20 / 34
願い事
しおりを挟む
実にすっきり目が覚めた。はぁここに永住したい・・・・・・侍女ひとり貰いたい・・・・
なんて令嬢の思考はここで終わり。
朝食を半分少し食べた所で、下げて貰い、おかわりしたお茶を飲み終わると、こちらからアレクの所を訪ねる。
昨日の事で忙しいだろうが、そんな事情平民のわたしにわかるはずがない。
断られるかと思ったが、すんなりドアが開いた。
「おはようございます。お忙しい所・・・・」途中で椅子を示された。
「報酬の事だな」とジェフが言うので
「はい」と言うとそのままうなづかれたので
「孤児たちの事です」と言うと怪訝な顔をしたので
「ご存知かもしれないですが」と切り出して、街の子供の事を説明した。
「なんと・・・・・」
「皆、孤児院で少なくとも雨露はしのいでいると思っていました。その・・・・実情をご存知だったら・・・」
「いや、アリス。同じように思っていた・・・・・安全な家と食事は与えられていると・・・・」とハリーが答えた。
「すぐに調査をする。信用して欲しい」とハリーが答えた所で、ジェフとローリーもテーブルにつき、侍従が全員出て行った。
頭に警告音が響いた。なにかした?間違えた?
「ねぇアリス。昨日は助けてくれてありがとう。ハリーを守ったよね。どうして?」とジェフが軽く聞いてきて、思い出した。
そうだ。わたくしはハリーが王子だと確信していたのだ。それを隠していたつもりだったが・・・・あの瞬間・・・
「そうですか?あまり覚えてないですね。夜会とか初めてでしたし・・・」
「そうか・・・・なるほど・・・・」とジェフが笑うと
「来週から学院で魔法の実技を少し習ってくれ」とローリーが言い出した。
「退学しましたので・・・・え?・・・・あれ?」と思わず言うと
「ごめんね、手続きしようとしたけど学院が申し訳ないからって、特別講習をするとかで・・・・・その後は退学ではなく卒業させてくれるって」
「わかりました・・・・・お話はそれだけですか?」
「そうかな」といいながら顔を見合わせて、
「うん、こんだけ・・・・それでね・・・・退学は出来ないからね・・・・我慢して。でも孤児院の事はちゃんと報告するから」とハリーが言うのを、睨みつけて
「ありがとうございます。それでは、失礼します」と席を立った。
部屋を出て、いつもの散歩道を通り庭師から、剪定した枝を貰った。
歩きながら、気持ちを静めて行く。手続きを任せたのは、判断を間違った。だが、卒業まで王都に滞在できるのは良かったのか?孤児院の事を・・・・・いや、もう関わらないほうがいい。
そしたら、王宮で実験してみてもいいかも・・・・・右膝?耳?喉?・・・想像したら楽しくなって来た。
そういえば、バード伯爵の人たちは、どうなったのだろう・・・・後で聞いてみよう。
なんて令嬢の思考はここで終わり。
朝食を半分少し食べた所で、下げて貰い、おかわりしたお茶を飲み終わると、こちらからアレクの所を訪ねる。
昨日の事で忙しいだろうが、そんな事情平民のわたしにわかるはずがない。
断られるかと思ったが、すんなりドアが開いた。
「おはようございます。お忙しい所・・・・」途中で椅子を示された。
「報酬の事だな」とジェフが言うので
「はい」と言うとそのままうなづかれたので
「孤児たちの事です」と言うと怪訝な顔をしたので
「ご存知かもしれないですが」と切り出して、街の子供の事を説明した。
「なんと・・・・・」
「皆、孤児院で少なくとも雨露はしのいでいると思っていました。その・・・・実情をご存知だったら・・・」
「いや、アリス。同じように思っていた・・・・・安全な家と食事は与えられていると・・・・」とハリーが答えた。
「すぐに調査をする。信用して欲しい」とハリーが答えた所で、ジェフとローリーもテーブルにつき、侍従が全員出て行った。
頭に警告音が響いた。なにかした?間違えた?
「ねぇアリス。昨日は助けてくれてありがとう。ハリーを守ったよね。どうして?」とジェフが軽く聞いてきて、思い出した。
そうだ。わたくしはハリーが王子だと確信していたのだ。それを隠していたつもりだったが・・・・あの瞬間・・・
「そうですか?あまり覚えてないですね。夜会とか初めてでしたし・・・」
「そうか・・・・なるほど・・・・」とジェフが笑うと
「来週から学院で魔法の実技を少し習ってくれ」とローリーが言い出した。
「退学しましたので・・・・え?・・・・あれ?」と思わず言うと
「ごめんね、手続きしようとしたけど学院が申し訳ないからって、特別講習をするとかで・・・・・その後は退学ではなく卒業させてくれるって」
「わかりました・・・・・お話はそれだけですか?」
「そうかな」といいながら顔を見合わせて、
「うん、こんだけ・・・・それでね・・・・退学は出来ないからね・・・・我慢して。でも孤児院の事はちゃんと報告するから」とハリーが言うのを、睨みつけて
「ありがとうございます。それでは、失礼します」と席を立った。
部屋を出て、いつもの散歩道を通り庭師から、剪定した枝を貰った。
歩きながら、気持ちを静めて行く。手続きを任せたのは、判断を間違った。だが、卒業まで王都に滞在できるのは良かったのか?孤児院の事を・・・・・いや、もう関わらないほうがいい。
そしたら、王宮で実験してみてもいいかも・・・・・右膝?耳?喉?・・・想像したら楽しくなって来た。
そういえば、バード伯爵の人たちは、どうなったのだろう・・・・後で聞いてみよう。
103
お気に入りに追加
1,682
あなたにおすすめの小説
このままだと身の危険を感じるので大人しい令嬢を演じるのをやめます!
夢見 歩
恋愛
「きゃあァァァァァァっ!!!!!」
自分の体が宙に浮くのと同時に、背後から大きな叫び声が聞こえた。
私は「なんで貴方が叫んでるのよ」と頭の中で考えながらも、身体が地面に近づいていくのを感じて衝撃に備えて目を瞑った。
覚悟はしていたものの衝撃はとても強くて息が詰まるような感覚に陥り、痛みに耐えきれず意識を失った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この物語は内気な婚約者を演じていた令嬢が苛烈な本性を現し、自分らしさを曝け出す成長を描いたものである。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。
りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。
伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。
それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。
でも知りませんよ。
私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
これが私の兄です
よどら文鳥
恋愛
「リーレル=ローラよ、婚約破棄させてもらい慰謝料も請求する!!」
私には婚約破棄されるほどの過失をした覚えがなかった。
理由を尋ねると、私が他の男と外を歩いていたこと、道中でその男が私の顔に触れたことで不倫だと主張してきた。
だが、あれは私の実の兄で、顔に触れた理由も目についたゴミをとってくれていただけだ。
何度も説明をしようとするが、話を聞こうとしてくれない。
周りの使用人たちも私を睨み、弁明を許されるような空気ではなかった。
婚約破棄を宣言されてしまったことを報告するために、急ぎ家へと帰る。
子供の言い分 大人の領分
ひおむし
恋愛
第二王子は、苛立っていた。身分を超えて絆を結んだ、元平民の子爵令嬢を苛む悪辣な婚約者に。気持ちを同じくする宰相子息、騎士団長子息は、ともに正義の鉄槌をくださんと立ち上がろうーーーとしたら、何故か即効で生徒指導室に放り込まれた。
「はーい、全員揃ってるかなー」
王道婚約破棄VSダウナー系教師。
いつも学園モノの婚約破棄見るたびに『いや教師何やってんの、学校なのに』と思っていた作者の鬱憤をつめた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる