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13 彼らの話し合い

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さて、飼育塔の騒ぎが合った夜、第三王子ジェラルドは部屋で客を待っていた。

夜中少し前、ドアがノックされた。ジェラルドはドアを開けると

「礼儀正しいな。ドアから入ってくるとは」と言った。

「あぁカミーユは行儀にうるさいからな」と答えたのはレイモンドだ。

椅子に座りお互いをみて

「「なにを望む?」」と同時に言った二人は

「「なかなかだ」」と同時に言った。

テーブルの上の酒をグラスに注いで、ジェラルドはレイモンドにすすめたが、断られて自分が飲み始めた。

それを見たレイモンドは

「神殿から出たい、今後のつながりも切りたい。安全に暮らせる場所」と言った。

半分ほど飲んだグラスをテーブルに置いたジェラルドは、

「保証しよう。たまに手伝ってくれ、お前もカミーユもだ」

「わかった。いろいろ頼むぞ」とジェラルドは言うとグラスに酒を注いで、レイモンドの前に置いた。

「友情に」「友人に」それぞれが相手の言葉に少し驚いたが、一口飲んだ。

「美味いな」とレイモンドが言うと

「あぁとっておきだ」とジェラルドが答えた。



ドアからレイモンドが滑り出ると、ジェラルドはもう一杯注いだ。

『あいつは競争から降り、俺は走り抜く・・・道は交わったがな』

ジェラルドはグラスを傾けたが、

「さっきのほうが美味しいような?!」と薄く笑った。



小屋に戻ったレイモンドは、ぐっすり眠るカミーユを見て優しく微笑んだ。だが、つぶやかれた言葉に優しさはなかった。

「カミーユは優しいからすぐに忘れてしまうでしょうけど、俺はしつこいんだ。カミーユの立場をなくし、冷たくしたやつらを許さない。だいたいカミーユの魔力は充分ある。それを盗んだうえに、苦しめたやつらだよ・・・許すほうがおかしいだろ」


そして翌日、レイモンドは神殿に向かったが、

「確かこうするんだよね」と言いながらカミーユの腰に手を回したり、髪のひと房をとってくちづけをしたり、

決まり文句は「確かこうするんだよね」

「もう、レイ。いつものように手をつなぐわよ」とうっかりカミーユは言ってしまい、大喜びのレイモンドは

「はい、カミーユ」とレイはしっかりと手をつなぐと、カミーユを見下ろしながらゆっくりと歩いたのだった。

馬車が待っているのを見たレイモンドは、

「約束を守るやつは好きだぜ」とつぶやいた。
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