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21 新しい暮らし

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「出迎えが遅いわよ。他の使用人はどこなの?」とセーラが怒鳴った。

「あれ?お父様!」とリリベルが言うと、

「まぁ、あなた・・・・ちょっとなに?あの馬車は。侍女もいないし」とセーラが言うと、

「最初に言っておく。君たちにわかるように言うからね」と男は言った。

「確かにわたしは、君たちの元夫。元父親だ。しかし縁は切れておる。気持ちも切れておる」

「・・・・・・・」

「だが、女性二人くらいなら、ここに置くことはできる。だから引き取った。そうでなければ君たちは娼館しか行く場所がなかった」

「娼館ですって・・・・・そんな汚らわしい・・・」とセーラが言うと

「そうだ。だから引き取った。そして、自分の身は自分で養って貰う」

「自分で?また投資?」とリリベルが言うと

「まさか。普通に下働きをして貰う」

「薪を運ぶ仕事を残してくれているらしい。その前に臭いから、体を洗って着替えて・・・・荷物は私物として持っていて良い。部屋に運ぶ手伝いはしてくれるらしい」

「お父様」「あなた!こんな」

二人は呼びかけた。

「そうだ。わたしの事はご主人様と呼んでもらおう。他にわたしの娘がいるから、お嬢様と。息子は若主人様と呼んでくれ」

二人の後ろに立っている男を見て、

「カール。待たせたな。後は頼んだ」そう言うとご主人様は、家に戻った。



その後二人は井戸端で水をかけられ、それから粗末な服を着せられた。

「最初から、一人前に働けとか言わないよ。二人で協力してそこの薪を小屋に運んでくれ。積み上げるのは大変だから、小屋の前に置いてくれ」

カールはそう言うと去って行った。


リリベルは少しずつ薪を運んだが、セーラはなにもやらなかった。薪の上に座って髪を手で櫛っているだけだった。


「お母様、ちゃんと運んで下さい」とリリベルが言うと、

「お前が全部やりなさい。娘なんだから」とセーラは答え、

「ほら、アーデリアだったら黙って全部やってるわよ」と続けた。

「アーデリアが良ければ、会いに行けば?追い返されると思うけど」とリリベルは答えて自分も薪に座った。


カールがやって来た時二人は、薪に座ったままだった。

「時間になりましたが、なにもしてないですね。まぁ部屋に行きましょう」

二人はカールについて行った。


「ここです。食事はありません。食い扶持稼いでないですからね」と言うとカールは去って行った。

「ほんとに、あなたはダメね。せめて荷物の整理をして」と言うとセーラはベッドに入った。

リリベルも黙ってベッドに横になった。




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