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ナタリーと対戦
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次はあのナタリー。パールの友達でボタンの敵だ。
今回は正攻法で力を見せつけて戦うつもりだ。
わたしは、入場から宙に浮いた。
「何故、浮いているの?」とナタリーが怯えながら言うので、
「わからないの?無能だと靴を貰えないからよ。これはもう壊れているの」と言いながら、足を少し前に出すと
靴底がぱかっとくちを開けて、わたしの靴下が見えた。
「もちろん、靴下も穴あきよ。これは無能だから当たり前なのよ。あなたは無能じゃないから靴も競技会用の服も貰える。わたしのような無能とは違うわ」
そう言いながら、両手に持った杖から火花をぱちぱち出した。
「いつもわたしの服のボタンを無理やり外してくれたわね。楽しかったでしょ?やってみたいと思っていたの」
そういうとナタリーの服からボタンをひとつひとつ飛ばして行った。
「あぁ!まだ開始じゃない。ごめん」と言うと審判をじっと見た。
「・・・・始め」と審判が言うと、ナタリーが後ろに下がって行く。
わたしは、その足元に火花を落とす。悲鳴をあげてナタリーが下がる。やがてくるっと背を向けるとナタリーが走り出した。
「待ってーーーこれじゃ試合にならないーーー逃げないでーー」と大声を出して、ナタリーの後ろに火花をどんどん落とす。
その間観客は
「無能に追われて逃げるなーーー戦えー」とか、やじを飛ばしている。
わたしは
「そうよーーわたしは無能よーーー逃げないでーーー」と後ろから声をかける。
「あなたはちゃんと靴を履いてるのよーーーー靴もないわたしとは違うわよーー」
それでも逃げるから、火花で輪を作って取り囲んで、動けないようにした。
「そもそも靴もないなんてあんたのうちはなんなの」とナタリーが言うから
「わたしは、家族として扱われてないからうちの事は知らないわ」言うとナタリーはちらっとパールを見た。
「わたしは、伯爵家出身の先妻の娘よ。男爵家の後妻からみると目障り。だから魔力なしの無能扱いしたのよ。だいたいパールは妹とか言い張るけど、三ヶ月先に生まれているのよ。こんな事ができるから、魔力はあるけど・・・・わたしを無能扱いするほうが、学院も家も都合がいいのよ」
「学院の都合がいいって?」
「草むしりをやとわなくていいじゃない」
「・・・・・・・」
「それでは、競技会らしく戦いましょう」と両手に持った杖を振り上げた。すると
「いやーーーーー」と言ってナタリーはうずくまった。だからなんだと言うのだ。水の塊をその体の上に出した。
「やめろーーグレイスの勝ちだ」と審判が絶叫したが、グレイスって誰?
わたしは水の塊をナタリーの上で崩した。
「ひゃーーー」とナタリー言いながら、水に流されて競技場の隅まで流れて行った。
「なんてことをするんだ」と審判はわたしに言うが、
「勝負を邪魔するんですか?そこまでするんですか?」と大声で叫んだ。
「勝ちを宣言しただろ。聞こえなかったか?」
「はい、グレイスとかいう人の事ですか?」と言いながら、狙いを定める。
「やめろ、君の勝ちだ」と言うのを無視して魔力を練る。
「やめて下さい。お願いします。あなたの勝ちです」と言う審判の声で、杖を下ろした。
「選手の名前ひとつ覚えなくても審判って出来るんですね。無能でも出来るなんて励まされます」とにたりと笑って言ってやった。
今回は正攻法で力を見せつけて戦うつもりだ。
わたしは、入場から宙に浮いた。
「何故、浮いているの?」とナタリーが怯えながら言うので、
「わからないの?無能だと靴を貰えないからよ。これはもう壊れているの」と言いながら、足を少し前に出すと
靴底がぱかっとくちを開けて、わたしの靴下が見えた。
「もちろん、靴下も穴あきよ。これは無能だから当たり前なのよ。あなたは無能じゃないから靴も競技会用の服も貰える。わたしのような無能とは違うわ」
そう言いながら、両手に持った杖から火花をぱちぱち出した。
「いつもわたしの服のボタンを無理やり外してくれたわね。楽しかったでしょ?やってみたいと思っていたの」
そういうとナタリーの服からボタンをひとつひとつ飛ばして行った。
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「・・・・始め」と審判が言うと、ナタリーが後ろに下がって行く。
わたしは、その足元に火花を落とす。悲鳴をあげてナタリーが下がる。やがてくるっと背を向けるとナタリーが走り出した。
「待ってーーーこれじゃ試合にならないーーー逃げないでーー」と大声を出して、ナタリーの後ろに火花をどんどん落とす。
その間観客は
「無能に追われて逃げるなーーー戦えー」とか、やじを飛ばしている。
わたしは
「そうよーーわたしは無能よーーー逃げないでーーー」と後ろから声をかける。
「あなたはちゃんと靴を履いてるのよーーーー靴もないわたしとは違うわよーー」
それでも逃げるから、火花で輪を作って取り囲んで、動けないようにした。
「そもそも靴もないなんてあんたのうちはなんなの」とナタリーが言うから
「わたしは、家族として扱われてないからうちの事は知らないわ」言うとナタリーはちらっとパールを見た。
「わたしは、伯爵家出身の先妻の娘よ。男爵家の後妻からみると目障り。だから魔力なしの無能扱いしたのよ。だいたいパールは妹とか言い張るけど、三ヶ月先に生まれているのよ。こんな事ができるから、魔力はあるけど・・・・わたしを無能扱いするほうが、学院も家も都合がいいのよ」
「学院の都合がいいって?」
「草むしりをやとわなくていいじゃない」
「・・・・・・・」
「それでは、競技会らしく戦いましょう」と両手に持った杖を振り上げた。すると
「いやーーーーー」と言ってナタリーはうずくまった。だからなんだと言うのだ。水の塊をその体の上に出した。
「やめろーーグレイスの勝ちだ」と審判が絶叫したが、グレイスって誰?
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「ひゃーーー」とナタリー言いながら、水に流されて競技場の隅まで流れて行った。
「なんてことをするんだ」と審判はわたしに言うが、
「勝負を邪魔するんですか?そこまでするんですか?」と大声で叫んだ。
「勝ちを宣言しただろ。聞こえなかったか?」
「はい、グレイスとかいう人の事ですか?」と言いながら、狙いを定める。
「やめろ、君の勝ちだ」と言うのを無視して魔力を練る。
「やめて下さい。お願いします。あなたの勝ちです」と言う審判の声で、杖を下ろした。
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