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人見知りのお嬢様
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さて、迎えに来てもらって行った先はテオの屋敷だった。??お嬢様が待っているって?最初から一緒に来ればいいのでは?
「不思議そうだね、彼女気位が異様に高くて、自分が迎えに行くって許せないんだよ。その人見知りでね」
なんだそれは?
ちょっとテオの顔色を伺うが、読めない。わたしの猫と彼女の人見知りの勝負で良いのかな?などと思っていると
着飾った女性が現れた。似合ってはいるけどね。宝石がちょっと大きくて好みじゃない。
「テオ、おはよう。食卓のお花はなかなかね」と最初の言葉は合格。だって、わたしが少し色を濃くしたお花を飾っているからね。
何故濃くしているかって?それはね、この時間、この部屋は朝日がはいって色がぼけるの。だから少し濃い目の余り、光を反射しない色にしてるのよ。
「おはよう、マリアンヌこちらが、アリス。今日の事をお願いした」
「おはようございます。アリスです」と挨拶すると
「おはよう。アリス」とそっけなく返って来た。
「それじゃ行きますか」とテオはマリアンヌに手を差し出した。
最初はオーダーのお店だ。
「アリスが注文して見て、マリアンヌにそれを見せて勉強させるから」とテオが爆弾を投げた。
「えーーとテオ、わたしは貧乏な育ちで着るものなんてわかりませんよ。無理・・・・です」
「テオ、もう当たり前だわ。見るからにアリスってダサいわよ。この店にも悪いわ」とマリアンヌが言うのに
「そうです。無理です」とわたしも賛成した。すると
「そこをなんとかしてくれるのが店の実力だよ。アリス。好きに注文して」とテオは意見を変えなかった。
「時間はたっぷり取っていいよ。今日で終わらなければ明日も」とテオはソファにゆったりと体を預けながら言った。
ため息をつくわたしに
「こちら、アリス様とお呼びしてよろしいですか?」と店の女性が声をかけて来た。中堅ところかな?
「はい、アリスです。よろしくお願いします」
「カタログをご覧になりますか?おおまかなデザイン、流行がわかります」
「そう、それでは最初はこの店の得意なラインから見せて下さい」と言うと
「得意なライン?」
「えぇ、このラインはどこにも負けないって言うのがあれば」
すると後ろで様子を見ていた店長がすっと前に出てくると
「このレースを使ったものです。このレースは当店だけのものです。それとわたしはこのプリーツ使いが得意です。
最近の流行は別になりましたが、このプリーツを使ったものでは負けません。流行なんてものに負けないものを作れます」と言った。
「なるほど、わかったわ。流行のものを作るなんていやだと思っていたから・・・・・少しカタログも見せてね。流行のものなんて見る機会がないのよ」と最初に勧められたカタログをめくっていった。
「わたしもカタログを見たいわ」とマリアンヌが大きな声で言うと
「失礼しました。お嬢様どうぞ」とマリアンヌにもカタログが渡された。
流行の衣装をみるのは楽しかった。ここをこうアレンジしてここにプリーツを入れるとマリアンヌの個性が生きるかなとか楽しかったが、あれ?
「ねぇテオ、これはどこで着るドレスなの?」
「あぁ言ってなかった。悪い。今、王都にホテルを作っているだろ。その落成記念の夜会だ」
いやだけど。
「契約を盾にするつもりはないけど、出て貰うよ」
しまった。この手の事から遠ざかっていたから錆び付いていたな・・・・こうなったらマリアンヌをとことん馬鹿にして首になっちゃおう。
「はい、楽しみです。高いドレスを作ります」
「・・・・うん、好きにして」とテオが答えた。
「不思議そうだね、彼女気位が異様に高くて、自分が迎えに行くって許せないんだよ。その人見知りでね」
なんだそれは?
ちょっとテオの顔色を伺うが、読めない。わたしの猫と彼女の人見知りの勝負で良いのかな?などと思っていると
着飾った女性が現れた。似合ってはいるけどね。宝石がちょっと大きくて好みじゃない。
「テオ、おはよう。食卓のお花はなかなかね」と最初の言葉は合格。だって、わたしが少し色を濃くしたお花を飾っているからね。
何故濃くしているかって?それはね、この時間、この部屋は朝日がはいって色がぼけるの。だから少し濃い目の余り、光を反射しない色にしてるのよ。
「おはよう、マリアンヌこちらが、アリス。今日の事をお願いした」
「おはようございます。アリスです」と挨拶すると
「おはよう。アリス」とそっけなく返って来た。
「それじゃ行きますか」とテオはマリアンヌに手を差し出した。
最初はオーダーのお店だ。
「アリスが注文して見て、マリアンヌにそれを見せて勉強させるから」とテオが爆弾を投げた。
「えーーとテオ、わたしは貧乏な育ちで着るものなんてわかりませんよ。無理・・・・です」
「テオ、もう当たり前だわ。見るからにアリスってダサいわよ。この店にも悪いわ」とマリアンヌが言うのに
「そうです。無理です」とわたしも賛成した。すると
「そこをなんとかしてくれるのが店の実力だよ。アリス。好きに注文して」とテオは意見を変えなかった。
「時間はたっぷり取っていいよ。今日で終わらなければ明日も」とテオはソファにゆったりと体を預けながら言った。
ため息をつくわたしに
「こちら、アリス様とお呼びしてよろしいですか?」と店の女性が声をかけて来た。中堅ところかな?
「はい、アリスです。よろしくお願いします」
「カタログをご覧になりますか?おおまかなデザイン、流行がわかります」
「そう、それでは最初はこの店の得意なラインから見せて下さい」と言うと
「得意なライン?」
「えぇ、このラインはどこにも負けないって言うのがあれば」
すると後ろで様子を見ていた店長がすっと前に出てくると
「このレースを使ったものです。このレースは当店だけのものです。それとわたしはこのプリーツ使いが得意です。
最近の流行は別になりましたが、このプリーツを使ったものでは負けません。流行なんてものに負けないものを作れます」と言った。
「なるほど、わかったわ。流行のものを作るなんていやだと思っていたから・・・・・少しカタログも見せてね。流行のものなんて見る機会がないのよ」と最初に勧められたカタログをめくっていった。
「わたしもカタログを見たいわ」とマリアンヌが大きな声で言うと
「失礼しました。お嬢様どうぞ」とマリアンヌにもカタログが渡された。
流行の衣装をみるのは楽しかった。ここをこうアレンジしてここにプリーツを入れるとマリアンヌの個性が生きるかなとか楽しかったが、あれ?
「ねぇテオ、これはどこで着るドレスなの?」
「あぁ言ってなかった。悪い。今、王都にホテルを作っているだろ。その落成記念の夜会だ」
いやだけど。
「契約を盾にするつもりはないけど、出て貰うよ」
しまった。この手の事から遠ざかっていたから錆び付いていたな・・・・こうなったらマリアンヌをとことん馬鹿にして首になっちゃおう。
「はい、楽しみです。高いドレスを作ります」
「・・・・うん、好きにして」とテオが答えた。
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