
わたしは母屋に行った。お義母さまを見つけたわたしは医者を呼ぶように頼み、すぐお祖父様の所に引き返した。
しばらくするとマギーとお義母さまが医者と一緒に、やってきた。
「後は家族で見るわ」とわたしは追い出された。
普段より早く目が覚めた。お祖父様が逝ったのだとわかった。
知らせを受けてわたしたち一家もシリウス家に行ったが、わたしは喪服を持っていないので離れた所に立っていた。するとお向かいの奥さんにそっと肩をたたかれた。
「ついておいで」と家に案内されると喪服が椅子にかけてあった。
「昔のものだけど、一応手入れをしてあるよ。あんたによさそうだから、着ておくれ」
「あの・・・・」
「遠慮はいらないよ・・・・どうせわたしには無理だから・・・・あんたには大きそうだけど・・・細いね」
わたしはお礼を言うと喪服を着た。
「似合うねぇって言うのも変だけど・・・・似合っているよ・・・・それ貰っておくれね・・・・・おばさんはお節介が好きなのさ」
わたしは一緒に戻った。両家の女性陣は声を揃えて泣いていた。
「お祖父様、もう一度目を開けて」「愛するお祖父様、もう一度笑って」とか聞こえた。
『今度目を開けたお祖父様の面倒はたっぷりみさせてあげるよ』わたしは罰当たりなことを考えながら彼女たちを見た。
驚いたことにシリウス家もブラック家も新調の喪服を着ていた。わたしはお茶を入れて皆に配ってまわった。
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それをみた近所の人や親戚が驚いてお義父様をみていたが、皆礼儀正しくなにも言わなかった。
お祖父様を乗せた魔石自動車を先頭にわたしたちは墓地まで歩いた。
わたしはショーンと並んで無言で歩いた。
後ろにメラニーが続いていたが
「尊敬するお祖父様」「愛するお祖父様」と言う言葉を繰り返しながらハンカチを目に当てていた。
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