25 / 34
旅立ち
しおりを挟む
「夜会ですか?そうですね。誘われた時嬉しかったですよ。夜会出たことないし、あの夢の中に行けるって」
とわたしはため息まじりに話を続けた。
「ドレスもありがとうございます。夢の中より素敵でした。広間に入る時、注目を浴びて恥ずかしかったけど、わたしはあのお姫様だから、平気よ。と言い聞かせながら歩きました。
でも、その時。その時ですね。わたし後悔し始めたんですよ」と口を閉じて大きくため息をついた。それから
「足が痛くなったんです。ちょっと歩いただけでコルセットが苦しくなったんです。意識するとコルセットが痛い。苦しい。足が痛い。これがわたしの意識の大半になったんです。自分を鼓舞しながら、ダンスをしました。なんせお姫様ですからね。やっとお菓子と飲み物って時に変な女が来て、まぁお姫様仲間ですね。貴族ですね。腹が立ちましたね。わたしは苦しい思いをしてるのに、涼しい顔してるんですよ。
そんなことでお姫様って夢で見てる方がいいとわかりましたが、もう夢も見ませんね」
なんだか、みんな変な顔をしている。
「これが夜会についてですね。あっ王宮の暮らしは最高でした。食事は美味しい。マッサージは最高。さすがですね。ほんといい思いをしました」ここで立ち上がって
「まぁ体験してみてわかりました。わたしは貴族は無理だと」と言うと
「それでは、失礼します。平民に夢を見せてくれたありがとうございました」と背を向けた。
「団長さんお待たせしました」と戻ると
「ねぇあの人たち貴族でしょ。どうやって知り合った?」とマールが聞いて来たので
「うん、助けた事があるから、お礼を言いに来た」と答えると
「助けた?」
「勉強を教えたのよ」
「勉強?アリスは字が読めるの?」とマールが遠慮がちに聞いて来るので
「うん」と短く答えた。
ちょっと雰囲気が重くなったけど
「マールは苦手?」と聞くと
「うん、ちょっと苦手」
「手伝うよ。苦手な事は早めにつぶそう」と言うと
「ありがとう」と笑い、わたしの手を取り
「早く、馬車に乗ろう。あの馬車よ」と言いながら馬車を指さした。
◇◇◇◇◇
「お姫様になった夢を見たね」
「うそだよね。だけど証明できない」
「前世だったとか」と口にしたジェフはみなから頭を叩かれた。
「名ばかり貴族の家に生まれて、家庭教師もいない。冷遇されていたのは確か」
「ほんと。前世とか言われたほうが、信じるかも」
「だが、平民がどこに行こうが・・・・勝手だよな」
「なんというか、友達でいて欲しかった」とハリーが言うと
「確かに、虫除けにもなるし、話して楽しいし」
「前世、男だったとか。お姫様の相手をしていたからお姫様を知ってるんだ」と言ったジェフを見てハリーは
「そうかもな」と笑った。
「ほら、ハリー」そして小声で「殿下」と言って「ほら、僕たちがいるよ。楽しいよ。いいやつだよ」とローリーが背中を軽く叩いた。
「ありがとう。友情に感謝だよ」とハリーが言うと
「そろそろ帰りましょうか。馬鹿みたいですよ。こんな所で」とローリーが立ち上がり一同は、ハリーを囲んで歩み去った。
とわたしはため息まじりに話を続けた。
「ドレスもありがとうございます。夢の中より素敵でした。広間に入る時、注目を浴びて恥ずかしかったけど、わたしはあのお姫様だから、平気よ。と言い聞かせながら歩きました。
でも、その時。その時ですね。わたし後悔し始めたんですよ」と口を閉じて大きくため息をついた。それから
「足が痛くなったんです。ちょっと歩いただけでコルセットが苦しくなったんです。意識するとコルセットが痛い。苦しい。足が痛い。これがわたしの意識の大半になったんです。自分を鼓舞しながら、ダンスをしました。なんせお姫様ですからね。やっとお菓子と飲み物って時に変な女が来て、まぁお姫様仲間ですね。貴族ですね。腹が立ちましたね。わたしは苦しい思いをしてるのに、涼しい顔してるんですよ。
そんなことでお姫様って夢で見てる方がいいとわかりましたが、もう夢も見ませんね」
なんだか、みんな変な顔をしている。
「これが夜会についてですね。あっ王宮の暮らしは最高でした。食事は美味しい。マッサージは最高。さすがですね。ほんといい思いをしました」ここで立ち上がって
「まぁ体験してみてわかりました。わたしは貴族は無理だと」と言うと
「それでは、失礼します。平民に夢を見せてくれたありがとうございました」と背を向けた。
「団長さんお待たせしました」と戻ると
「ねぇあの人たち貴族でしょ。どうやって知り合った?」とマールが聞いて来たので
「うん、助けた事があるから、お礼を言いに来た」と答えると
「助けた?」
「勉強を教えたのよ」
「勉強?アリスは字が読めるの?」とマールが遠慮がちに聞いて来るので
「うん」と短く答えた。
ちょっと雰囲気が重くなったけど
「マールは苦手?」と聞くと
「うん、ちょっと苦手」
「手伝うよ。苦手な事は早めにつぶそう」と言うと
「ありがとう」と笑い、わたしの手を取り
「早く、馬車に乗ろう。あの馬車よ」と言いながら馬車を指さした。
◇◇◇◇◇
「お姫様になった夢を見たね」
「うそだよね。だけど証明できない」
「前世だったとか」と口にしたジェフはみなから頭を叩かれた。
「名ばかり貴族の家に生まれて、家庭教師もいない。冷遇されていたのは確か」
「ほんと。前世とか言われたほうが、信じるかも」
「だが、平民がどこに行こうが・・・・勝手だよな」
「なんというか、友達でいて欲しかった」とハリーが言うと
「確かに、虫除けにもなるし、話して楽しいし」
「前世、男だったとか。お姫様の相手をしていたからお姫様を知ってるんだ」と言ったジェフを見てハリーは
「そうかもな」と笑った。
「ほら、ハリー」そして小声で「殿下」と言って「ほら、僕たちがいるよ。楽しいよ。いいやつだよ」とローリーが背中を軽く叩いた。
「ありがとう。友情に感謝だよ」とハリーが言うと
「そろそろ帰りましょうか。馬鹿みたいですよ。こんな所で」とローリーが立ち上がり一同は、ハリーを囲んで歩み去った。
97
お気に入りに追加
1,676
あなたにおすすめの小説
このままだと身の危険を感じるので大人しい令嬢を演じるのをやめます!
夢見 歩
恋愛
「きゃあァァァァァァっ!!!!!」
自分の体が宙に浮くのと同時に、背後から大きな叫び声が聞こえた。
私は「なんで貴方が叫んでるのよ」と頭の中で考えながらも、身体が地面に近づいていくのを感じて衝撃に備えて目を瞑った。
覚悟はしていたものの衝撃はとても強くて息が詰まるような感覚に陥り、痛みに耐えきれず意識を失った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この物語は内気な婚約者を演じていた令嬢が苛烈な本性を現し、自分らしさを曝け出す成長を描いたものである。
公爵令嬢は父の遺言により誕生日前日に廃嫡されました。
夢見 歩
ファンタジー
日が暮れ月が昇り始める頃、
自分の姿をガラスに写しながら静かに
父の帰りを待つひとりの令嬢がいた。
リリアーヌ・プルメリア。
雪のように白くきめ細かい肌に
紺色で癖のない綺麗な髪を持ち、
ペリドットのような美しい瞳を持つ
公爵家の長女である。
この物語は
望まぬ再婚を強制された公爵家の当主と
長女による生死をかけた大逆転劇である。
━━━━━━━━━━━━━━━
⚠︎ 義母と義妹はクズな性格ですが、上には上がいるものです。
⚠︎ 国をも巻き込んだ超どんでん返しストーリーを作者は狙っています。(初投稿のくせに)
十年後に戻って来た少女は思いがけず溺愛される
朝山みどり
恋愛
いきなり現れた見慣れぬ魔獣が護衛を次々に倒していく。わたしはアレク様を逃がすために転移陣を展開した。魔法陣が光り始めた。あと少しで発動だ。その時、魔獣が護衛を躱して、飛びかかってきた。
間に合わない。わたしは発動した陣もろとも魔獣に飛びついた。
以前、「なろう」に投稿したものを手直ししながらの投稿です。
酷い扱いを受けていたと気付いたので黙って家を出たら、家族が大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
――わたしは、家族に尽くすために生まれてきた存在――。
子爵家の次女ベネディクトは幼い頃から家族にそう思い込まされていて、父と母と姉の幸せのために身を削る日々を送っていました。
ですがひょんなことからベネディクトは『思い込まれている』と気付き、こんな場所に居てはいけないとコッソリお屋敷を去りました。
それによって、ベネディクトは幸せな人生を歩み始めることになり――反対に3人は、不幸に満ちた人生を歩み始めることとなるのでした。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる