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願い事

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実にすっきり目が覚めた。はぁここに永住したい・・・・・・侍女ひとり貰いたい・・・・


なんて令嬢の思考はここで終わり。


朝食を半分少し食べた所で、下げて貰い、おかわりしたお茶を飲み終わると、こちらからアレクの所を訪ねる。

昨日の事で忙しいだろうが、そんな事情平民のわたしにわかるはずがない。


断られるかと思ったが、すんなりドアが開いた。


「おはようございます。お忙しい所・・・・」途中で椅子を示された。

「報酬の事だな」とジェフが言うので

「はい」と言うとそのままうなづかれたので

「孤児たちの事です」と言うと怪訝な顔をしたので

「ご存知かもしれないですが」と切り出して、街の子供の事を説明した。


「なんと・・・・・」

「皆、孤児院で少なくとも雨露はしのいでいると思っていました。その・・・・実情をご存知だったら・・・」

「いや、アリス。同じように思っていた・・・・・安全な家と食事は与えられていると・・・・」とハリーが答えた。

「すぐに調査をする。信用して欲しい」とハリーが答えた所で、ジェフとローリーもテーブルにつき、侍従が全員出て行った。

頭に警告音が響いた。なにかした?間違えた?


「ねぇアリス。昨日は助けてくれてありがとう。ハリーを守ったよね。どうして?」とジェフが軽く聞いてきて、思い出した。

そうだ。わたくしはハリーが王子だと確信していたのだ。それを隠していたつもりだったが・・・・あの瞬間・・・


「そうですか?あまり覚えてないですね。夜会とか初めてでしたし・・・」

「そうか・・・・なるほど・・・・」とジェフが笑うと

「来週から学院で魔法の実技を少し習ってくれ」とローリーが言い出した。

「退学しましたので・・・・え?・・・・あれ?」と思わず言うと

「ごめんね、手続きしようとしたけど学院が申し訳ないからって、特別講習をするとかで・・・・・その後は退学ではなく卒業させてくれるって」

「わかりました・・・・・お話はそれだけですか?」

「そうかな」といいながら顔を見合わせて、

「うん、こんだけ・・・・それでね・・・・退学は出来ないからね・・・・我慢して。でも孤児院の事はちゃんと報告するから」とハリーが言うのを、睨みつけて

「ありがとうございます。それでは、失礼します」と席を立った。


部屋を出て、いつもの散歩道を通り庭師から、剪定した枝を貰った。


歩きながら、気持ちを静めて行く。手続きを任せたのは、判断を間違った。だが、卒業まで王都に滞在できるのは良かったのか?孤児院の事を・・・・・いや、もう関わらないほうがいい。

そしたら、王宮で実験してみてもいいかも・・・・・右膝?耳?喉?・・・想像したら楽しくなって来た。

そういえば、バード伯爵の人たちは、どうなったのだろう・・・・後で聞いてみよう。





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