5 / 21
公爵令嬢のいけない日々
しおりを挟む
予定通り、わたしは公爵の家に引っ越した。
公爵家ではわたしについた二人の侍女は、髪の扱いも丁寧だし翌日髪を結ってもらっても痛い思いをせずに・・・・・我ながらすごくほんとにすごーーく可愛くしてもらった。
公爵の屋敷にはキャサリンの部屋がまだ残っていた。本宅ではなく庭にある別宅だったが。
本宅ではなく別宅ってことは事情がいろいろあるってことだろうが、そこは見ないほうがいいだろうし、知りたくないかな。
そのキャサリンの部屋に『白銀湖の畔』という桃源語でかかれた本が残されていたのだ。
パラパラと見て驚いた。前世で習っていた言語だ。読めたのだ。
キャサリンはどんな人だったのだろう・・・・会って話したかった。
わたしは養女になってよかったと心から思った。
これを訳して広めよう、王太子の手伝いをやらなくなって時間はあるし、大好きな話だ。広めたい。
公爵家でのわたしの生活はひまの一言だが、今まで忙しく働いていたから・・・・なんせ侯爵家の家政と王宮の執務をやっていたんだよ・・・・
ただ、どう遊べばいいのかわからなくて部屋で本ばかり読んでいた。
すると遊びの先生を見繕ってくれた。
それは遠縁のアンドリューと言う、すごくかっこよくて、女性の扱いにも慣れた男性だった。
最初、婚約者候補かと思ったがそれは違うらしい。
なんせ、アンドリューの相手はジェラルドという男性だ。一族では公認の仲だと言うことで・・・・確かに安全パイだよね。
女性の扱いに慣れているおかげでどこに行ってもエスコートは完璧だし、案内してくれる所もおしゃれな場所ばかりだった・・・・公爵曰く護衛としても安心らしい。
それでわたしは、今までの分を取り返すように遊び歩いた。
着るものもキャラウェイ夫人というドレスメーカーにすべておまかせで作ってもらった物をとっかえひっかえして出かけている。
ちなみに侯爵家で着ていたものは、一目みた侍女たちが庭で燃やしてしまった。たしかにひどかった。侯爵夫人より老けたドレスだったんだよ。ミンチン先生とかロッテンマイヤーさんとか・・・・髪型も・・・
寄付ってつぶやいたわたしの言葉は黙殺された。こんな物が公爵家から出るということに耐えられないらしい。
おもしろいことに最近王都にあるうわさが広まっている。
マクバーディ公爵に若い愛人・・・わたしの事よ・・・・ができたが公爵は愛人に付き合えないので愛人に愛人をあてがって・・・・アンドリューのことね・・・・好きに遊ばせているって・・・・
確かに遊んでいるよ・・・お菓子を食べに行ったり、遠乗りに行ったり、この前は公園でボートに乗ったり、そうだ、ジェラルドも時々一緒に過ごすから・・・それも、うわさを過激にしているかも・・・
公爵は愛人を持ったと言われるのは嬉しいけど、ついていけないという説に少し傷ついて・・・・けっこうデリケートね・・・・この前は劇場に連れて行ってくれた。
あの個室でふたりきりで過ごして、幕間に舞台の感想を熱く語ったら翌日には熱愛のうわさになってました。それもわたしが公爵にお熱ってなっていて、公爵の機嫌がよくなっていた。
わたしも公爵が元気だというのは嬉しいので、人気のカフェに誘って見た。
外に並ぶのよって覚悟を決めて出かけたけどお店の支配人が飛んできて、先に入ってくれって拝まれて、周囲の人にごめんって先に入ってテラス席に座った。
公爵が言うには昔はこんな場所がなかったそうで、今はいい時代になったしわたしを引き取らなかったらこんな経験はできなかったって喜んでもらった。今度悪友に会ったら自慢するそうだ。
今までの分を取り戻すべく遊んでいるわたしの元へ王宮からの迎えが正式に来た。
きちんと文官として働いてもらえないかという内容だったが断った。今までの働きの給料を寄越せって言いたいよ。
わたしは領地があるからそちらをやりたいしね。
ということで、ジェラルドも含めた四人で領地を見に行った。
王都から馬車で三時間と日帰りで遊べるし、旅気分も味わえるいい立地だ。
まだこの世界の庶民は娯楽に縁遠いが、裕福な階層を相手になにかできそうだ。
ただなにもしなくてもこの領地は黒字なので、老後の心配もないのがうれしい。
贅沢はしても庶民感覚は抜けないもんだな。
公爵家ではわたしについた二人の侍女は、髪の扱いも丁寧だし翌日髪を結ってもらっても痛い思いをせずに・・・・・我ながらすごくほんとにすごーーく可愛くしてもらった。
公爵の屋敷にはキャサリンの部屋がまだ残っていた。本宅ではなく庭にある別宅だったが。
本宅ではなく別宅ってことは事情がいろいろあるってことだろうが、そこは見ないほうがいいだろうし、知りたくないかな。
そのキャサリンの部屋に『白銀湖の畔』という桃源語でかかれた本が残されていたのだ。
パラパラと見て驚いた。前世で習っていた言語だ。読めたのだ。
キャサリンはどんな人だったのだろう・・・・会って話したかった。
わたしは養女になってよかったと心から思った。
これを訳して広めよう、王太子の手伝いをやらなくなって時間はあるし、大好きな話だ。広めたい。
公爵家でのわたしの生活はひまの一言だが、今まで忙しく働いていたから・・・・なんせ侯爵家の家政と王宮の執務をやっていたんだよ・・・・
ただ、どう遊べばいいのかわからなくて部屋で本ばかり読んでいた。
すると遊びの先生を見繕ってくれた。
それは遠縁のアンドリューと言う、すごくかっこよくて、女性の扱いにも慣れた男性だった。
最初、婚約者候補かと思ったがそれは違うらしい。
なんせ、アンドリューの相手はジェラルドという男性だ。一族では公認の仲だと言うことで・・・・確かに安全パイだよね。
女性の扱いに慣れているおかげでどこに行ってもエスコートは完璧だし、案内してくれる所もおしゃれな場所ばかりだった・・・・公爵曰く護衛としても安心らしい。
それでわたしは、今までの分を取り返すように遊び歩いた。
着るものもキャラウェイ夫人というドレスメーカーにすべておまかせで作ってもらった物をとっかえひっかえして出かけている。
ちなみに侯爵家で着ていたものは、一目みた侍女たちが庭で燃やしてしまった。たしかにひどかった。侯爵夫人より老けたドレスだったんだよ。ミンチン先生とかロッテンマイヤーさんとか・・・・髪型も・・・
寄付ってつぶやいたわたしの言葉は黙殺された。こんな物が公爵家から出るということに耐えられないらしい。
おもしろいことに最近王都にあるうわさが広まっている。
マクバーディ公爵に若い愛人・・・わたしの事よ・・・・ができたが公爵は愛人に付き合えないので愛人に愛人をあてがって・・・・アンドリューのことね・・・・好きに遊ばせているって・・・・
確かに遊んでいるよ・・・お菓子を食べに行ったり、遠乗りに行ったり、この前は公園でボートに乗ったり、そうだ、ジェラルドも時々一緒に過ごすから・・・それも、うわさを過激にしているかも・・・
公爵は愛人を持ったと言われるのは嬉しいけど、ついていけないという説に少し傷ついて・・・・けっこうデリケートね・・・・この前は劇場に連れて行ってくれた。
あの個室でふたりきりで過ごして、幕間に舞台の感想を熱く語ったら翌日には熱愛のうわさになってました。それもわたしが公爵にお熱ってなっていて、公爵の機嫌がよくなっていた。
わたしも公爵が元気だというのは嬉しいので、人気のカフェに誘って見た。
外に並ぶのよって覚悟を決めて出かけたけどお店の支配人が飛んできて、先に入ってくれって拝まれて、周囲の人にごめんって先に入ってテラス席に座った。
公爵が言うには昔はこんな場所がなかったそうで、今はいい時代になったしわたしを引き取らなかったらこんな経験はできなかったって喜んでもらった。今度悪友に会ったら自慢するそうだ。
今までの分を取り戻すべく遊んでいるわたしの元へ王宮からの迎えが正式に来た。
きちんと文官として働いてもらえないかという内容だったが断った。今までの働きの給料を寄越せって言いたいよ。
わたしは領地があるからそちらをやりたいしね。
ということで、ジェラルドも含めた四人で領地を見に行った。
王都から馬車で三時間と日帰りで遊べるし、旅気分も味わえるいい立地だ。
まだこの世界の庶民は娯楽に縁遠いが、裕福な階層を相手になにかできそうだ。
ただなにもしなくてもこの領地は黒字なので、老後の心配もないのがうれしい。
贅沢はしても庶民感覚は抜けないもんだな。
266
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
婚約破棄されて追放された私、今は隣国で充実な生活送っていますわよ? それがなにか?
鶯埜 餡
恋愛
バドス王国の侯爵令嬢アメリアは無実の罪で王太子との婚約破棄、そして国外追放された。
今ですか?
めちゃくちゃ充実してますけど、なにか?
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
【完】ある日、俺様公爵令息からの婚約破棄を受け入れたら、私にだけ冷たかった皇太子殿下が激甘に!? 今更復縁要請&好きだと言ってももう遅い!
黒塔真実
恋愛
【2月18日(夕方から)〜なろうに転載する間(「なろう版」一部違い有り)5話以降をいったん公開中止にします。転載完了後、また再公開いたします】伯爵令嬢エリスは憂鬱な日々を過ごしていた。いつも「婚約破棄」を盾に自分の言うことを聞かせようとする婚約者の俺様公爵令息。その親友のなぜか彼女にだけ異様に冷たい態度の皇太子殿下。二人の男性の存在に悩まされていたのだ。
そうして帝立学院で最終学年を迎え、卒業&結婚を意識してきた秋のある日。エリスはとうとう我慢の限界を迎え、婚約者に反抗。勢いで婚約破棄を受け入れてしまう。すると、皇太子殿下が言葉だけでは駄目だと正式な手続きを進めだす。そして無事に婚約破棄が成立したあと、急に手の平返ししてエリスに接近してきて……。※完結後に感想欄を解放しました。※
【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜
よどら文鳥
恋愛
ジュリエル=ディラウは、生まれながらに婚約者が決まっていた。
ハーベスト=ドルチャと正式に結婚する前に、一度彼の実家で同居をすることも決まっている。
同居生活が始まり、最初は順調かとジュリエルは思っていたが、ハーベストの義理の妹、シャロン=ドルチャは病弱だった。
ドルチャ家の人間はシャロンのことを溺愛しているため、折角のデートも病気を理由に断られてしまう。それが例え僅かな微熱でもだ。
あることがキッカケでシャロンの病気は実は仮病だとわかり、ジュリエルは真実を訴えようとする。
だが、シャロンを溺愛しているドルチャ家の人間は聞く耳持たず、更にジュリエルを苦しめるようになってしまった。
ハーベストは、ジュリエルが意図的に苦しめられていることを知らなかった。
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
婚約破棄ですか? ならば国王に溺愛されている私が断罪致します。
久方
恋愛
「エミア・ローラン! お前との婚約を破棄する!」
煌びやかな舞踏会の真っ最中に突然、婚約破棄を言い渡されたエミア・ローラン。
その理由とやらが、とてつもなくしょうもない。
だったら良いでしょう。
私が綺麗に断罪して魅せますわ!
令嬢エミア・ローランの考えた秘策とは!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる