ある王国の王室の物語

朝山みどり

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母の実家の公爵家の養女になる

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ふざけたことに今日も王宮から迎えの馬車が来たが、断固として断った。

部屋でのんびり本を読んでいると来客だと知らせが来た。


いそいで着替えて客間にいくと待っていたのは初老の男性だった。

「エリザベートだね、びっくりさせて悪いね。君の母親はわたしの娘だ」

「・・・はい」

「いままでなにもしなくてすまなかった」

「・・・・」

これってどう答えればいいのだろう。正解がわからないのでだんまりを決め込む。

その後彼が話したことをまとめると

わたしの母親のキャサリンは彼、リオネル・マクバーディ公爵の末の娘だそうだ。

公爵は母が亡くなった時、わたしを引き取りたかったが王太子妃となる事が決定していためわたしを引き取れなかった、公爵家の者が王室に嫁ぐと権力が集中してしまうからってことだが、義妹のシャーロットが婚約者になると聞いた。それなら遠慮なく引き取れるとやって来たそうだ。

ほんと大きな声で言いたいが、王太子妃と内定して教育は終了して実務も完璧にやっていたのだ。あとは正式にっていうところでシャーロットを王太子妃にするなんて話になったのだ。

婚約したかったってことはないが・・・・ないけどね・・・・婚約解消とかではなく最初からなにもなかったってなによ。わたしの時間を返せって言いたい。


本来貴族令嬢をこんな風に軽く扱おうものならその家から厳重抗議があるだろう。だが、侯爵家はエリザベートなどどうでもいいから。

だから、わたしは婚約白紙は歓迎、だけど仕返しはしたい。

公爵は言葉を選びながら続けた。思うところがあると思うが娘に与えられなかったものを受け取って欲しい。侯爵との話もすんでいる。
書類にサインするだけで公爵の養女となれるし、領地と子爵の位をすぐに譲りたいとも。
自分自身が子爵となり、領地をもらえば自立して生きていけるってこと?
前世の知識とエリザベートとして勉強したことを活かすチャンスだよね。

わたしたちが話していると侯爵が悔しそうな顔で睨みつけてくる。

わたしは公爵の提案をうけいれることにして書類にサインをした。週末公爵邸に引っ越すことになった。

引越しは公爵家が手配するからなにもしなくていいらしい。よかった荷物まとめるって面倒なんだよね。



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