ある王国の王室の物語

朝山みどり

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夜会 3

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「エリザベート様には申し訳ないことを・・・・」とシャーロットが言い始めると


「そうなのか?」とエリザベートを見て

「確かに侯爵家とは言え粗末な荷物だったな・・・侍女長があきれておった。自覚はあったのか。申し訳ないと・・・・そうか・・・・あったのか」


「いやぁ、シャーロットは緊張しているようで、それではこれで」と王太子は大きめの声で言うとシャーロットを促して戻って行った。


公爵のほうが王太子より立場が強いと知っていたが、実際にみると心臓に悪い。



ほんとこの四人、傍若無人って感じで、国王夫妻にも挨拶に行ってないしね。



「・・・・・初めてだって?」カーライル公爵に話しかけられて我にかえった。


「エリザベート、夜会が初めてかってカーライル公爵が」とバージルが耳元で


「はい・・・・失礼しました。初めてです」と答えると


「デビューもしてないのかい?」とブルークリフ公爵が驚いたので


「はい、いろいろありまして」



「学院も行ってないそうだね」とニール公爵が続けると



「必要はないよ。それは保証する」とマクバーディ公爵が続けると



「だけど、学院は学問だけじゃないし」とニール公爵がいたづらっぽい笑みを浮かべて言うと

「確かにおまえは・・・・・そうだろうなぁ」ブルークリフ公爵も笑い



「「そうだな」」とカーライル公爵とマクバーディ公爵が声を揃えた所で



「料理の追加が来たようだ。バルコニーで食べよう」とアンドリューがわたしたちを誘うとバージルがわたしに手を差し伸べ立ち上がった。



「公爵様方、程々に」とジェラルドの声が聞こえた。


その後公爵たちを置いて私たちは先に戻った。近頃珍しく、夜遅くまで賑わった夜会だったそうだ。

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